携帯各社は携帯電話料金値下げの圧力をうまくかわそうとしている感じがします。
目先の値下げより5Gを早く普及させてほしいという話。
容量20GBで月額3,980円とか4,480円とか
KDDIはUQモバイルで通信容量20GBで月額料金が3,980円(税別)の「スマホプランV」を2021年2月以降に提供すると発表しました。
リンク:データ容量20GBで月額3,980円のUQ mobile新料金プラン「スマホプランV」を提供(KDDI)
また、ソフトバンクはY!mobileで通信容量20GBと10分以内の国内通話が何度でも無料の新プラン「シンプル20」を2020年12月下旬から月額4,480円(税別)で提供すると発表しました。
リンク:ソフトバンクの通信料金低廉化などへの取り組みについて(ソフトバンク)
UQモバイルのプランには通話パックが含まれていませんが、別途下記の3種類の通話オプションを組み合わせることが可能です。
- 国内通話かけ放題(1,700円/月)
- 国内通話10分かけ放題(700円/月)
- 最大60分/月の国内通話が定額(500円/月)
同じ「10分以内かけ放題」で比較すると、料金の総額はUQの方が200円高くなりますが、余った通信容量の繰り越しの可否(Y!mobileは不可、UQはおそらく可)や、UQでは通話オプションを選べることを考慮すれば、どちらかが特に劣っているということはなさそうに見えます。
リンク:UQモバイル
リンク:Y!mobile オンラインストア
通信容量は20GBも必要なのかという問題
両社の新プラン発表は政府による携帯電話料金値下げ圧力への応答という見方をされています。
しかし、毎月の通信容量が20GBにもなってしまう人って全体の何パーセントほどいらっしゃるのでしょうか?
少し古い記事ですがこういうのを見つけました。
リンク:スマホの通信容量20GBプランでも使い切ってしまう人たちは何に使っているのか(ITmedia mobile)
いわく、YouTubeのプレイリストを延々と再生し続けていたとか、携帯回線でアプリの更新をしていたら、いつのまにか数10GB使っていたということらしいです。
しかし、こういうのは家やオフィスの固定回線をちゃんと併用すれば避けられそうな問題です。
固定回線との併用を前提にすれば、毎月20GBも使うユーザーがそんなにたくさんいるとは思えない。
とすると、今回発表されたような料金プランはそもそも利用者がそれほど多くならず、したがってUQモバイルもY!mobileもそれほどダメージを受けずに、政府の要求に応えたという体裁を整えることができるのだと思います。
固定回線が5Gに置き換わるほど普及する方が大切
KDDIとソフトバンクがそれぞれのサブブランドでお茶を濁そうとしているのに対して、サブブランドを持たないNTTドコモはプロパーの料金プランで対抗するしかありません。
20GBで5,000円だなんていう噂もあるようです。
リンク:ドコモ、「値下げ論」や“20GB/5000円”に「使いやすい料金に努める」(ケータイWatch)
ドコモ本体の料金プランとなれば、5Gも対象になるのかが気になるところです。
(現時点でUQとY!mobileに5Gサービスはありません)
ところで、スマホだけで20GBもの容量を使い切れない私ども普通のユーザーがこうした料金プランの恩恵を受けるのは、5Gが普及して家の固定インターネット回線を使わない人がマジョリティになったときなのだろうと思います。
わざわざ新しく固定電話を引く人が珍しくなったように、自宅に光ファイバーやCATVやADSLの固定回線を引くのが酔狂な行いとみなされる時代になれば、固定回線に払っていた料金をそのまま携帯回線に振り向けることができるので、みんながこぞって大容量や容量無制限のプランを利用するようになるでしょう。
5Gが本気を出すとめちゃくちゃ速いのです。
そのようにして家庭の通信料金の総額が今よりある程度安いレベルに抑えられるようになれば、携帯の料金だけを取り上げて「高い」と問題にする人も少なくなるだろうだと思います。
とすると、目先の1,000円とか2,000円の値下げに惑わされずに、ちゃんと5Gが使いものになるレベルで普及することの方が、われわれ消費者の利益にもなるのではないかという気がしてなりません。
携帯各社が政府の圧力をうまくかわして、5Gへの投資に支障が出ないように活動されることを願うばかりです。
リンク:UQモバイル
リンク:Y!mobile オンラインストア
リンク:ドコモオンラインショップ