自宅用のタスクチェア(仕事で使う椅子)としてオカムラのコンテッサを10年くらい使っていました。
昨年、訳あって手放しましたが、最近自宅での作業が増えて長時間机に向かうことが多くなり、ダイニングチェアで戦うのがつらくなってきました。
新しいタスクチェアを手に入れるときかもしれない。
オカムラのコンテッサはなかなか優秀だった
買い直しの第一候補はやっぱりオカムラのコンテッサです。
コンテッサはオカムラが2002年に発表した高級タスクチェアで、アームレストに内蔵されたレバーを座ったまま操作するだけで、リクライニングや座面の昇降など基本的な姿勢の変更ができるので、前のめりでデスクに向かうときも、背当てにもたれかかって考え事をするときも、集中を途切れさせずに作業できるのが特徴です。
デスクに向かってキーボードを打つときは背当てに体重を乗せて後傾の姿勢になると楽ちんですが、これをリクライニングもなにもしないダイニングチェアでやると、お尻が前に滑りそうになるのを座面との摩擦力で支えることになり、腰にへんな力が掛かっているのがはっきりわかります。危ないです。
ちゃんとしたタスクチェアは、力をうまく分散させて、体の一部だけに負荷が掛かるのを防いでくれます。
コンテッサの背当てはメッシュ素材、座面もメッシュを選べるので、これからの暑い季節でも長時間快適に過ごせます。
デザインは超著名な工業デザイナーで数多くの名車をデザインしてきたジョルジェット・ジウジアーロの「GIUGIARO DESIGN」が手がけました。
上の写真のようなポリッシュモデルは見た目もめちゃくちゃカッコよくて、デスクの前に置いてあるだけでテンションがぐっと上がります。
発売当時の価格が13万4,400円~18万600円(税込)、現在の価格が16万6,600円~20万2,600円(税別。レザーモデルを除く)。椅子としてはベラボーに高いものですが、10年使って一度の故障もなく、いつも快適に作業できたことを考えると、まあ納得の価格ではありました。
コンテッサへの不満と不安
さて、上に書いたとおりコンテッサは10年使った実感としてとても優れた椅子ではありますが、不満や不安がないわけではありません。
まず、ヘッドレストを付けた状態では非常に大きくて、見た目の威圧感が大きいことです。
狭い仕事部屋がますます狭く見えるというのが不満でした。
タスクチェアとしてこれまた有名なハーマンミラーのアーロンチェアや、オカムラの他のモデルと比べても、コンテッサは大き目の部類に入るようで、座った時の快適さの裏返しではありますが、もう少し見た目小さければいいなと思います。
次に、すでに発表から14年を経て、さすがに設計が古いんじゃないかという不安です。
オカムラのサイトに上がっている写真をよーく見てみても、自分が持っていた10年選手のコンテッサと何かが変わったようには感じられません。
私が買った当時にはなかった(と思う)大型ヘッドレストバージョンが追加されているくらいです。
これがタスクチェアの完成形なんだということかもしれませんが、もっと設計の新しいモデルはより快適なんじゃないかという期待があります。
コンテッサ以外の候補椅子
コンテッサ以外にどの椅子が候補になるのかというと、同じオカムラの「バロン」「コーラル」「サブリナ」といったモデルです。
オカムラのショールームに行ってこれらのモデルをじっくり座り比べてきました。
なお、オカムラ以外にも良さそうなメーカーはいくつもありますが、コンテッサと同じように設計が古そうだとか、見た目が好みじゃないといった理由でバッサリ除外しています。
「バロン」はアームレストがいまいち
オカムラの「バロン」はコンテッサよりもやや小ぶりでお値段も少しだけ安い椅子です。
背当てだけでなく座面もメッシュを選べるところはコンテッサと同じ良い点ですし、見た目もカッコいいです。
コンテッサに対するビハインドは、手元でリクライニング等の操作ができないこと、アームレストが小さく、高さも取れない上、操作感があまり良くないところです。
とくにアームレストの操作感については、コンテッサのものが軽快に動くのに対して、バロンのそれはモコモコして動きが渋い感じがします。
アームレストはキーボードを打つときにはやや内向きにして肘を乗せると楽に作業でき、ペンで文字を書くときには外向きにして邪魔にならないようにするといった感じに意外と頻繁に動かすもので、気持ちよく操作できることはわりと重要ですが、バロンのアームレストは動かすのが気持ちよくない感じ。
