【潮時】VAIOのWindows 10対応に時間が掛かるのを知ってそろそろソフト大量バンドルはやめた方がいいと思った件

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Sony Vaio Microsoft/Windows
Photo by R4vi

TechRadarでSonyがVAIOユーザーに向けて「まだWindows 10へのアップグレードはしないで」と呼びかけているという話題が取り上げられています。

日本のVAIOのサポートサイトでも同様の告知が出ています。

独自ソフトてんこ盛りが仇になっている模様。


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VAIOユーザーのWindows 10へのアップグレードはおあずけ

VAIOの日本語サポートサイトの「Windows 10情報」ページの冒頭で次のような案内がされています。

2015年7月29日より、マイクロソフト社からWindows 10アップグレードモジュールの提供が開始されました。
ソニーでは引き続きVAIOのWindows 10アップグレードの検証を行っており、アップグレード方法・ドライバー・ユーティティーなどを本サポートページ上で提供する準備を進めております。情報提供時期については、下記の日程を予定しております。

情報が掲載される予定のモデルについては、本サポートページ上にアップグレード方法・ドライバー・ユーティリティーが掲載されるまで、アップグレードを行わずにお待ちいただくことを推奨します。
https://www.sony.jp/support/vaio/windows/10/

「下記の日程」によると、一番早いモデルでもアップグレード方法やドライバー・ユーティリティの提供は10月まで行われないようです。

Microsoftが新しいOSをリリースする場合、われわれ一般人もアクセスできるWindowsインサイダープログラム以外に、Windowsに対応する機器やソフトウェアを開発・生産するベンダーに対してNDA契約下でより詳しい情報提供を行うチャネルがあります。

ソニーもそこからの情報は得ていたはずですが、Windows 10への無償アップグレードに対応する膨大なモデル数と、その間バンドルした膨大な独自ソフトと、そして何よりVAIOを分社化したことによるソニー本体のリソース不足のせいで、まったく間に合ってないんだろうと思います。

互換性の検証をするQA部門を中心に阿鼻叫喚の悲惨な状況になっていることでしょう。お察しします。

さて、日本のメジャーなPCメーカーが販売するPCは、ワンセグやフルセグのテレビが視聴・録画できるなどの独自のハードウェアや、それらのハードウェアを制御するものや「○○簡単セットアップ」的なオリジナルのソフトウェアをてんこ盛りにして他社との差別化をはかっているケースが多いように思います。

このような取り組みには、特に用途を定めないまま「パソコン買おうかな」と量販店にやってくる層に明確な用途と安心感を提案・提供して購買につなげるという効果が見込めますが、一方でこれらのハード・ソフトは今回のWindows 10のような大きなプラットフォームの更新によって一気にお荷物化してしまう危険をはらんでいます。
また、ITリテラシー高めの一部のユーザーからは「デスクトップを占拠するゴミアプリを何とかしろ」とか「こんなのなくしてもっと安くしろ」という声も聞こえてきます。

しかし、メーカーの視点に立ってみると、こういうものをなくしてしまうとカタログ上の星取表対決で他社に見劣りすることになるので、のちのち不良資産化することは重々わかってはいても、独自ハード・ソフトのプリインストール施策をやめるのは簡単ではないのでしょう。
「こんなものくっつけても2年後にはゴミだぞ」という開発サイドと、「他社にあるのにうちにないんじゃ勝負にならん」という販売サイドのせめぎあいが目に浮かびます。悩ましい限りです。

悩ましいのではありますが、今後OSの基本機能が無償で提供され続けるようになり、その結果ほとんどのユーザーがいつも最新のOSを使うのが当たり前になることが見込まれる以上、PCメーカーが独自のハード・ソフトをサポートし続けるためのコストはこれまで以上に大きくなるはずなので、そういうスタイルからは一日も早く脱却するのが吉だと思います。

Windowsも8/8.1以降は便利・簡単志向の機能をOS内にどんどん取り込んでいて、たとえばWi-Fiの接続などはメーカー独自のツールなどなくても誰にでもできそうなレベルになっています。
またその一方で、Microsoftの言う「Windows as a Service」はWindowsのフリーミアム化を志向していて、基本機能はずっと無償で提供しつづけるけど、ソリティアを広告なしで遊びたかったり、DVDを再生したかったりする場合はその分のお金を払ってねという方向に向かっているようですので、PCメーカーさんは独自ソフトをてんこ盛りにしてサポートする分のコストで「Windowsストアギフトカード」でもおまけしてくれた方がユーザーもハッピーだと思います。

そして何より、PCメーカーの技術者のみなさんが一銭にもならない過去のソフトのメンテナンスに忙殺されることがなくなるのはとても良いことだと思います。
そういうのはちゃんとそれで儲けられるソフトメーカーがやればいいのです。

というわけで、PCメーカーは大量ソフトバンドル施策をやめるいい潮時ではないでしょうかという話でした。

TechRadar「Sony warns PC customers to wait before upgrading to Windows 10」
http://www.techradar.com/news/software/operating-systems/sony-warns-pc-customers-to-wait-before-upgrading-to-windows-10-1301218


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