現在、超絶品薄状態が続いているAppleの完全ワイヤレス・イヤフォン「AirPods」ですが、年末年始の旅行中に最寄りのアップルストアに在庫があるのを発見して、すかさずゲットしました。Appleの品薄商品は小まめに店頭の在庫を確認すると手に入ることがあるので油断できません。
さて、AirPodsですが、これは非常に良いものです。
AirPodsの良いところ
AirPodsの全般的なレビューは各メディアが詳しいものを公開されていますので、そちらをご覧になると良いと思います。
先日こちらの記事で紹介したような海外のものでもよいですし。
https://kiritsume.com/summary-of-airpods-reviews/
国内にも良い記事がいくつもあります。
ケータイWatch 「待望のApple純正完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」の魅力に迫る」
http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/column/todays_goods/1035918.html
ITmediaヘルスケア 「Appleが送り出した新たなウェアラブルデバイス「AirPods」」
http://healthcare.itmedia.co.jp/hc/articles/1609/13/news148.html
今回の記事では、AirPodsの使い心地を、主にiPhoneに同梱される有線イヤフォンの「EarPods」や、完全ワイヤレス・イヤフォンの先輩である「Earin」と比較しつつお伝えしたいと思います。
EarPodsよりはるかに安定する装着感
iPhoneに同梱されているイヤフォン「EarPods」は、独特の形状で耳にフィットしません。
少なくとも私の場合はそうですし、周りの声を聞いてもぴったり快適にフィットするという人に会ったことはありません。
EarPodsを装着して歩いたり走ったりすると、両耳から垂れ下がったケーブルが服の襟やフードに触れたときに、ユニットがずれたり外れたりして非常に不愉快です。
AirPodsを手に入れる前に最も心配したのがこの点で、1万8,000円以上もするイヤフォンがEarPodsレベルの装着感だったら目も当てられません。
しかし、この心配は杞憂に終わりました。AirPodsは少々動いたり走ったりしても耳からずれないし、ケーブルがないので何かと接触して移動することもありません。
本体は極めて軽く、(耳に触れる感触はあるものの)長時間装着していてもストレスになりません。
Earinとの比較では、Earinがスポンジを耳の奥に押し込んで固定するのに対して、AirPodsは耳の入り口にそっと置くように装着できるため、耳への負担も小さくて済みます。
通話できるのがうれしい
AirPodsはマイクを内蔵していてiPhone(またはその他のスマートフォン)での通話に利用できます。
Earinはスマホで再生した音声を聞くイヤフォンとしてはあまり不満はなかったのですが、通話できない(音声を聞くことはおろか、着信音も鳴らない)ので、通話のときは片耳のユニットを外す必要があったり、着信に気付かずに電話を取り逃がしたりするという不便がありました。
AirPodsではそのようなことがありません。音楽を聞いているときに電話が掛かってきても、シームレスに通話に移行できます。快適です。
バッテリーの持ちが良い
いくつかのレビューでは、AirPodsのバッテリーは約5時間持つと書かれていますが、私が実際に使った感じでも5時間は大丈夫そうです。
Earinが3時間から3時間半でユニットのバッテリーが切れてしまうのに比べて寿命が長く、新幹線で長距離を移動するようなときにも、途中でバッテリー切れにならずに使い続けられました。
国内のたいていの移動ならドア・トゥー・ドアで使い続けられるだけのバッテリーライフがあると思います。
接続が安定していて、遅延も少ない
以前のレビューで指摘しましたが、Earinはときどき右のユニットから音が出なくなることがあります。
しばらく放っておくと復活することもあれば、そのままになってしまうこともあります。
そういう場合は、いったん左のユニットをケースに収めてから取り出すことで、音切れは解消されるのですが、正直ちょっと面倒です。
Earinが左ユニットだけがソース(スマホなど)と通信し、右ユニットは左ユニットと通信する仕組みになっているのに対して、AirPodsは左右のユニットそれぞれがソースと通信する仕組みらしく、片方だけ音が出ないような現象に遭遇したことはありません。
また、通信経路が短いおかげだと思いますが、遅延がほとんどなく、動画を見ていても全く違和感を感じません。