そして、バロンもやっぱり設計が古いのです。
バロンの発売時期は2005年だそうで、コンテッサとほぼ同じ時期の設計だと思われます。
コンテッサを諦めてバロンを買うというのはちょっとないかもしれません。
「コーラル」は操作性・座り心地ともに好印象
オカムラの「コーラル」は2012年11月に発売された比較的新しいモデルです。
背当てはクッションかメッシュを選択できますが、座面はクッションだけです。
クッションの座面はコンテッサやバロンのメッシュ座面と比べてやや圧迫感が強いように感じます。
手元操作はできず、よくあるオフィスチェアのように座面の下のレバーを操作するスタイルですが、リクライニングの反力の強弱も座ったままレバー式で調整できるなど、操作レバーがすべて座面の下に集約されているので、いろんな設定項目を頻繁に変更するような使い方には便利そうです。
コンテッサやバロンにない特徴として、アームレストを上下と角度の調整だけでなく、前後・左右に平行移動させることができる「4D ARM」機構を備えている点が挙げられます。
アームレスト付きの椅子は机にギリギリまで近づいて座ろうとするとアームレストが机と干渉する場合があり、そんなときにはアームレストの高さや角度を変えて調整する必要がありましたが、「4D ARM」で後ろにスライドできると助かる場面がありそうです。
見た目も背当てを下側から支えるU型のポリッシュフレームがアクセントになっていてとてもカッコいいです。
見た目だけなら背当ては枠が必要なメッシュタイプよりも枠のないクッションタイプの方がかっこよく見えます。
全体的にかなり好印象です。
「サブリナ」は最高の操作性
「サブリナ」は2013年1月に発売されたモデルで、オカムラの高機能チェアのラインアップの中では2014年1月に発売された「シルフィー」に次いで新しいものです。
デザインはコンテッサやバロンと同じ「GUIGIARO DESIGN」が手がけています。
柔軟性のある樹脂製のフレームで背中を支える構造になっていて、作業中の上体の姿勢変化にしなやかに追従することがウリになっていますが、実際に座ってみても他の3モデルにはないやわらかな座り心地と感じます。
「サブリナ」の上位モデル「サブリナ Smart Operation」はコンテッサと同じように座面の上下とリクライニングのロック・リリースの操作をアームレストに内蔵されたレバーで行うことができるようになっており、さらにアームレストは「4D アーム」にも対応しているので、調整機構の面ではコンテッサを超えていると言って良さそうです。
カタログに載っている白いボディにベージュのメッシュとクッションの組み合わせは、家庭で使うときには圧迫感がなさそうなとても良い配色で素敵です。
一方で、座面がクッションしか選べないので前からの見た目が普通の事務椅子っぽいというデザイン面の不満と、背当てを支える構造の大半が樹脂製なため長期間使った場合の耐久性がどうなのかという不安があります。
標準モデルの「サブリナ」方ですが、こちらは個人的には受け入れがたい弱点があることがわかりました。
それは、アームレストが背当てではなく座の方に固定されているため、リクライニングしたときにほとんど追従せず、深くリクライニングするとアームレストが前方かなり遠くに取り残されてしまうことです。
この動画でもリクライニングの角度に対してアームレストが追従する角度が小さいことがわかります。
上の方に書いたとおり、PCのキーボードを操作するときには後傾姿勢が快適なのですが、そのときに左右の肘はアームレストに載せておきたいのです。
ところがサブリナ(標準モデル)では、深くリクライニングしてもアームレストは前方遠くに残ったままになるため、肘を乗せることができませんし、アームレストが邪魔になって椅子を机に接近させづらいです。
上位モデルの「Smart Operation」の方はそういう問題はありませんでした。
その他、気になったこと
4モデルを比較して気付いたその他のことです。
アームレストの昇降操作
まず、アームレストを上下させる操作はコーラルとサブリナのタイプがストレスがありません。
コーラルとサブリナはアームレストの下のボタンを押しながらアームレスト全体を上下させ、ボタンを離すとその位置にロックされます。わかりやすい動きです。
一方、コンテッサやバロンはアームレストを上方向に移動させると何か所かロックされる位置があり、そのまま上端まで引き上げるとロックが外れて一番低い位置まで下げられるという機構になっています。
