ポメラ DM30をチェックして以来、前モデルのポメラ DM200が欲しくてたまりません。
しかし、出先ですぐ起動できてテキストを書けるデバイスなら、すでにiPad Pro 10.5インチモデルを持っています。
iPad Pro持ちがポメラを買う意義があるのかを考えたいです。
テキスト書きデバイスとしてのポメラ DM200 vs iPad Pro 10.5
今回は、最終的にプレーンテキストの成果物を残すという用途で、すでにiPad Proを持っている私がポメラを買う意義やメリットがあるのかを検証するべく、両者を比較してみたいと思います。
要するに、ポメラを買うことを正当化できる理由を見つけたいということです。
サイズと重さ
サイズと重さは次のとおりです。
なお、iPad Proの値は、純正のSmart Keyboard(キーボードカバー)を取り付けた状態のもので、一部の数値は手元にあるものの実測値です。
ポメラ DM200 | iPad Pro 10.5 | |
---|---|---|
サイズ | 263 x 120 x 18mm | 250.6 x 174.1 x 12.5mm |
重さ | 580g | 730g |
ポメラは横にやや長く、厚みもわりとあります。
iPad Proよりも鞄を選ぶかもしれません。
キーボード
続いてキーボードについて。
ポメラはキーピッチが横17mm、縦15.5mmとされています。
対するiPad Proは縦横ともに18mm(日本語配列版の実測値)です。
ただし、iPad Proのものは、キーボード右端のキーで幅が狭くなっているので、これらのキーを多用する場合には慣れが必要です。
ポメラにはiPad Proにはないファンクションキーがあるので、日本語入力でファンクションキーを使うのに慣れている場合は便利でしょう。
また、ポメラでは一部の機能キーに割り当てる動作を変更することが可能です。(CtrlとCapsの入れ替えなど)
さらに、ポメラは親指シフト入力にも対応しています。
Windows PCでの日本語入力に慣れている場合は、ポメラの方が使いやすい仕様と言えそうです。
テキスト入力の機能
ポメラでテキストを入力する場合、専用のエディター機能以外の選択肢はありません。
専用エディターでは、アウトライン機能、画面を左右に分割して2ファイルまたは同一ファイルの別の箇所を同時に表示する機能、編集画面に文字数を限定したフレームを表示する機能、縦書き表示機能、行番号表示機能などを利用できます。
また、フォントの種類(ゴシック体または明朝体)、フォントのサイズ(6段階)、行間(1/4行単位の5段階)の設定も可能です。
一方のiPad Proでは、標準の「メモ」アプリのほか、大量のアプリの中から用途に応じたテキストエディターを選ぶことができます。上に挙げたポメラの専用エディターにあるような機能は、おそらくiPad Proでも利用できるはずです。
テキスト入力の機能面では、アプリを選び放題のiPad Proに軍配が上がりそうです。
バッテリーライフ
ポメラ DM200もiPad Proも充電池を内蔵するタイプのデバイスです。
公称の仕様では、ポメラが約18時間、iPad Proが10時間使用できるとされていますが、ポメラの方が機能が限定されている分、値の信頼性が高いと思われます。
また、ポメラはmicroUSBポートで、iPad ProはLightningポートで、それぞれ給電・充電しながら利用できるので、モバイルバッテリーを使って利用時間を伸ばすことができます。
その際、バッテリー容量が約16Whのポメラに対して、約30WhのiPad Proでは、より容量と出力の大きなモバイルバッテリーが必要になります。
iPad Proの場合、朝から晩まで休まずに書き続けるような用途では、モバイルバッテリーの用意は欠かせないでしょう。もともと重いiPad Proにモバイルバッテリー分の重量が上乗せされると考えると、バッテリーに関してはポメラに軍配が上がります。
データのやり取り
ポメラにはSDカードスロットがあり、作成したテキストファイル(SJISまたはUTF8)のデータは、SDカード経由でPC等にコピーすることができます。
また、テキストを電子メールの本文として送信することもできるので、それをPC等で任意のエディターにコピペして保存するという方法も使えます。
さらに、電子メールの送信先としてEvernoteの投稿アドレスを指定すれば、テキストをEvernoteの新規ノートとして保存することもできます。
ポメラで作成したテキストを、PCやタブレットなどで加工して利用したい場合には、上記の機能を利用すればいいわけですが、ちょっと面倒そうですし、すでにポメラを使っている先輩方にもあまり評判が良くないようです。この部分がポメラの弱点と言えるのではないでしょうか。
iPad Proなら、作成したデータをクラウドにアップロードするのも、他のアプリにコピペするのも簡単です。
日本語入力の精度
ポメラの日本語IMEはATOK for pomera [Professional]です。
対するiPad ProとSmart Keyboardの組み合わせでは、iOS標準のIMEしか使えません。そして、iOS 11でかなりまともになったとは言え、iOS標準のIMEはまだまだプロフェッショナルな道具とは言い難いレベルにとどまっています。
私自身はATOK for pomera [Professional]はほとんど未体験ですが、仮にもATOKを名乗るIMEがiOS 11のそれに負けるはずはないので、日本語入力の精度については、ポメラに一日の長ありと考えたいと思います。
(関連してiPad Pro + Smart Keyboardの不満を書いておくと、ローマ字変換で「選ぶ」と入力すると、かなりの高確率でクラッシュするのをどうにかしてください、ほんとに)
価格
このような使い勝手の違いがあるポメラとiPad Proですが、価格面では5万3,784円 vs 9万4,608円(いずれも希望小売価格)と、ポメラの方が約4万円安いです。
iPad Proの方はポメラにできないことを山ほどこなせるので、それを勘案すれば断然iPad Proの方がお得なのですが、ここではテキストを書くという用途に絞って比較していますので、ポメラの方が安いという点に着目したいと思います。
結論 〜 やっぱりポメラが欲しい
こうしていろいろ書いてきた結果浮き彫りになったのは、私がiPad Pro + Smart Keyboardに抱いている不満だという気がします。それは、日本語入力が絶対的にヘボいということ。
以前と比べればずいぶんましになったと言っても、一日使っていると何度もイラッとさせられるiOSの日本語入力機能。iOS 12でどうにかなることを期待したいのですが、日本語環境の改善に関しては、予定はおろか実施後も全くアナウンスされないのも不満です。
というわけで、ここは思い切ってポメラに実売3.5万円を投資する方向で検討したいと思います。待っててポメラ。