なぜBeats 1はこんなに魅力的なのか。3日間聞いて感じたことをまとめます。
なぜBeats 1は魅力的なのか
「ワールドワイド」だから
Beats 1のパーソナリティたちが番組の中でクドいほど強調するのは「Worldwide, Always On」というキャッチフレーズ。
Beats 1のパーソナリティたちは「この番組は日本でも、フィリピンでも、コロンビアでも、アルゼンチンでも、そしてニューヨークでも、世界100カ国で同じものを放送している」ということを繰り返しアピールしています。(国や都市の名前はその都度変えているようです)
1つのラジオ局がこれほどの規模で聞かれることはかつてなかったはずで、そこでフィーチャーされる音楽や、ヒットチャートや、パーソナリティたちの語り口が、世界中の音楽を聞く人たちにきっと大きな影響を与えるはずという予感があるから、こんなに惹かれる。
パーソナリティの個性が際立っているから
Beats 1ではZane Lowe、Ebro Darden、Julie Adenugaの3人をリードDJとして、アメリカ時間の月曜日から木曜日の毎日、彼らがホストを務める番組を放送しています。
3人の番組はそれぞれ次のように色付けされているようです。
- Zane Loweは幅広いジャンルの音楽をまんべんなく流しつつ、ミュージシャンのインタビューも充実した、比較的リスナーを選ばないスタイル。
ロサンゼルスのスタジオから放送。日本時間の火曜日午後から土曜日の午前まで、毎午後1時と午前1時。
Zane Loweはいつ聞いても声がカッコいいです。 -
Ebro Dardenはヒップホップ、ラップ、R&B、ソウルにかなり偏った選曲で、これらのジャンルからのゲストとの掛け合いが楽しい。
ニューヨークから。日本時間の火曜日午後から土曜日の朝まで、毎午後7時と午前7時スタート。
初回の放送ではLauryn Hillの昔の曲が何曲も掛かってシビレました。 -
Julie AdenugaはUKものを中心にロック、ポップ、エレクトロ、ダンス、オルタナティブあたりが多めの選曲。
ロンドンから。日本時間の火曜日午後から土曜日の朝まで、午後4時と午前4時スタート。
少しハスキーで個性的だけど聞きづらくない声が魅力的。
それぞれ特徴を出しながら多くのファンに受け入れられ得る番組になっていて、そこに惹かれる。
音楽と関係ない余計なトークがほとんどないから
3人のリードDJも、そして他のパーソナリティたちも、音楽と関係のない余計なことはほとんど話しません。
おすすめのカフェとか、新しくできた話題のスポットとか、海開きのニュースとか、モデルやタレントのゴシップとか、おもしろいお便りの紹介とか、クイズに正解したらプレゼントとか、そういうのは無しです。
場所や季節や時間帯に関係なく世界中の人が聞いてわかること・興味を持てることがBeats 1の基準になっているはずで、音楽とそれに関する話題を共通言語としてリスナーに語りかけようという姿勢があるから、そこにとても惹かれる。
そしてタダだから
Beats 1は無料で作れるApple IDさえあれば誰でも聞くことができます。
iPhoneやMacを持っていなくても、PCにiTunesを入れさえすれば聞けるし、秋にはAndroidでも聞けるようになります。全部無料です。
プロのDJが入ってしっかり選曲されている24時間放送のラジオを、CMらしいCMなしで無料で聞けるから、こんなに惹かれる。
アーティストの番組はこれから
Beats 1ではElton John、Drake、Pharrell Williams、Dr. Dre、St. Vincentなどのアーティストが番組を持つことも話題になっています。
The Verge「Apple Music’s strategy for Beats 1: Elton John, Drake, and… Jaden Smith」
http://www.theverge.com/2015/6/25/8845211/apple-music-beats-1-celebrities-elton-john-pharrell-drake
ウィル・スミスの息子のジェイデン・スミスくんもやるのですね…。
日本時間で7月4日の午後にAnna LunoeとEllie Goulding、5日にDr. Dre、7日にElton Johnの番組が始まります。
詳しい番組表はこちらから。
Apple Music on Tumblr
http://applemusic.tumblr.com/beats1
聞き過ぎ注意 ~とりあえず聞いてみると楽しいですよ
パーソナリティたちの語りは大体早口で、私は何を言っているのかあまり聞き取れませんが、それでも口調や語感や声の調子と、彼らが選び抜いた音楽を聞いているだけでとても楽しいです。
ヘッドフォンでもスピーカーでも、ずっとBeats 1を流しておけば作業用のBGMとして不足を感じません。もしApple Musicに登録していれば、Beats 1で流れた気になる曲やアーティストをその場ですぐに深堀りして聞き込むこともできますし、とりあえずMy Musicに放り込んでおいてあとでゆっくり聞き込むこともできます。
これまでいろいろな音楽配信サービスを使ってきましたが、今回Apple Musicを使ってみて、ライブのラジオとの組み合わせでその楽しみ方がものすごく広がることを思い知りました。
先行するサービスを研究し尽くした後出しジャンケンの強みではありますが、実際にこれだけのものを創りだしたAppleには敬意を表したいと思います。あんたらすごい。
まだお使いでない方には、無料のBeats 1だけでも聞いてみることをおすすめします。