年末年始の人混みの中で一度だけ短時間両耳の音が途切れる現象に見舞われましたが、すぐに復帰しました。
通信の安定性については非常に優秀だと思います。
音質も悪くない
EarPodsは装着感が悪すぎて音質を云々する気にもならなかったのですが、AirPodsを聞いてみてこのタイプのイヤフォンも音質はなかなか悪くないんだなと思いました。
アコギやパーカッションの音は生々しく聞こえます。
こういうのはとても得意。
低音はそれほど多くは出ませんが、上の曲ではベースもバスドラもちゃんと気持ちよく聞こえますし、特に低音志向の方でなければ不満はないと思います。
EarPodsとも聞き比べましたが、私には違いはわかりませんでした。
音に特別なこだわりがなければ、iPhone同梱のEarPodsのような音が鳴ると思っていれば良いのではないでしょうか。
外観のクォリティはさすがのApple製品
AirPodsの本体はEarPodsからケーブルを取り除いて軸の部分を少し太くした感じ。
軸の根元にマイクがあったり、ユニットの内側に装着状態を感知するためのセンサーの穴があったりという細かな違いはありますが、質感はEarPodsと同程度だと思っていれば間違いありません。
ケースの方ですが、蓋が(たぶん)マグネットでパチンと閉まる感じや、充電状態を表すLEDの絶妙な色合いなど、いろんなところで「あぁ、Apple製品買ったなあ」と思わされて快感です。
ケースの表面はiPhone 3GSのホワイトモデルの背面側と同じようなツルッとした感触です。
硬いものでこすると傷が付くと思うので、ポケットの鍵やコインには注意しましょう。
複数のiOS機器とペアリングして切り替え使用可能
AirPodsをiPhoneとiPadの両方とペアリングして使っていますが、一方の機器で使用中にもう一方の機器に切り替えたい場合は、切り替え先の機器で音声出力先としてAirPodsを選ぶだけでOKです。
切り替え元の機器で接続を切る操作をしなくていいので楽ちんです。
AirPodsのイマイチなところ
このようにナイスなAirPodsですが、ここが良くなればなあというところもあります。
ボリューム調整や曲のスキップが面倒
AirPodsにはタッチセンサーが内蔵されていて、左右どちらかのユニットをダブルタップするとSiriが立ち上がります。(ソースがAppleの機器の場合)
Siriに「ボリューム上げて」とか「曲をスキップして」と指示すると、その通りにしてくれますが、ボリューム調整ごときにいちいちSiriを呼び出すのは面倒ですし、周りに人がいると恥ずかしいです。
結局、iPhoneを操作したり、Apple Watchで操作することになります。
今のところ、音楽を聞くときの操作に関しては、EarPodsのような物理ボタンの方が優れていると感じます。
騒がしい場所では聞きづらい
AirPodsにはカナル式のイヤフォンのような耳栓効果はありません。
外部の音がほとんど素通しで聞こえるので、走行中の地下鉄車内のような非常にうるさい場所では、音楽などを聞きづらいです。
現在の軽い装着感やバッテリーの持ちの良さと両立させるのは難しいと思うのですが、いつかノイズキャンセリング機能を持ったAirPodsが発売されることを願って止みません。
まとめ 〜 状況が許せばずっと着けていたいほど快適
以上、AirPodsの第一印象をお届けしました。
AirPodsの第一の魅力はその軽快な装着感です。
完全ワイヤレスタイプのイヤフォンはいくつか発売されていますが、その多くはスポンジやシリコンのイヤーピースを耳の奥に押し込んで固定するもので、少なからず耳に負担が掛かりますし、脱着も両手で行う必要があります。
AirPodsは、一部で「耳からうどんが出てるやつ」と揶揄される軸の部分が耳の窪みを通って耳たぶに乗っかるという構造によって、イヤーピースだけで本体を支える必要がなくなり、全体として軽く装着できるようになっています。
着け外しも片手でできるので、お店のレジでのやり取りにも不自由しませんし、作業中に話しかけられたときもスムースに応対できます。
(ついでに、片方のユニットを耳から外すと音が止まるという仕組みも、こういう場面で威力を発揮します。)
また、バッテリーの持ちが良いことと、接続が安定していることも大きなメリットです。
5時間のバッテリーライフは国内の移動ならほぼ不満は出ないレベルでしょう。
接続不良で再接続させる手間も不要で、ストレスフリーで使えそうです。
作りの良さもお値段相応で、日々持ち歩く道具としての満足度を高めてくれると思います。
本気で音楽を聞き込むのではなく、移動中や作業中のBGMを聞くために使うのなら、本当におすすめできる一品です。
音量調整と選曲が不便なことがあまり問題にならない使い方をされるなら、積極的に検討しても良いものだと思います。
リンク:AirPods(Apple)