ダイヤテックから新しいキーボード「FILCO Majestouch Convertible 2」シリーズが発売になっています。
Cherry MXスイッチを採用したメカニカルキーボードで、USB接続とBluetooth接続の両方に対応していて、さらにテンキーがない「Tenkeyless」版も用意されているという、至れり尽くせりの構成。
とりあえず無難に茶軸のテンキーレスを1つ欲しいです。
FILCO Majestouch Convertible 2 Tenkeylessの概要
ダイヤテックから発売されたばかりのFILCO Majestouch Convertible 2 Tenkeylessの概要です。
項目 | 内容 |
---|---|
キースイッチ | Cherry MX(黒軸/赤軸/茶軸/青軸) |
キー数 | 日本語配列:91キーまたは108キー、英語配列:87キーまたは104キー |
キーピッチ/ストローク | 19mm / 4±0.5mm |
キーの重さ | 黒軸:60g、赤軸:45g、茶軸:45g、青軸:50g |
インターフェース | USB、Bluetooth |
Bluetoothマルチペアリング | 可能(4台まで) |
キー配列変更 | 可能(Win・App無効化、CapsLockと左Ctrl入替、Escと半角/全角入替、Alt/AppとFn入替(英語は右Win/AppとFn入替) |
Bluetooth接続時の電池寿命 | 約6か月 |
付属品 | USBケーブル、交換用キー(日本語:Ctrl/CapsLock/Alt/Fn、 英語:Ctrl/CapsLock/App)、乾電池 |
Cherry MXスイッチのメジャーな4タイプ(黒軸/赤軸/茶軸/青軸)を採用したメカニカルキーボードで、日本語配列と英語配列が選べて、テンキーレスも選べます。
ここまでの仕様はわりとよくあります。
しかし、USBとBluetoothの両方の接続方式に対応した機種は、メジャーなメーカーから出ている(いた)ものでは、私が知る限り同じダイヤテックのMajestouch Convertible(すでに廃盤)しかなかったように思います。
これだけでもすでにうれしいのですが、Majestouch Convertible 2のBluetooth接続はマルチペアリングに対応しています。
マルチペアリングというのは、複数のBluetooth機器とペアリングできる機能で、Majestouch Convertible 2の場合、たとえばPC1、PC2、スマホ、タブレットの4台とペアリングしておいて、1台のキーボードをそれらの機器で使いまわせるということです。
マニュアルによると、機器の切り替えは[Alt]-[Ctrl]-[Fn]キーで切り替えモードに入り、その状態でキーボードの数字キー[1][2][3][4]で接続する機器を選択するという操作で行うようです。
(ちなみに、[5]を押すとUSB接続モードになります。)
また、USB接続したら強制的にUSB接続モードになるのではなく、Bluetooth接続モードでも使えるため、不意の電池切れなどの場合に給電しつつBluetooth接続で使うこともできます。この仕様もすばらしい。
まさに至れり尽くせりです。
さらに、Majestouchシリーズではほぼお約束になっている、DIPスイッチによるキーの入れ替えが可能で、CtrlとCapsLockを入れ替えてCtrlキーを左手小指で押しやすくするという定番のカスタマイズなどが可能です。
機能的には文句なしです。
FILCO Majestouch MINILA Airとの決定的な違い
FILCOのメカニカルキーボードでBluetooth接続に対応するものには、Majestouch MINILA Airというシリーズがあります。
このシリーズはテンキーはおろかEnterより右側のキーをすっぱり削除(一部のキーは移動、その他機能はFnキーとの組み合わせで実現)したコンパクトなもので、Bluetoothの無線接続と相まって机の上がすっきりして快適なのですが、個人的にちょっと我慢できない弱点が2つありました。
ひとつは日本語配列版でスペースバーの左右にFnキーが配されたため、「変換」キーがなく、「無変換」キーはあるけど押しづらいこと。
もうひとつはマルチペアリング対応だけど、接続先の選択ができない(ペアリングした機器が複数台あると、その中から適当な1台と自動接続する)ことです。
前者は日本語入力のオン・オフを「変換」「無変換」キーで行うように設定している個人的な事情によるものです。
Majestouch MINILA Airのコンセプトが、キーボードを小さくしたせいで減ったキーをFnキーによる操作で補うというものなので、Fnキーが押しやすい場所に配置されるのは仕方ないのですが、そもそも減らしたキーってそこまでして押す必要があるものかという根本的な疑念をぬぐい切れません。
Happy Hacking Keyboardの例もありますし、減らしたキーのことは潔く諦めても良かったんじゃないかと。
後者はマルチペアリングで使う上では致命的な欠点で、接続したい機器以外の機器の電源をオフ(またはBluetooth機能をオフ)しないと、望みの機器に接続できません。そんな面倒なことはできないので、私は1台の機器とだけペアリングして使っていました。
ちなみに、少し前にリリースされたBluetooth接続型のHappy Hacking Keyboardもこの方式です。
今回のMajestouch Convertible 2は上記2点の不満も解消されていて、個人的にはまったく文句のない仕様となっています。
文句なしに1台ほしい逸品
PC用のキーボードは気に入ったものがあると買い替えたり買い足したりしていて、現在は東プレのRealforceを主に使っています。
Realforceシリーズは静電容量無接点方式のスイッチの優しいキータッチが特徴で、本当に快適にキー入力できるのですが、残念ながら有線接続のものしか発売されていません。
デスクの上にケーブルが這っていると掃除も面倒ですし、なるべく無線化を進めたいわけですが、これまで無線キーボードの決定版というのは出ていなかったように思います。
今回紹介したMajestouch Convertible 2は、キータッチこそRealforceにはやや劣る(個人の感想です)ものの、それ以外の機能・使い勝手では十分に満足できるものになっていると思います。
複数台のPCで1台のキーボードを使いまわしたい場合や、スマホ・タブレットといったおもに無線で接続する機器で打ち心地の良いキーボードを使いたい場合には、いまのところMajestouch Convertible 2一択で良いのではないかというほどの出来です。
お値段もこの機能・性能にしては比較的お手頃ですし、高級キーボードの新たな定番として定着するんじゃないでしょうか。
私もチャンスがあれば1台手に入れたいです。