iOSの次のアップデート「iOS 12.5」には、Apple Watchと組み合わせることで、マスクをしていてもiPhoneのロックを解除できる機能が追加されるようです。
でも、期待するほど便利にはならない予感がします。
iOS 12.5で追加される「UNLOCK WITH APPLE WATCH」
iOS 12.5の開発者向けベータバージョンに追加されたのが、「UNLOCK WITH APPLE WATCH」という機能です。
この機能をオンにすると、Apple Watchを装着した状態でiPhoneの画面をスワイプアップするだけで、マスクなどで顔が隠れていてもロックを解除できるようになります。
指紋認証機能(Touch ID)を搭載していない最近のiPhoneを使うわれわれにとって、マスクとFace IDの組み合わせはまさに最悪の使い勝手をもたらしています。「UNLOCK WITH APPLE WATCH」の登場で、この状況が劇的に改善されることが期待されます。
「UNLOCK WITH APPLE WATCH」でも解決されない問題
しかし、この機能は万能ではありません。
上に紹介したApple Insiderの動画を見ていただくとわかるとおり、「UNLOCK WITH APPLE WATCH」はロック状態のiPhoneを使えるようにする(=ロックを解除する)のには使えますが、その他の生体認証には対応していません。
たとえば、独自のパスワードを要求するアプリの多くでは、iPhoneの生体認証機能を用いてパスワードの入力を省略できますが、「UNLOCK WITH APPLE WATCH」はこれに対応しません。
また、Apple独自の機能、たとえばiCloudに保存した各種パスワードの参照と編集でも、Face IDやTouch IDやApple IDのパスワード入力で認証が行われますが、これを「UNLOCK WITH APPLE WATCH」で代用することはできません。
ということは、たとえばお店で支払いをしようと「au PAY」のアプリを立ち上げると(au PAYは起動のたびに認証が必要)、たとえiOS 12.5を使っていても、やはりFace ID等による認証が必要になり、マスクを外すか、パスコードを入力するかの操作をしなければならないということです。
この仕様はセキュリティを担保するために必要なものなのでしょう。
「UNLOCK WITH APPLE WATCH」で何でもできるようになっていると、誰かにこっそりiPhoneを盗まれて、近くで(=「UNLOCK WITH APPLE WATCH」が有効な距離で)そのiPhoneを操作されれば、すべての情報にアクセスされてしまうことになりますから。
セキュリティは何より大切とはいえ、使い勝手の面ではちょっと物足りない仕様になっていることは否めません。
それでも、まあ、何も対策されないよりはずっと便利なことも確かです。
そんなわけで、iPhone + Apple Watchユーザーの方は、iOS 12.5の登場を楽しみにしていましょう。
iOS 12.5は現在、開発者向けベータ1がリリースされたところ。正式リリースはそれほど遠くないはずです。
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