かつてAppleのソフトウェア・エンジニアリング担当上級副社長を務めたBertrand Serletさんが設立した「Upthere」のクラウドストレージサービスは、ローカルのストレージをほとんど消費しない点が画期的です。
このたびベータテストが終わって正式公開されました。
Upthereのサービスの概要
UpthereはPC/Mac/iOS/Android向けのクラウドストレージサービスです。
この動画では写真ばかりアップロードしていますが、写真だけでなくあらゆるファイルをアップロードでき、必要に応じてシェアできます。
そして、アップロードしたものはローカルのストレージをほとんど消費しなくなるので、ユーザーはローカルストレージの空き容量を気にする必要がなくなります。
Upthereにアップロードされたファイルは、その属性情報から簡単に検索できるようになっています。
ファイルへのアクセスはネットワーク経由で行うことになりますが、ローカルに軽量なキャッシュファイルを残すことで快適にブラウズできるよう配慮されています。
Upthereは有料のサービス。料金は次のとおり。
容量 | 価格 |
---|---|
最初の200GB | 4.99ドル/月 |
追加100GB毎 | 1.99ドル/月 |
日本円に換算すると、iCloudの200GBプラン(400円/月)より少し高いくらいです。
差額は、クラウドにアップロードされたファイルをローカルストレージから手動で削除する手間賃と考えて、損得を判断すれば良さそうです。
とくにiPhoneシリーズで有効
Upthereを使えば、ファイルはクラウドストレージに自動的にアップロードされるので、ローカルストレージの消費を抑えることができます。
写真や動画をUpthereで、音楽をiTunes MatchやApple MusicやGoogle Play Musicでクラウド化してしまえば、ローカルストレージを消費するのはアプリとそのデータくらいなので、普通の使い方ならローカルストレージの容量は少なくて済むようになるはずです。
iPhoneシリーズはいまだにストレージ容量でモデル間の差別化をしていて、その差額がとても高いように感じます。
iPhone 6sだと次のようになります。
16GB | 64GB | 128GB | |
---|---|---|---|
価格(税別) | 7万8,800円 | 8万9,800円 | 10万1,800円 |
16GBと128GBの差額は2万3,000円。Upthere(200GB)とiTunes Matchの2年間の料金が2万560円。わりといい勝負だと思います。
Androidの場合はmicro SDで安価にストレージを拡張できる機種が多いので、メリットは実感しづらいかもしれません。
200GBだと1万円を少し切るくらいで買えます。
ただし、micro SDカードによるストレージ容量の拡張は200GBが限度になっている機種が多いので、200GBを超える容量が必要な場合はクラウド一択になります。
より大容量が必要ならOneDriveやDropboxも
Upthereは便利そうなサービスですが、200GBを超えると従量式で費用が増えていくのが少し心配な点です。
200GBって写真撮りまくりの人なら「もしかしたら何年か後には超えちゃうかも」という水準のようにも思えますし。
そんな場合は既存のクラウドストレージを使う手があります。
多くのクラウドストレージサービスは容量1TB(あるいは1,000GB)が基準になっていて、それだけあればたぶん一生大丈夫です。
ファイルをクラウドに上げたあと、ローカルストレージからファイルを消す手間が必要ですが、容量には代えられません。
※ 写真や動画のアップロード自体は自動化できます。詳しくは下記の記事などで。
https://kiritsume.com/dropbox-pro/
以上、ローカルストレージをほどんと消費しないクラウドストレージサービス「Upthere」の正式サービス開始の話でした。
Upthereは当初3か月は無料で試せます。
リンク:Upthere
どうでもいいことですが、上の動画の人は1Passwordの動画と同じ人に見える。