楽天モバイルがiPhoneの販売開始を発表し、実際に製品の予約受け付けも始まりました。
これに伴い、これまでiPhoneでは制限されてきた機能が使えるようになるはずですが、機種により対応が違うようなのでここにまとめておきます。
楽天モバイルでiPhoneを利用する条件
まず、楽天モバイルでiPhoneを使うためには、使おうとするiPhoneのSIMロックが解除されているか、もともとSIMフリーである必要があります。
具体的には次のようなケースです。
- 楽天モバイルが販売するiPhoneは使える
-
Appleストアや一部の家電量販店が販売するSIMフリーモデルは使える
-
ドコモ、au、ソフトバンク、MVNO等が販売するiPhoneはSIMロックを解除すれば使える
この条件を満たした上で、iOSのバージョンを14.4以上(すでに提供中)にアップデートし、楽天のキャリア設定ファイル(4/25時点で未提供)が適用されたiPhoneが利用可能です。
対象機種は次のとおりです。
■(第1グループ)ほぼフル機能で使える機種
- iPhone 12 Pro Max
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 mini
- iPhone 12
■(第2グループ)フル機能ではないがわずかな制限で使える機種
- iPhone SE (第2世代)
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11 Pro Max
- iPhone 11
- iPhone XR
- iPhone XS
- iPhone XS MAX
■(第3グループ)使えるけれど注意が必要な機種 -
iPhone X
- iPhone 8
- iPhone 8 Plus
- iPhone 7
- iPhone 7 Plus
- iPhone SE (第1世代)
- iPhone 6s
- iPhone 6s Plus
リンク:Rakuten UN-LIMIT VI(楽天モバイル)
iPhone 12シリーズでも微妙に制限あり?
さて、楽天から正式に販売されることになったiPhone 12シリーズについても、ちょっと気になる説明がされています。
それは、楽天回線とパートナー回線が自動的に切り替わらない可能性についてです。
以下、楽天モバイルのサポートページからの引用です。
<iPhone 12 / iPhone 12 Pro / iPhone 12 Pro Max / iPhone 12 mini をご利用の場合>
iPhone 12以降のシリーズは回線の自動切り替えに対応しておりますが、自動で切り替わらない場合は、以下の方法をお試しください。
・モバイルデータ通信をOFFにする
・約10分待ちモバイルデータ通信をONにする
わざわざこんなことを書いているのは、こういう現象がわりとよくあるせいなのか、それとも、普通は起こり得ない超レアケースの問題へのエクスキューズなのか?
楽天モバイルのサポートサイトの別のページにはこのような記述もあります。
動作保証外の製品では、楽天回線エリアに自動で切り替わらない場合がございます。
楽天回線対応製品をご利用いただけますようお願いいたします。
こちらの記載は、動作保証「内」の端末ならもれなく自動切り替えが動作するように読めます。
ということは、前者のような記載があるのは、やはりiPhone固有の回線自動切り替えに関する問題があるせいなのかも。
このように、回線の自動切り替えはiPhone 12以降を利用する上で少し気になるところです。
なお、iPhone 11シリーズ以前のモデルは回線の自動切り替えには対応しないので、楽天回線エリアを頻繁に出入りするケースでは不便を感じるかもしれません。
海外ローミングは使えるのか?
楽天の料金プランでは、海外ローミング時(66の国と地域)でも毎月2GBまでの通信ができ、Rakuten Linkアプリを使った日本向けの通話とSMSを無料で利用できます。
しかしこれまでiPhoneでは海外ローミングは使えないことになっていました。
4月30日以降、iOSのバージョンの条件を満たし、キャリア設定ファイルが適用されたiPhoneは、海外ローミングを利用できるようになります。
対象機種は上に挙げた機種すべて(iPhone 6sシリーズ以降の全モデル)です。
これは大きな進歩です。
リンク:Rakuten UN-LIMIT VI(楽天モバイル)
パートナー回線でもSMSが使えるようになるのか?
これまで、楽天モバイルでiPhoneを使う場合、パートナー回線ではSMSを利用できないという制限がありました。
4月30日以降この制限がなくなるのかどうかについては、はっきりした情報を見つけられないのですが、サポートページに最近追加された「[iPhone] Rakuten LinkでSMSが利用できない」の項目に次のような記載があります。
iOS14.4以降かつキャリア設定ファイルと呼ばれるファイルをダウンロードする、この両方をもって動作保証の対象となります。
これはこの条件を満たせばパートナー回線でもRakuten Link経由でSMSを使えるようになることを表しているのでしょうか?
SMSは様々な場所で電話番号認証のために使われているので、楽天回線に接続していなければ使えないままではちょっと不便です。
その他の使い勝手は?
上記第3グループの機種(iPhone 6sシリーズからiPhone 8/8 Plus/Xまで)を使う場合に注意が必要なのは、これらの機種ではパートナー回線は使えるものの、回線切替に関して面倒な制限がありそうなことです。
先ほど引用したiPhone利用時の楽天回線とパートナー回線の自動切り替えに関するサポート情報にはこのような記載もあります。
パートナー回線エリアでiPhone 7以前のモデルを使用する場合、110/119通話などでの高精度な位置情報測位の正確性が低下します。
また、こういう記載もあります。
<iPhone 6s / iPhone 6s Plus / iPhone 7 / iPhone 7 Plus / iPhone 8 / iPhone 8 Plus / iPhone Xをご利用の場合>
iPhone 6s PlusからiPhone Xまでのシリーズの場合は、以下の方法をお試しください。・楽天回線のみつながるエリアへ移動
つまり…
- iPhone 7以前の機種(を含む第3グループの機種)でもパートナー回線エリアで利用できる
-
しかし、楽天回線とパートナー回線の両方でカバーされているエリアでパートナー回線と接続されたら、そのエリア内で楽天回線に切り替える方法はない
…ということです。
これらの機種では、東京などのパートナー回線契約が終了した(と言われる)エリアを除けば、パートナー回線ばかりが利用される可能性があります。
パートナー回線で利用できる高速通信容量は月々5GBまでなので、5GBを超えて使う可能性があるなら、第3グループの機種を使うのは避けるのが賢明でしょう。
楽天でiPhone 12シリーズを買うのが無難
そんなわけで、楽天モバイルをほぼフル機能で使えるiPhoneはiPhone 12シリーズで、それ以外の機種では何らかの制限が残ることがわかりました。
手持ちのiPhoneを流用する場合、上記第2グループ以上(iPhone XS / XS Max / XR以降)かどうかで使い勝手に大きな違いがあるでしょう。
また、第2グループの機種でも、自宅や職場・学校などが楽天回線エリアに含まれていないと、月5GBのパートナー回線を意識して使うことになるので注意が必要です。
なるべく憂いなく使いたいなら、楽天モバイルからiPhone 12シリーズを買うのが無難です。(今から買うならiPhone SEはやめておきましょう)
端末の代金も他で買うより安いですし、分割払いや楽天ポイント払いも使えます。
中身はSIMフリーのiPhoneなので、もしも楽天で使わなくなっても活用できます。
ということで、楽天モバイルでiPhoneを使うなら最新モデルを買っておくのが無難だという結論になりました。
リンク:Rakuten UN-LIMIT VI(楽天モバイル)