コンテッサ・バロンタイプは高い位置でロックしようと引き上げると、勢い余ってロックを外してしまうということが頻繁に起こります。
また、慎重に操作した場合でも、「もう1段階上があるかな?」と引き上げたらもう上がなくてロックが外れるということがあって、とてもストレスですし、なかなか慣れません。
コンテッサのグラグラ・アームレストが快適
次にコンテッサのアームレストのグラグラ感について。
コンテッサのアームレストはグラグラしています。最初は故障かと思いましたが、自分が持っていたものも、ショールームにあるどの個体も、みんな一様にグラグラします。
実際に座って作業するとわかるのですが、アームレストに肘や腕を乗せた状態でキーボードを打つときのちょっとした腕の動きにアームレストのグラグラが追従してくれて、アームレストの上で腕を滑らせる必要がないのがとても快適なのです。
そういうことを意図してわざとグラグラにしているのかはわかりませんが、グラグラ・アームレストはコンテッサの美点の一つだと思います。
なお、コンテッサ以外の3モデルではアームレストはわりとしっかり固定されています。
コンテッサのヘッドレストは「大型」一択
それから、コンテッサの小型ヘッドレストをおすすめしないことについて。
コンテッサにはヘッドレストなし、小型ヘッドレスト、大型ヘッドレストの3つのタイプがあります。
小型ヘッドレストは大型ヘッドレストにはない高さと角度の調整機構があるので一見良さそうに見えますが、個人的には全くおすすめできません。
私が使っていたのは小型ヘッドレスト付きモデルでしたが、小型ヘッドレストは小さすぎてほとんど頭を動かせないので、いくら高さや角度を調整してベストポジションにセットしても、まったく快適さは感じられませんでした。
ヘッドレスト付きコンテッサを選ぶなら大型ヘッドレスト一択だと思います。
リクライニングの体感角度
最後にリクライニングの角度について。
今回比較した4機種の後方へのリクライニングの角度は、コンテッサが最大26度、他の3モデルが最大23度です。
実際に座った感じでは、コンテッサとバロンが深く傾斜しているように感じられ、コーラルとサブリナはバロンと同じだけ傾斜しているようには感じられませんでした。
理由は定かではありませんが、コーラルとサブリナはともに「アンクルチルトリクライニング」という椅子の背と座がシンクロしてスライドする機構を謳っているので、その影響で体感的な傾斜が小さく感じられるのかもしれません。
結局コンテッサが最有力
以上、新しいタスクチェア選びについて考えましたが、やっぱりコンテッサが最有力という結果になりました。
操作性や座ったときの快適さの点ではコーラルがかなりイイところまで行っているのですが、ほぼ同じ価格で手に入るコンテッサと比べて特に優れているというほどではありません。
サブリナのSmart Operationモデルは4モデルの中では最も新しいだけあって操作性では最高に優れています。
柔らかい座り心地も快適で、機能・性能の面では文句を付けるところがありません。
ただ、実売価格ではコンテッサよりも高いという高級品のわりに、座面がクッションしか選べないことで見た目が普通の事務椅子っぽくなってしまうことに割り切れなさを感じます。
残りはバロンですが、メッシュ座面を選べることやコンテッサよりもやや小ぶりで見た目の圧迫感が少ないという良い点もありましたが、アームレストが小さく、高さが取れない上、操作感が良くないという弱点がありました。オプションのランバーサポートを付けるとコンテッサ(ランバーサポートを標準装備)とほとんど値段が変わらなくなるので、あえてバロンを選ぶ理由はありませんでした。
このような理由から、現時点ではふたたびコンテッサを手に入れることになりそうな情勢です。
できればこれまで使ったことのない機種を選びたかったのですが、やっぱり良い製品は長生きするということでしょうか。
ちょうどAmazonで10%ポイント還元セールが行われていますので、コンテッサを買うならこのセールで買ってしまおうと思います。
オカムラのチェアはメーカー在庫がないと納期が3週間くらいになってしまうのですが、Amazonは独自で在庫してるので、今注文すれば明日にはやってきます。さすがAmazonさんやで。
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