パスワードマネージャー「LastPass」の無料プランのサービスが変更され、PC/Macかモバイル機器のどちらか一方でしか使えないことになりました。
代わりの手段としてMicrosoftオートフィルとMicrosoft Authenticatorの組み合わせはいかがでしょうか？
「Microsoftオートフィル」と「Microsoft Authenticator」
以前からMicrosoftのブラウザー（Internet Explorerや新旧のEdge）には、ウェブサイトのIDとパスワードを自動的に記憶して、それを確認したり、サイトに自動的に入力したりする機能があります。
まずまず便利な機能ではありますが、Microsoftのブラウザーでしか使えないのが玉に瑕でした。
ところが、最近になってMicrosoftは、Edge/Chromeの拡張機能「Microsoftオートフィル」をリリースし、また、以前からある認証用のスマホアプリ「Microsoft Authenticator」にパスワード管理機能を追加しました。
リンク：Microsoft オートフィル（Chrome ウェブストア） ←Chrome用拡張機能。Edge(Chromium版）でも使える
リンク：Microsoft Authenticator ←モバイルアプリ
「Microsoftオートフィル」と「Microsoft Authenticator」が保存・管理するIDとパスワードはクラウドを通じて共有されているので、これらの拡張機能/アプリを使えば、PC/Macのブラウザーとスマホ/タブレットの両方で一貫したパスワード管理ができるということです。
そして重要なのは、これらの機能が無料で使えることです。
LastPassにできてMicrosoftにできていないこと
上記のMicrosoftのサービスを使えば、これからもPC/Macとスマホ/タブレットの両方で、無料でパスワードを管理することができます。
これで万事解決かとさっそく乗り換えてみたのですが、LastPassにはできたのにMicrosoftではできないことがいくつかありました。
これらが問題になるかどうかがLastPass等の実質有料のサービスにお金を払うかどうかの分かれ目になるでしょう。
パスワード生成機能がない
まず、LastPassには安全なパスワードを簡単に生成する機能がありました。
このような機能はMicrosoftのサービスにはないようです。
新しいサイトやアプリ（パスワードが必要なもの）を利用するとき、それぞれの条件に合い、かつ、ランダムなパスワード文字列をすぐに生成して、同時にそれを記録しておく機能があるととても便利です。
どうにかMicrosoftオートフィル/Authenticatorにも追加してほしいものです。
IDとパスワード以外の情報を保存できない
Microsoftのサービスで保存されるのは、各サイトのアカウントのユーザー名（ID）とパスワードのみです。
それ以外の情報を保存してくれないので、たとえば、ログインに必要な追加情報として「秘密の質問とその答え」が設定されている場合に、それらを記録しておくことはできません。
他の例では、銀行や証券会社のサイトでよくある、ログインパスワードと取引パスワードが別になっているケースで、これら両方を管理する方法がありません。
LastPassならアカウントごとのメモ欄に任意の文字列を保存することができるので、こうした情報もアカウントと紐付けて管理することができました。
この部分もどうにかしてほしいところです。
上の2つの問題は、たとえば、LastPassの無料プランをPC/Macでのみ使い続けることで、ある程度カバーすることができます。
無料サービスの初期仕様としては納得のレベル
と、やや不満な部分もありますが、MicrosoftオートフィルとMicrosoft Authenticatorの組み合わせは、無料で使えるサービスとしては納得できるレベルです。
今後、機能を拡張して使いやすくなってくれればと思います。
Microsoftオートフィルには他のサービスのパスワードを取り込む機能が用意されているので、LastPass等で管理していたIDとパスワードをエクスポートして、それをまとめて取り込むことができます。
LastPassの改悪でパスワードマネージャー難民になっている方は、選択肢として検討されるのもいいと思います。
以上、今後もPC/Macとスマホ/タブレットの両方で無料で使えるパスワード管理機能、MicrosoftオートフィルとMicrosoft Authenticatorの紹介でした。
リンク：Microsoft オートフィル（Chrome ウェブストア）
リンク：Microsoft Authenticator
