【感想】1年遅れの12インチMacBookレビュー

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MacBook 12 - 0

12インチMacBook(Early 2016)を手に入れました。
発売からおよそ10か月も経っていますが、感想をお届けします。

軽くて薄くて、そしてちゃんとしたMacです。


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12インチMacBook(Early 2016)の概要

2016年モデルの12インチMacBookの仕様は次のとおりです。

項目 内容
OS mac OS Sierra
CPU Intel core m3 1.1GHz / m5 1.2GHz / m7 1.3GHz
GPU Intel HD Graphics 515
RAM 8GB
ストレージ 256GB SSD(PCIe) / 512GB SSD(PCIe)
ディスプレイ 12インチ、2304 x 1440ピクセル
カメラ フロント:480p
インターフェース USB 3.1 Type-C x 1、3.5mmステレオヘッドセット
ワイヤレス IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
サイズ・重量 28.05 x 19.65 x 0.35〜1.31cm、0.92kg

プロセッサーにIntel Core mシリーズを採用して消費電力と発熱を抑えつつ、インターフェースを最小限にして本体の厚みを極限まで削ぎ落としています。


12インチMacBookの感想

やっぱり小さくて薄くて軽い

12インチMacBookを手にして感心するのは、その小ささ、薄さ、そして軽さです。

サイズはB5サイズより一回り大きい程度。厚みは数値上最も厚い部分で13.1mmですが、これにはゴム足も含んでいるようですし、縁に向かって薄くなるデザインなこともあって、数値よりずっと薄く感じます。感覚的には1cmを切っている印象。

手に持ったときの重さも、サイズの小ささのせいで重心に近いところを持てるため、非常に軽く感じます。実際の重さも1kgを切っているので、文句なしに軽いです。

強力な処理能力やタッチ入力・ペン入力が必要ない用途に限れば、ポータビリティは現在発売されているPC/Macの中でも最高峰だと思います。

キーボードが思った以上に快適

12インチMacBookにはバタフライ構造と呼ばれる新しい機構を採用したフルサイズのキーボードが搭載されています。

MacBook early 2016 - 3

本体の薄さを確保するために考案された極薄のキーボードですが、これが思いの外打ちやすいです。

タイプしたときに感じるフィードバックは、店頭で触れていたときの印象よりもはっきりしていて、ストロークの短さにもかかわらず、ちゃんと入力されたかどうかを正確に感じ取ることができます。

パタパタというタイプ音がやや大きめですが、くぐもった音で特に耳障りではないと思います。
ただ、どんなふうにタイプしてもある程度の音は鳴ってしまうので、特別な静かさを求める場合には向かないかもしれません。

キーの配置は完全に真っ当で、サイズも十分な大きさがあります。

各キーの表面は中央が低くなるすり鉢形になっていて、指が吸い付くようにタイプできます。ただ打っているだけで気持ち良いキーボードです。

不満があるとすれば、最上段のキー(Esc、ファンクションキー、電源キー)が縦方向に小さいことで、これらのキーをタッチタイプしたい場合には多少の慣れが必要でしょう。

それと、黒のつや消しのキーは長く使っているとテカりが出て来ると思います。
店頭に展示されているものもテカりが見られるものがありますし、中古品の注意事項にも「キーボードにテカり」のように書かれているものが多いので、おそらく避けられないものなのでしょう。美しい外観が失われるのは残念ですが、道具と割り切って付き合うしかないと思います。

タッチパッドは十分な大きさ

最近のMacはタッチパッドの大型化が顕著で、2016年モデルのMacBook Proには超巨大なタッチパッドが搭載されています。

MacBook early 2016 - 4

12インチMacBookのタッチパッドも、MacBook Proほどではありませんが、比較的大きめのものを採用しています。

幅112mm、高さ70mm程度(いずれも実測)で、3本指までの操作で大きさが足りないと感じる場面はありません。

物理ボタンの代わりにTaptic Engineによる振動でクリックのフィードバックを返すようになっていて、物理ボタン式と比べて全く遜色のない自然なクリック感があります。
また、パッド上のどこを押しても(例えば、物理ボタンタイプなら押せないような上端を押しても)ちゃんとクリックとして認識されるので、操作性ではむしろこちらの方が優れていると言っても良いでしょう。

キーボードをタイプするときに右の親指の付け根のあたりがパッドに触れた状態になりますが、それによってカーソルが動いて誤入力になるようなことはないようです。パームブロック的な制御がちゃんとされている模様です。

Macのタッチパッドは、一度経験するとWindowsのどんなタッチパッドでも満足できなくなるほど、OSとの親和性が素晴らしいのですが、12インチMacBookでもその快適さは健在です。

パフォーマンスはそこそこ

今回手に入れたのは現行の12インチMacBookの中では最もパフォーマンスに余裕があるCore m7モデルです。

Apple Musicの音楽をAirPlayでコンポに飛ばしながら、Safariで資料を参照しつつ、OneNoteでブログ記事を書くという、まさにこの瞬間に行っている作業では、何かが遅いとか引っかかるといった不都合は全くありません。

また、YouTube、Netflix、ニコニコ動画などの動画配信も全く問題なく再生できます。

さらに、Final Cut Pro Xでの動画編集は、動画編集作業そのものはスムースに行えます。
ただし、編集済みの動画を書き出す処理には、それなりに時間が掛かります。このあたりはプロセッサーの処理能力がもろに影響する部分なので、割り切った使い方をする必要があるでしょう。

電源オフの状態から起動すると、ログイン画面が表示されるまでに10秒ほど、パスワードを入力してからデスクトップが表示されるまでに更に20秒ほど掛かります。
一方、スリープ状態からの復帰は一瞬です。普段はスリープ状態を使う(つまり、使い終わったら蓋を閉じ、次に使うときは蓋を開ける)のが快適だと思います。

