毎年秋が深まってくるとプリンターのことが気になります。
年賀状を出すひとも出さないひとも、ランニングコストの安いインクボトル型の複合機を買うといいと思う話。
プリンターは思ったより長持ちしてインク代を食う
ご家庭でレーザープリンターを使う方はほとんどいないと思うので、ここではインクジェットプリンターを念頭に置きますが、プリンターの維持費で最も高く、そして払うのに抵抗のあるものはインク代です。
たとえば、上に挙げたキヤノンの最新モデル向けインクタンクは、6色セットで実売価格およそ4,400円。
5色セットなら3,700円くらいです。
1本あたりおよそ700~800円掛かる計算ですが、これらは「小容量タイプ」の価格なので、標準容量のものを選べばもっと高くなります。
で、インクジェットプリンターをお持ちの方にならわかっていただけると思いますが、プリンターのインクというものは、だいたいいつでもどれかの色の残量警告が出ているものです。
黒が減ったからと交換してみれば、直後にマゼンタにビックリマークが付くといった具合で、まともに相手していると気が休まらないので、印字がかすれるまでは何を言われようと交換しないという運用に陥ります。
そして、そうやって交換回数を減らしたとしても、かなりの頻度で新しいインクタンクを買う羽目になるのです。
コピー機能とスキャナー機能がセットになった複合機でも、安いものなら6,000円台から手に入り、運が悪くなければ4年や5年は使い続けられるので、その間に交換するインク代を含めれば、出費の総額は2万円や3万円では到底足りないはずです。
じっさい、確定申告の時期を除けば月平均数ページしか印刷しない我が家のプリンターも、買ってから4年10か月の間に確認できただけで6セット、3万円以上をインク代として消費しています。
印刷枚数が少なくても、ヘッドのメンテナンスのためにインクが消費されるのです。
サードパーティから安く売られているインクタンクでは残量の表示が正しくできなかったり、そもそも残量表示機能を無効化しなければならないなどの制約があります。
先日もリサイクル品販売のエコリカがキヤノンを相手取って裁判を起こしたというニュースがありました。
リンク:「キヤノンのインク仕様変更は違法」 リサイクル品業者が提訴 大阪地裁(ITmedia NEWS)
また、サードパーティ品を使っていてプリンター本体が故障した場合に、修理の扱いなどで不利益を被る可能性もあります。
できれば純正品を安く利用したいところです。
プリンターはインクのコストで選ぶべき
というわけで、プリンターを買うときは本体価格の安さではなく、インクのコストを考えないとひどい目に遭います。
そこで注目したいのが、本体に特大容量のインクタンクを設け、インクがなくなったらそこにボトルからインクを注入するタイプのプリンターです。
インクタンクを交換するタイプのプリンターでは、A4サイズの普通紙にカラー印刷するコストが9.6円(小容量タンクなら14.2円)なのに対して、ボトル注入タイプなら0.9円、モノクロ印刷ならさらに安い0.4円だそうです。
インクの交換(補充)頻度も下がるので、もう面倒なビックリマークに煩わされることもなくなります。
低いインクコストで長期間利用することで得しようという戦略なので、可能なら販売店の長期保証とセットにするのがいいでしょう。
「プリンターはインクタンクを交換せずに、インクがなくなるたびに数千円の安いものを買い換えるのがいい」という人もいますが、そもそもその方法ではペイしないですし、プリンターは粗大ごみなので捨てるのに手間とコストが掛かります。
それから、印刷機能を使わないとしても、あるとときどき便利なのがコピー機能です。
どうせ買うならプリンター単機能モデルではなく、コピーもできる複合機を選ぶのがいいと思います。
そんなわけなので、これからプリンターを買おうと思っている方は、ボトル注入タイプの複合機を選ぶのがいいですよ、という話でした。