Windows 10に搭載される新しいブラウザー「Edge」のJavaScript実行速度がIEやChromeやFirefoxより速いというデータがwindows.comのMicrosoft Edge Dev Blogで公開されています。
シェアの大きなブラウザーが高速化されるのは良いこと。
EdgeはIEよりもずっと速く、ChromeやFirefoxよりも少し速い
Edge開発チームの調査では、世の中の代表的な10,000のサイトから無作為に抽出した3,000のサイトを調べた結果、その半数以上のサイトでJavaScriptの60%以上がインラインに記述されていなかった(=外部ファイルに記述されていた)そうです。
一般にインライン記述された方がそうでない場合よりも高速に実行できるのですが、世の中のサイトはそう甘くはなかったと。
そこで、そういった環境を踏まえてEdgeのJavaScriptエンジンのJITコンパイラを最適化した結果めっちゃ速くなったよ、ということのようです。
その他にも高速化の施策がいろいろ書かれているのですが、長いのと専門的すぎて一部ついていけないのとで割愛しつつ、結局これくらい速くなりましたというのが次のグラフです。
まず、Googleの作ったJavaScriptエンジンのベンチマーク「Octane 2.0」の結果です。
Microsoft Edge Dev Blog「Delivering fast JavaScript performance in Microsoft Edge」
値が大きいほうが高速です。EdgeはIE(Internet Explorer)の2.25倍のスコア。そしてChromeよりもFirefoxよりも速いです。
次にAppleの作ったJavaScriptエンジンのベンチマーク「JET STREAM」の結果です。
Microsoft Edge Dev Blog「Delivering fast JavaScript performance in Microsoft Edge」
こちらも値が大きいほうが高速です。EdgeはIEの1.6倍。やはりChromeよりもFirefoxよりも速いです。
えらい。
そのえらい開発チームの方が出ているビデオがこちらです。
製品でも速いままでお願いします
Windows 10はWindows 7からも無償アップグレードできるということで、それなりに古い世代のPCで動作するケースが非常に多くなると見込まれ、そういった環境で快適に動作することが期待されています。とりわけブラウザーの高速化はMicrosoftにとって重要な課題だったと思われます。
これまでのIEは後方互換性を守るために設計自由度が制限されて思うように改良することができなかったのではないかと思いますが、Edgeに一新することで開発チームもいろいろとやりやすくなっているのでしょう。
ChromeやFirefoxの台頭はあるもののやはりOSに同梱されることの威力は凄まじく、Edgeは何だかんだでシェアNo.1のブラウザーになると思いますので、この調子で改善を進めていただきつつ安定度もキープしつつ、ナイスな製品に仕上げていただきたいと思います。
Microsoft Edge Dev Blog「Delivering fast JavaScript performance in Microsoft Edge」
http://blogs.windows.com/msedgedev/2015/05/20/delivering-fast-javascript-performance-in-microsoft-edge/