発売直後から、発熱がすごすぎて実力を発揮できていない、と悪い意味で注目を浴びているMacBook ProのCore i9モデルですが、Appleはこの問題に対するパッチを速攻でリリースしたようです。
パッチを適用したあとでどんな変化があったのか?検証が始まっています。
足りなかった「デジタルキー」を追加する修正パッチ
MacBook Pro 2018年モデルの熱制御がうまくいっていないとされる問題について、Apple Insiderのこちらの記事では、Appleのスポークスパーソンの話として、ファームウェア内に本来あるべきデジタルキーが足りなかったことが熱管理システムに影響を与え、発熱の多い状態でCPUのクロック低下を招く可能性があったため、この不具合が7月23日付のmacOS High Sierra 10.13.6 Supplemental Updateで修正されたと伝えています。
さらに、スポークスパーソンの方は「15インチMacBook Proでは最大70%の高速化、13インチのTouchバーモデルでは最大2倍の高速化が期待できる」とも言っているそうですが、これは今回のアップデート前後の話ではなく、2017年モデルと2018年モデルの比較のことでしょう。まぎらわしい!
なお、今回のアップデートは15インチのCore i9モデルだけでなく、13インチを含むすべての2018年モデルに適用すべきものとされています。
アップデート適用後にどのていど高速化するのか?
Apple Insiderでは早速パッチを適用してパフォーマンスの測定をされています。
こちらの記事です。
記事によると、Core i9モデルでのCinebench 15のスコアがアップデート前後で約4.3%向上(平均906→平均945)したそうです。
また、Final Cut Pro Xで長さ5分の4K動画のレンダリングを行ったところ、処理時間が約4.6%短縮(3分39秒→3分29秒)したとのこと。
同様にPremiere Proでは、約12%の短縮(24分1秒→21分8秒)を記録したそうです。
(Premierer ProはCPUへの依存度が高いので、パッチの恩恵をより多く受けるのだと思われます)
同じように、パッチ前後のパフォーマンスの違いをテストされているYouTuberの方もいます。
こちらのテストはApple Insiderの記事と全く同じ内容で、結果の値も全く同じなので、同じテストを記事と動画でそれぞれ配信しているのかもしれませんね。
記事や動画ではクロックスピードの推移についても触れられているので、詳しい動作の変化に興味がある方は中身をチェックされると良いと思います。
また、すでに2018年モデルをお求めの方は、すぐにパッチを適用しましょう。
以上、MacBook Pro 2018年モデルの熱問題対策パッチについてでした。
(追記)Dave Leeさんの追試ではパッチの効果がはっきり確認できている
問題の発端となる動画をアップし、さらにAppleが問題を解析する際に再現条件に関する情報提供をしたとされるDave Leeさんが、パッチ適用後のテストをされています。
動画の1分15秒付近で、前回の動画と同じPremiere Proのレンダリングをパッチ適用後のCore i9モデルで行った結果が紹介されていますが、そこでは約41%の高速化(39分37秒→23分12秒)が確認されています。
23分12秒は前回の動画でMacBook Proをフリーザーに放り込んでテストしたときよりも良いタイムです。
この結果を見ると、今回のアップデートで行われた変更は、ある条件下では非常に効果的だとわかりますね。
動画のコメント欄にはAppleを動かしたDaveさんの働きを称賛する声がたくさん寄せられています。