後述しますが、スリープ状態でのバッテリー消費はほぼありません。

ディスプレイは最高に美しい

12インチMacBookのディスプレイは、2304 x 1440ピクセルの226ppi。どんなに目を凝らしても、粒状感は全く感じられません。

メニューバー、設定画面、Finder、Safariなど、Appleがコントロールしている画面のフォントの選択と描画の美しさは文句なしで、使っていてとても心地よいです。

また、画面は光沢のあるグレアタイプですが、映り込みはうまく抑えられていて、外に面した大きな窓を背にして作業しても、あまり気になりませんし、作業に支障はありません。

そして、グレアタイプならではの発色とコントラストの高さも素晴らしいです。

発熱はそこそこある

12インチMacBookには冷却用のファンは搭載されていません。冷却は本体からの放熱のみで行われます。

私の使っているCore m7モデルの場合、キーボードのパームレストの部分や、本体裏側全体がほぼ常に「温かい」状態になっています。パームレストと本体裏側とでは、本体裏側の方がより温度が高くなっています。

大した温度ではありませんが、夏場の作業では少し気になることがあるかもしれません。

スピーカーの音は普通

12インチMacBookが発売された当初、いろんなレビューでスピーカーの音が高く評価されていました。当時売られていたMacの中で最高に音が良い、というような評価でした。

実際に聞いてみると、立体感は感じられますが、低音はあまり出ないし(サイズ的に当たり前ですが)、みんなが絶賛するほど良い音とは思えません。
私の感覚では、2015年までのMacBook Pro(15インチモデル)の方が良い音で鳴っていたように思います。

内蔵スピーカーの音については、あまり期待しすぎないのが良いのではないかと思います。もちろん、カジュアルに音楽や動画やビデオチャットを楽しむのに問題はありません。

バッテリーライフは必要十分

12インチMacBookの公称バッテリーライフは、ウェブサイトの閲覧で10時間、ローカルのiTunesムービーの再生で11時間(いずれもCore m5モデルでの計測結果)とされています。

手元のCore m7モデルでは、自宅のWi-Fi環境でApple MusicとSafariとOneNoteを併用する使い方で、およそ7時間使い続けることができました。

また、バッテリー残量100%でスリープ状態にして、一晩(約7時間30分)寝かせたあとのバッテリー残量は100%で全然減っていませんでした。

これらのデータから、利用しないときにはスリープ状態にする(シャットダウンしない)という使い方でも、実質7時間程度は電源のない場所で使うことができると判断します。

普通のお勤めならオフィスで充電するチャンスもあるでしょうから丸一日戦えますし、学生さんなら講義4コマ+1〜2時間程度の自習は充電なしでなんとかやれるんじゃないかと思います。


まとめ 〜 尖った割り切りが成功した最強のモバイルマシン

12インチMacBookはその小さく、薄く、軽いボディで最高のモビリティを実現した上で、ちゃんとMacらしい使い勝手をキープした、最強のモバイルマシンと言って良いと思います。
Macならではの画面の見やすさと美しさ、タッチパッドの操作性の高さ、iCloudキーチェーンの便利さ、仮想デスクトップの快適さ、AirPlayとの親和性の高さを、このサイズですべて享受できます。

事務作業に限ればタッチパッドで十二分に快適に作業できるので、マウスを持ち運ぶ必要がなくなって、さらにモビリティが高まります。

インターフェースが充電ポートと兼用のUSB Type-Cが1ポートと3.5mmステレオのヘッドセット端子しかないという強烈な割り切りがされていますが、これはこの本体の薄さを実現するためには仕方なかったんだと、実物を見ればよくわかります。

MacBook early 2016 - 1

ここを妥協してしまえば本体はもっと厚くなるし、厚くした分のスペースにバッテリーを詰め込みたくなるから重くなるし、そうするともう普通のラップトップと変わらなくなってしまいます。

外部メディアからのデータの取り込みは、USB Type-C対応のシリコンディスク(USBメモリー、SSD)や同じくUSB Type-C対応のカードリーダー、もしくは、USB Type-C – Type-Aの変換アダプターを経由する必要があって、頻繁に行うには手間が掛かりすぎますが、それもこれもこの薄さのためと考えられる人にとっては、納得できる仕様だと思います。

私の場合、他人とやり取りするデータの大半はクラウド経由やメール添付で済んでしまう(ファイル数も容量もそれほど多く・大きくない)し、写真や動画の取り込みはiPhoneで撮ったものならAirDropでできるので、あとはそれ以外のデジカメで撮った写真や動画の扱いが課題です。Wi-Fi機能内蔵のデジカメを使うか、Eye-Fi的なアイテムを使うかすれば良いかと思っています。

データの参照や書類の作成といった外出先でやりたい作業の大半はMacBookのパフォーマンスで十分に対応可能です。より負荷の高い作業(たとえば、動画編集とか大量のRAW画像の現像など)をやりたければ、仕込みは外出先のMacBookでやって、仕上げを自宅のMacBook Proで行うような使い分けができれば快適だと思います。もちろん、多少時間が掛かることを受け入れれば、すべてをMacBookで完結させることもできます。

バッテリーライフは一日持ち歩く機器としてギリギリ合格ラインに達していると思いますが、足りない場合はモバイルバッテリーで補うこともできます。
MacBookはUSB Type-Cで給電・充電する機器の先駆けだったこともあり、MacBook対応を明記したモバイルバッテリーがAmazonなどで簡単に見つかります。

なるべく小さく・軽く持ち運びができ、外出先で一通りの事務作業を不足なくこなせるコンピューターを探しているなら、12インチMacBookは真っ先に試してみるべきデバイスです。