月額0円から利用できると評判の楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT VI」をiPhoneで利用する際の仕様が変わります。
海外で利用する方とSMSを利用する方は要注意です。
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)の改悪内容
今回の仕様変更は2021年6月15日から適用され、iPhoneで利用する場合にのみ影響します。
【通話】 固定電話やRakuten Link以外から発信された通話はiOSの標準電話アプリに着信するようになる
まず、電話を受ける場合の変更です。
これまで、Rakuten LinkをインストールしたiPhoneに外部から電話が掛かってきた場合、それらはもれなくRakuten Linkアプリで受信されていました。
しかし、6月15日以降は次の図のように変更されます。
すなわち、相手がRakuten Linkアプリ以外から(たとえば、固定電話や楽天以外の回線から、あるいは、楽天回線でも標準の電話アプリから)掛けた電話を、iPhoneの楽天回線で受ける場合、iOSの標準電話アプリに着信するようになるということです。
国内で電話を受ける場合は、どの手段(アプリ)で受信しても料金は掛からないので、国内でのみ利用する方にはあまり影響はありません。
しかし、海外で電話を受ける場合には、次の図のような料金の変化があります。
海外で電話を受ける場合、iOSの標準電話アプリに着信すると、「国・地域別従量課金」の対象となる、という内容です。
通話料はたとえば、いちばん安い北米でも34円/30秒掛かります。最も高いアフリカは全土で180円/30秒です。
海外で日本からの国際電話を受けても料金が掛からないのが楽天モバイルのひとつの魅力でしたが、6月15日以降はRakuten Linkアプリを使う楽天モバイルユーザーからの電話のみが着信無料ということになってしまいます。
なお、現時点では海外でiOSの標準電話アプリでの通話はできないことになっていますが、おそらく6月15日以降はできるようになるのだと思われます。
【SMS】 Rakuten Link以外とのSMSの送受信はiOSの標準メッセージアプリで行うようになる
第二の変更はSMSの送受信に関するものです。
これまで、Rakuten LinkをインストールしたiPhoneに外部からSMSが送信された場合、それらはもれなくRakuten Linkアプリで受信されていました。
しかし、6月15日以降は次の図のように変更されます。
すなわち、相手がRakuten Link以外から送信したSMSは、iOSの標準メッセージアプリで受信されるようになるということです。
SMSを受信するときの料金は、受信側が国内にいても海外にいても、これまでどおり無料です。
しかし、iOSの標準メッセージアプリで受信したメッセージに対して、そのまま同じアプリから返信すると(普通そうしますよね)、今後はSMS送信料が発生してしまうことになります。
国内なら3円/70文字。海外なら100円/70文字です。
仕様が変わったあとも、相手がRakuten Linkを使っていれば引き続き無料でやり取りできますが、かなり不便になりそうです。
iPhoneを扱うためにAppleから付けられた条件なのでは?
このニュースを扱ったITmediaの記事には、今回の仕様変更は「技術的都合」によるものと紹介されています。
この「技術的都合」というのは、おそらくiPhoneを正式に扱うにあたってAppleから付けられた条件を満たすために、このような仕様変更が必要だったということだと思います。
iPhoneと一緒にiPadやMacをお使いの方はご存知のとおり、iPhoneに電話やSMSが着信すると、近くにある同じApple IDでサインインしたiPadやMacでも通話やメッセージの送受信ができる機能があります。
この機能をちゃんと使えるようにすることが、iPhoneを扱わせてもらう条件だったのではないかということです。
で、こうした機能はiOS標準の「電話」「メッセージ」アプリと紐付いたものなので、Rakuten Linkでは対応できなかったのでしょう。
それが「技術的都合」ということだと思います。
だとすれば、こういう仕様変更については、少なくともiPhoneの販売を発表するのと同時にアナウンスするべきだったと思います。そうしないと、10万円とか15万円を出して楽天からiPhoneを買った人が浮かばれないですよ。
今後、何らかの救済策が発表されるといいと思います。
リンク:Rakuten UN-LIMIT VI(楽天モバイル)