あまり語られないSurfaceの良いところ。それはSurfaceのタイプカバーが有線接続であることです。
何がそんなに良いのでしょう?
Surfaceのタイプカバーは有線接続
SurfaceのタイプカバーはSurface本体から簡単に取り外しできますが、Surface本体との通信は電子接点経由のUSB接続によって行っています。
デバイスマネージャーを見るとこのようにUSB入力デバイスとして表示されます。
こういうのって無線にするのがクールなように見えますが、有線にしたのは実に英断でした。ナイス。
Surfaceタイプカバーは飛行機の中でも使える
なぜ有線接続が偉いのかというと、電波を発する機器の使用が制限される飛行機の中でも使えるからです。
たとえばJALの国内線では「ドアが閉まった後は、電子機器は機内モードなどの電波を発しない状態にするか、電源をお切りください。」と規定されています。
http://www.jal.co.jp/dom/service/bags/electronic.html
無線方式のキーボードはBluetoothでもなんでも機内モードをオンにしたら使えなくなるので困るのです。
実際に機内モードをオンにした状態でもSurfaceタイプカバーは普段と全く同じように動作しています。これは心強い。
Surfaceペンも使える
それではSurfaceペンはどうでしょうか。
SurfaceペンはSurface本体とBluetooth接続で通信する仕様になっているので機内モードでは使えないはずです。
試してみました。
3つのボタンは機能しない
Surfaceペンはグリップに2つ、おしりに1つの合計3つのボタンを持っています。
機能は状況により違いますが、たとえばおしりのボタンはシングルクリックでOneNoteを起動し、さらにもう一度クリックするとそのとき開いているノートブックに新しいページを追加して開くという動きをします。
グリップのボタンは押した状態で手書きオブジェクトの上をペンでなぞると消しゴムのように機能したりします。
これら3つのボタンが押されたか/押されているかの情報はBluetoothでSurface本体に伝えられるので、Bluetooth通信がオフになる機内モードでは機能しません。ボタンを押しても無反応です。
まあこれは予想通りです。
ボタン以外は機能する
では、単に手書きペンやポインティングデバイスとしてはどうかというと、機内モードでもちゃんと機能します。
画面にペンを近づけると、ペンが画面に触れていない状態でもこのようなカーソルが表示されて、ペンがホバー状態にあることがわかるようになっていますが、これは機内モードでも機能しています。
ペンがホバーしていることを認識できるので、手書きのときに画面に手をついても大丈夫という「パームブロック」も正常に動作します。
また、筆圧検知も機能しています。
さらに、単にマウスカーソルのように画面上のオブジェクトを選択したりドラッグ・ドロップしたりといった操作もいつもと同じようにできます。
ひと通り試した範囲では、機内モードでもボタンの動作以外への影響はありませんでした。
ビジネス用途への配慮がうれしい
Surfaceをビジネスツールとして使おうという場合、飛行機での移動時間に資料読みをしたりレポートをまとめたりすることは十分ありうるわけですが、タイプカバーは機内モードでもいつもと全く同じに、またペンもほとんど遜色ない状態で使えるというのはとてもありがたいことです。
そういう用途にちゃんと配慮して仕様を決められているのですね。
フル機能のWindowsやMac OSが動くラップトップでSurface+タイプカバーレベルの薄さ・軽さのものはほとんどありませんし、さらにペンまで使えるものは皆無と言っていいでしょうから、MicrosoftはSurfaceのこういう質実剛健な部分をもっと訴求した方がいいと思うんですが、「拡張性のあるタブレット」という売り方に終始していてジレジレします。
スタバやタリーズで使われているPCを観察していると、よく言われるMacBook Airや新しいMacBookよりもPanasonicのLet’s noteの比率が高いことに気付きます。
Panasonicは法人営業がうまく行っていて、会社支給のモバイルPCにLet’s noteが採用されるケースが多いようです。
日経トレンディネット「モバイルPCでシェア4割!パナソニックのレッツノートが好調な理由」
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140502/1057323/
こういう市場はSurfaceにうってつけだと思うので、Microsoftの営業さんには頑張っていただいて、なんとか日本でのSurfaceの灯を消さないようにしていただきたいと願っております。