The Telegraphによると、イギリスの音楽産業のロビー団体である「UK Music」の会長は、イギリスのインディーレーベルはApple Musicでの音楽配信に合意しない可能性があると述べているそうです。
対象となるレーベルにはAdeleやArctic Monkeysなどのビッグネームが属するものもあるとか。
なぜなのか。
Apple Musicのフリートライアル期間の支払いが問題
Apple Musicはユーザーに3ヶ月間のフリートライアル期間を設けていて、レーベルとの契約はフリートライアル期間分の使用料を支払わない内容になっていると報じられています。
Macworld「Apple Music won’t pay record labels for 3-month free trials」
http://www.macworld.com/article/2936054/apple-music-wont-pay-record-labels-for-3-month-free-trials.html
The Telegraphの記事によると、イギリスの音楽産業のロビー団体「UK Music」の会長Andy Heathさんは、フリートライアル期間には他チャンネルのダウンロード収入が落ち込み、その間Appleからの支払いもないとなれば、規模の小さいインディーレーベルは持ちこたえられないと述べられているそうです。
Spotifyにもフリートライアル期間はありますが、Spotifyではその間もモバイルアプリ経由で再生された分の支払いはされているようで、Apple Musicの条件とは違うのだそうです。
問題のインディーレーベルにはAdeleやArctic Monkeysが属するものも
Adeleのレーベル「XL Recordings」や、Arctic Monkeysのレーベル「Domino」もイギリスのインディーレーベルであるため、記事ではこれらのアーティストの曲がApple Musicで配信されないかもしれないことを暗に示唆しています。
感想 ~ブラフ乙なの?
もしApple Musicでアデルやアクモンが聞けないとなると悲しいことですが、なんだかんだでどこかのタイミングで良い落とし所が見つかるのだろうと楽観しています。
Andyさんの言い分はもっともですが、今わざわざメディアに語ることでもないとも思うので、Appleとの交渉を有利に進めるための戦術のようにも見えますし。
日本のApple Musicの説明によると「Apple Musicが登場すると、すべてのサービスを3か月無料で体験できます。」とあり、無料期間はサービスインから3ヶ月間で、その後は全ユーザー一律に有料になるように読めます。
とすれば、無料期間に不服なインディーレーベルは無料期間終了後にApple Musicに参加すれば良いだけなので、大した問題にはなりません。
AdeleはApple Musicの目玉機能であるBeats 1のDJになるZane Loweがフィーチャーしたことで人気に火がついたというご縁もあることですので、何卒円満に解決していただきたいと願っております。
さて、サービス開始の6月30日まで2週間を切っているのに、日本での開始時期が全く聞こえてこないApple Musicですが、ものすごく期待しています。
日本のサイトは準備万端なのできっと今月スタートしてくれるはず。待ってます。
The Telegraph「Record labels attack Apple deals that would leave them ‘completely screwed’」
Record labels attack Apple deals that would leave them ‘completely screwed’