11月4日に楽天モバイルがイベントを行うというので、もしやiPhone正式対応の発表かと身構えましたが、そうではありませんでした。
iPhone&楽天モバイルを東京以外で使ってみた感想。
楽天モバイルのiPhone対応ならず
11月4日のイベントでは楽天モバイルの契約事務手数料とMNP転出手数料の撤廃が発表されました。
従来は両者ともに3,000円(税別)が必要でした。
もともと楽天モバイルは、いつでも違約金なしで解約できるシステムなので、今回の措置によって、ふらっと楽天モバイルを使い始めて、気が変わったら他社へMNPする(または解約する)という、じつにカジュアルな利用のしかたが可能になります。
5Gを利用するための追加料金が不要という従来の施策とも合わせて、携帯業界の風通しをよくする役割を果たされているなと、たいへん心強く見守っているところです。
一方、残念ながら今回もiPhoneへの正式対応は見送られました。
この記事を書いている時点で、iPhone 11世代以降のモデル(iPhone 12 / 12 Proを含む)で次のような状況です。
iOS向けの「my 楽天モバイル」アプリが11月末に配信予定とされるなど、少しずつiPhoneでの使い勝手も向上しつつありますが、フル対応にはまだ時間が掛かるようです。
楽天モバイル回線の福岡市中心部での使い勝手
私はiPhone XR(国内版)に楽天モバイルのeSIMとUQモバイルのnanoSIMをセットして使っています。
通信のメイン回線を楽天、通話のメイン回線をUQとし、通信のサブ回線としてUQを補助的に使うという構成です。
「通信のサブ回線」といっても、能動的に切り替えるような手間はなく、iOSが必要に応じて自動的に切り替えてくれるので、ユーザーが意識する必要はありません。
普段は東京23区内の楽天エリアにすっぽり覆われた自宅に引きこもって作業しているため、2回線の恩恵を受けることはほとんどないのですが、先日福岡市の中心部に滞在する機会があったので、そのときの様子を振り返ってみたいと思います。
楽天モバイルのサービスエリアマップ(2020年10月29日更新版)で福岡市中心部を見るとこのようになっています。
福岡空港から博多駅を経て、中洲、天神へと通じる主要な地下鉄路線の途中にも、わずかに「パートナー回線エリア」の薄いピンクの領域が見られるなど、東京23区内ほどのカバー状況には至っていないことがわかります。
で、この中を2日間、先述のSIM構成のiPhone XRを持って歩き回ったわけです。
その間の回線ごとの通信容量がこちらです。
まず、楽天回線。
次にパートナー回線。
そして、UQモバイル回線。
UQの回線は日ごとの使用量を見られないので「最大で912MB」という程度の見方しかできません。
この2日間の通信量には、1日目の早朝に東京の自宅を出てから、2日目の夜に東京の自宅に戻ってくるまでのすべての通信が含まれています。
この間、携帯回線を使ったアプリや動画など大容量データのダウンロードはしていません。空港やホテルではWi-Fiを利用して通信していました。
滞在中の携帯回線での通信の大半は地図アプリ(Google MapsとiOSのマップアプリ)のデータのダウンロードと、Spotifyの音楽やポッドキャストのストリーミングおよびダウンロードです。
上の数値からわかるのは、福岡市中心部では楽天の中ではパートナー回線が使われる割合が高いらしいことと、その容量はiOSによってUQの回線に切り替えて通信した分より多いらしいことです。
そして、この調子で毎日使い続けた場合、楽天モバイルのパートナー回線分(5GB)はひと月持たずに使い果たしそうだということもわかります。
楽天のパートナー回線は5GBを超えても最大1Mbpsで通信を続けられるので、1GBに近いスピードが出るなら上記のような使い方には支障はないはずです。
しかし、福岡市のような大都市の中心部でも、東京と比べてパートナー回線への依存度が高いことは心に留めてべきでしょう。
というわけで、東京以外で楽天モバイル回線を利用しようという方は、パートナー回線の通信容量に注意した方がよさそうだという話でした。
リンク:Rakuten UN-LIMIT(楽天モバイル)
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