Apple Watchを卒業してコンベンショナルな腕時計を探す中、腕時計の個人輸入について検討・実践しました。
ちゃんと手順を踏めば、とくに大きな不安や危険はないと思います。
高級腕時計の個人輸入
ロレックスやオメガといった高級腕時計を購入する場合、新品を扱っている国内のお店で買うというのが一つの方法です。
しかし、すでに廃番になっているモデルを手に入れたいときや、予算を抑えたい場合には、中古を選択することになります。ロレックスにしろオメガにしろ、本物でさえあれば、そして費用を惜しまなければ、国内で万全のアフターサービスを受けることができます。
人気の高いモデルなら、国内のお店でコンディションの良い中古の個体を探すのはそれほど難しいことではありませんが、不人気モデルになると一気に難易度が上がります。
中古の高級時計を専門に扱うお店は、自前のサイトや、楽天やヤフーの出店で在庫を公開していますが、そこで良いものを見つけられなければ、あとは時計屋さんにお値段おまかせで探してもらうか、街の質屋さんの店頭で偶然出会うような幸運に頼らなければなりません。これはなかなか厳しい。
というわけで、海外に目を向けようということになるわけです。
まずはChrono24から
Chrono24というサイトがあります。
ここは、世界の販売店や個人が時計を出品する、委託販売所のようなサイトです。
記事執筆時点で37万点以上の出品があり、ここで欲しいものが見つからなければ、もうどこでも見つからないだろうというほどの品揃え。
取引自体は販売者と購入者の間で行いますが、Chrono24の決済システムを介して行うため、お金や商品のやり取りでトラブルになる可能性が低いのがメリットです。
一方、販売者にはサイトへの掲載手数料が課されるため、価格は相場よりも若干高くなる傾向があるようです。
というわけで、まずはこのサイトで目当ての時計を探してみましょう。
業者や販売者が特定できたら
さて、Chrono24で欲しい時計が見つかったら、そのまま取引するのもひとつの方法ですが、もう少し慎重に事を進めるのがいいでしょう。
Chrono24の商品ページには、商品の詳しい情報や写真に加えて、販売者の住所、名前、評判、連絡先やウェブサイトなどの情報が掲載されています。
販売者の名前やウェブサイトから、その販売者がChrono24以外でも商売をしているのか、しているとすればリアルな店舗はあるのか、他での評判はどうかを調べることができます。
例えば、上の画面の業者は、表示された住所に店舗を構えていることをGoogleストリートビューで確認できますし、自社サイト、Amazon、eBayでも時計を販売していることがわかります。
さらに、YouTubeで店名をチェックすると、5年前に強盗の被害に遭っていることもわかりました。
ストリートビューの店構えとも一致するので、どうやら本当の時計屋さんらしいと信じられそうです。
eBayやAmazonの評判も悪くありませんし、ここで購入することにしましょう。
先に書いたとおり、Chrono24での価格には手数料が乗っている場合が多く、このお店でも自社サイトから購入すると数パーセント安く買えるようなので、そちらで購入すると良さそうです。
真贋の問題
高級時計というと、中国産のスーパーコピーの問題を無視できません。スーパーコピーというのは極めて精巧な偽物のことで、よくできたものの真贋を素人が判断するのはとても無理というほどの出来なのだそうです。
海外から高級時計を買う場合、そのお店が偽物を扱っているか、本物しか売らないのかを、何らかの情報から判断しなければなりません。
サイトに掲載されている商品の写真は基本的には当てになりません。写真だけ本物で送られてくるものは偽物ということもありうるからです。
事前に実物を見ることはできないし、見たところで真贋の判定ができない以上、結局のところ、売る人や店の評判で判断するしかなさそうです。
注文から着荷まで
そんなこんなで、実際に商品を買ってみました。
今回利用したのは上の例で紹介したSwiss Watch Expoというお店です。
サイト上にはひとつひとつの商品について極めて精細な写真が掲載されています。
多くの個体では裏蓋を開けてムーブメントを見せている写真もあります。
注文はお店のサイトから行います。
支払い方法として、銀行振込、クレジットカード、PayPalのいずれかを利用できますが、海外からの注文ではPayPalは利用できず、クレジットカード払いもうまくいかなかった(こちらのカード会社のチェックは通ったが、先方の決済センターで拒絶された)ため、今回は銀行振込を利用しました。
銀行振込の場合、料金から3%が割り引かれます。
また、メールマガジンに登録すると、初回購入時に限り100ドルの割引特典があります。
日本への送料は90ドル。FedExの「International Priority」というサービスで発送されます。
銀行振込では、国内の銀行支店に出向いて書類を書いたり、マイナンバーを登録したりと、多少面倒な手続きを求められますが、数十万円の3%が割り引かれるわけですし、我慢しましょう。
ちなみに、今回利用した三井住友銀行の場合、手数料として6,500円掛かり、為替レートは1ドル109.43円で処理されました。
海外から腕時計を購入する場合、関税は非課税ですが、輸入消費税(4.8%)が課税されます。FedExの場合、1万円以上の輸入消費税は前払いを求められます。事前にFedExから電話(日本語)が掛かって来るので、クレジットカード番号を伝えるなどして支払いましょう。
と、このような経緯を経て、私の場合、振り込みの手続きをしてから、週末を挟んだ5日後の午前中に商品が手元に届きました。さすが送料を90ドルも取るだけあって早いです。
届いた商品はこちら。
よーく見ればロレックス?という感じの地味モデルですが(だから国内で良いのが見つからないのですが)、気に入って使っています。桜色のインデックスがチャームポイントです。
ロレックスは部品の在庫のある限り修理やメンテナンスを受け付けてくれますし、メンテに出せばピカピカの新品のようになって帰ってくるので、きっと長い付き合いになるはずです。
というわけで、高級時計の個人輸入についてでした。
なお、国内に良いモノがあるなら、そっちで買う方がおすすめです。