Apple Watch Series 4が発表されました。
狭ベゼル化されて従来モデルよりもずっとカッコよくなりましたが、Apple Watchの本質は変わらないはず。
というわけで、初代・Series 3と乗り継いできた経験を踏まえて、予約する前に思い出しておくべきことを書き残します。まずは冷静になろう。
Apple Watch Series 4を予約する前に思い出しておくべきこと
では、早速まいります。
Apple Watchは「腕時計」ではない
Apple Watchを買う前に知っておくべき最大のポイントは、Apple Watchは腕時計としていくつかの問題を抱えているということです。
長くても2日に一度は充電が必要
まず、最小限の使い方をしていても、2日に一度は必ず充電が必要になります。
Apple Watch Series 4の公称バッテリーライフは18時間です。
実際に使ってみると、朝出かける前に装着し、Suicaで改札を通ったり、ときどき時刻を確認したり、通知の音や振動のたびにちらっと見るといった使い方なら、2日目の夜までなんとかバッテリーが持続します。
見るのは時刻と通知だけで、メールやLINEの本文はすべてiPhoneで確認した場合の話です。
ほぼ最小限の使い方と言っていいと思いますが、このスタイルでも2日に一度は充電しなければなりません。
これが、慣れるまではわりと面倒です。お風呂に入る前に脱衣場で取り外したあと、そのまま朝まで放置してしまったときの自己嫌悪ときたら…。
スマートフォンのように使いながら充電することができないので、充電忘れは致命傷です。
また、旅行には専用の充電ケーブルを持っていかなければ、3日目にはただの飾りになります。
というわけで、充電が面倒な点には注意が必要です。
時刻を確認しづらい
Apple Watchシリーズでは、バッテリー消費を抑えるため、平常時には画面に何も表示されません。真っ暗です。
Apple Watchを装着した手首を顔に向けて翻す動作をトリガーにして画面が表示されるようになっています。(指で画面に触れて表示させる方法もあります)
各メディアが配信しているSeries 4のハンズオン映像を見ても、この仕様は変わっていないようです。
したがって、たとえば仕事中にPCのキーボードを打っていて、あるいは、自転車のハンドルを握っていて、「いま何時かな?」と時刻をチェックするためには、いったん片腕を上げてApple Watchを正視しなければなりません。しかも、ときどき手首を返しても画面が点かないことがあって、これがとてもストレスです。
ふつうの腕時計なら、デジタル式でも画面は常に表示されているし、斜めから見ても時刻はしっかり確認できます。キーボードをパタパタと打ちながら、視線だけ動かして時刻をチェックすることも可能です。
時計なのに時刻を確認しづらいとは何事か!という気もしますが、それがApple Watchです。
フェイスのデザインに飽きる
Apple Watchシリーズでは時計のフェイスのデザインを様々に切り替えることができます。
また、各デザインの中で、インデックスや針の色を変えたり、表示する要素(メールの有無とか再生中の曲名とか)を選ぶこともできます。
買ってすぐの頃は、好みのデザインを求めて試行錯誤を繰り返すのですが、選べるデザインの種類がそれほど多くない上、ちっとも増えていかないので、やがて飽きます。
ふつうの腕時計は、フェイスを含めたデザインに惚れて買うのが当たり前ですが、Apple Watchの場合はその部分が見落とされがちなような気がします。「フェイスは買ってから調整すればいいや」と。
フェイスの調整の自由度はそれほど高くないということは覚えておくべきでしょう。
Apple Payと音量調節は超便利
もちろん、Apple Watchならではの便利さもあります。
Apple Pay、とくにSuicaは最高に便利
決済手段がいつでも腕にくっついているというのはとても便利です。
Suica(やSuicaと互換性のある交通系ICカード)に対応する改札の通過や、バス料金の支払いは、カードやスマートフォンで行うよりもずっと楽ちんです。なにせ、取り出す手間がないのです。
Suica以外の決済手段(QUICPayなど)を利用するときには、サイドのボタンをダブルクリックする必要がありますが、それでもiPhoneで指紋認証や顔認証するよりは手軽です。
ちょっと表のコンビニに出掛けるのに、財布もスマホも忘れて行ったとしても、Apple Watchがあれば無問題です。
もちろん、Apple Watchひとつ身につけてランニングに行き、出先で飲み物を買うようなことも可能。東京なら地下鉄に乗って皇居ランにも行けますね。
Apple PayこそがApple Watchを使う最大のメリットなんじゃないかと思います。
iPhoneの音量を調節できるのはかなりイイ
Apple Watch単体でできることには限りがあるので、多くの場面ではiPhoneの補助的なインターフェースとして利用することになります。
例えば、Apple MusicやSpotifyで音楽を聞いたり、radikoでラジオを聞いたりするなら、(セルラー版Apple Watchで直接Apple Musicを聞くのでなければ)、処理の主体はiPhoneのアプリだということです。
このようなとき、Apple Watch側にも自動的に曲名などの情報が表示され、画面をタップして曲をスキップしたり、デジタルクラウン(リューズ)を回して音量を調節したりできます。
この機能、地味ですが本当によく使います。音量調節がデジタルクラウン最大の使いみちという気がするくらい。
なお、Apple Watch Series 4ではデジタルクラウンにTaptic Engineが搭載されて、回したときにクリック感があるそうです。楽しみですね。
試してわかる便利さと物足りなさ
Apple Watchは新しいのが発表されるたびに欲しくなる不思議な魅力を持っています。
冷静に考えると、この機能・性能に最安5万円払うのはどうなのかと思わざるをえないのですが、それでもやっぱり欲しくなるのがApple Watchです。
Apple Watchを買えば、はじめの1か月は間違いなく楽しめます。フェイスのデザインを選び、使うアプリを選び、改札を通り、普段しないようなランニングに出掛けてみたり。
で、そのまま便利さの方を取って使い続けるもよし、不便さが気になって手放すのもまたよし、いずれにしても実際に使ってみないとわからないのが、Apple Watchの特性のような気がします。
さいわい、Apple Watchは後継機が出る前ならわりといい値段で手放せるので、どうしても気になる方は、一度試してみることをおすすめします。
最近、iPhoneの新製品発表が以前ほどわくわくしなくなったように、いつかはApple Watchのわくわくも失われていくことでしょう。未完成の魅力を楽しめるのは今のうちだけかもしれません。
リンク:Apple Watch(Apple)
リンク:Apple Watch(NTTドコモ)
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リンク:Apple Watch Series 4(ビックカメラ)