「たった1,460mAh?」と思った人は「mAh」だけ見ていると間違えます。
MagSafeバッテリーパックの「容量」は1,460mAh
こちらのMagSafeバッテリーパック。
先日紹介したときには容量不明と書きましたが、どうやら1,460mAhのバッテリーが内蔵されているようです。
リンク:Apple releases MagSafe Battery Pack for iPhone 12, available now for $99(9TO5Mac)
対応モデルの中で最も容量の少ないiPhone 12 miniの内蔵バッテリーが2,227mAhであることを踏まえると、1,460mAhはいかにも少ないように見えます。
ちなみに、iPhone 12シリーズ全モデルの容量は次のとおりです。
- iPhone 12 mini: 2,227mAh
- iPhone 12 / 12 Pro: 2,815mAh
- iPhone 12 Pro Max: 3,687mAh
しかし、この数字にだまされてはいけません。
MagSafeバッテリーパックの内蔵電池の電圧は7.62Vだった
バッテリーの容量を計る単位としてなんとなく定着している「mAh」ですが、じつはこれはバッテリーが供給できる電力量を表しているわけではありません。
電力量を知るには「mAh」の値に電圧を掛け合わせる必要があります。
MagSafeバッテリーパックに内蔵されるバッテリーの電圧は7.62V。一方、iPhone 12シリーズの内蔵バッテリーの電圧は半分の3.81Vです。
とすると、MagSafeバッテリーパックの電力量は 1,460mAh x 7.62V = 約11,201mWh = 約11.2Wh となります。
対するiPhone 12シリーズは、たとえばiPhone 12 miniなら、2,227mAh x 3.81V = 約8,485mWh = 約8.49Wh となります。
つまり、MagSafeバッテリーパックにはiPhone 12 miniを一回フル充電する以上の容量があるということです。
サードパーティのモバイルバッテリー同士で比較する場合、内蔵電池の電圧はだいたい3.6Vで共通なので、それを前提にmAh値だけ見れば支障はないのですが、電圧の違うMagSafeバッテリーパックを同じ基準で比較するのはよくないということですね。
サードパーティ品でいうと、こちらのBelkinのモデルは2,500mAh。
電圧が3.6Vだとすると電力量は9Whなので、MagSafeバッテリーパックの方が大容量です。(値段はBelkinの方が約3分の1ですが)
ということで、そろそろバッテリーの「容量」の表記は「Wh」で統一したほうがいいんじゃないかと思いました。