HPのSpectre 13 x360 Limited Editionのレビューをいたします。
HP Spectre 13 x360は、13.3インチのディスプレイを360度の角度で回転できる機構によって、通常のラップトップを超えた自由な使い方を提案するPCです。
ただのラップトップとして使うだけでも十分に元が取れると思います。
HP Spectre 13 x360 Limited Editionの概要
Spectre 13 x360 Limited Editionの仕様は次のとおりです。
比較のため、最新のMacBook Pro 13インチモデル(最廉価版)の仕様を併記しました。
HP Spectre 13 x360 Limited Edition | MacBook Pro 13インチ(Core i5) | |
---|---|---|
OS | Windows 10 Home (64ビット) | macOS Sierra |
CPU | Intel Core i5-6200U | Intel Core i5-6360U |
GPU | Intel HD Graphics 520 | Intel HD Graphics 540 |
RAM | 8GB | 8GB(オプションで16GBに変更可) |
ストレージ | 256GB SSD (SATA) | 256GB SSD(PCIe) |
ディスプレイ | 13.3インチ、1920 x 1080ピクセル、タッチ対応、グレア | 13.3インチ、2560 x 1600ピクセル |
インターフェース | HDMI、USB3.0(Type-A) x 3、Mini DisplayPort、ヘッドセット | Thunderbolt 3(USB Type-C) x 2、ヘッドフォン |
カメラ | フロント:フルHD | フロント:720p |
サイズ・重量 | 326 x 219 x 15.5〜17mm、1450g | 304.1 x 212.4 x 14.9mm、1370g |
その他 | ディスプレイは360度回転可能 |
Spectre 13 x360 Limited Editionは、13インチクラスのハイパフォーマンス志向のラップトップとして標準的な仕様を備えていると言えます。
最新のMacBook Proと比べると、ストレージの仕様(SATA vs PCIe)、ディスプレイの解像度、サイズと重さでやや劣る部分がありますが、その分価格差もありますので、トータルでは良い勝負だと思います。
なぜMacBook Proを引き合いに出したかというと、Spectre 13 x360の外観がMacBookの各モデルに引けを取らないほど魅力的だからです。
外観については次の項で写真をお見せしながら説明します。
外観は非常に魅力的
HP Spectre 13 x360のデザインと質感は非常に魅力的です。
CNCでアルミから削り出したボディの側面は光沢のあるカッパー(銅)色に輝いていて、息を吹きかけて磨きたくなるような美しさです。
長辺方向にヘアラインが入っているため、あまりピカピカしない落ち着いた光沢になっているのが非常に好印象です。
側面とディスプレイのヒンジ以外の部分は少し茶色がかった濃い灰色で落ち着いた雰囲気が出ています。
天板に描かれたロゴも、いつものHPマークではなくて、HEWLETT-PACKARDロゴ。ダイヤモンドカッターで刻みこまれた立体感のあるものです。
キーボードの刻印は、アルファベットをキーの中央に、かな文字を小さく右下に配置してあって、ここにもデザインへのこだわりを感じます。
デザイン的には先日紹介したSpectre 13よりも今回のSpectre 13 x360 Limited Editionの方が落ち着きがあるので、ビジネスシーンではこちらの方が使いやすいでしょう。
360度ヒンジの使い心地
HP Spectre 13 x360 Limited Editionの機能面での最大の特徴は360度回転するディスプレイのヒンジです。
この機能によって、通常のラップトップモードの他に、ディスプレイを本体背面まで回転させて1枚の板のようにするタブレットモード、180度より広く開いてキーボード面を下にして設置するスタンドモード、ディスプレイの上端とキーボードの下端の2辺で支えるテントモードの、合計4つのモードで利用できます。
こちらの動画は海外版のものですが、0:40あたりにタブレットモード、1:03あたりにテントモード、1:06あたりにスタンドモードが紹介されています。
タブレットモードではSpectreをWindowsタブレットのように操作することができます。
裏返ったキーボードがむき出しになっていますが、タブレットモードではキーを押しても反応しないようになっているので、本体をしっかり掴むことができます。
ディスプレイ面にはWindowsボタンがありませんが、代わりに本体側面にWindowsボタンが設けられています。
スタンドモードは設置場所にキーボード全体で接地するので安定感がありますがテントモードよりも広い面積が必要です。テントモードは接地面が狭い場合や傾きがある場合、小さな障害物をまたいで設置したい場合などに便利です。
テントモードではディスプレイが通常と天地逆さまになりますが、スピーカーから再生される音も自動的に左右を入れ替えてくれます。親切です。
このように、360度回転するヒンジによって利用形態や利用できる場面が広がります。
とくに、本体を安定して設置できないとき(ソファでくつろいでいるときなど)にタブレットモードで利用できたり、設置場所が狭いとき(乗り物のテーブルの上など)にテントモードで利用できたりするので、そういう場面ではありがたみを実感できそうです。
パフォーマンス
Spectre 13 x360 Limited Editionには第6世代 Intel Core i5プロセッサーが搭載されています。
事務処理をこなしたり、4K解像度の動画を視聴したりするのには、なんの支障もありません。
動画編集のような重めの作業もFull HDまでならとくに不満なくこなせます。
休止状態への遷移と復帰に要する時間は、それぞれ10秒弱と10数秒。先日紹介したSpectre 13よりも遅いです。
これはCPUの違い(Spectre 13はCore i7モデルを使用)よりも、ストレージの仕様の違い(PCIeとSATAの違い)が影響しているように思います。
今回試した範囲で、Spectreの冷却ファンの音がうるさいと感じる場面はありませんでした。
また、発熱もキーボードの奥のエリアが少し温まる程度で、キーを打っていて気になるようなことはありませんでした。
高解像の動画を長時間見続けたり、動画のエンコードをずっと回したりすれば状況は変わるかもしれませんが、普段使いの範囲ではファンノイズや発熱が気になるケースはあまり無いのではないかと思います。
キーボードとタッチパッド
Spectre 13 x360 Limited Editionのキーボードは「普通」です。
ストロークはまずまず深めでクリック感もあるので、タイプの感触に不満を感じることはないと思います。タイプ音も特に大きくも小さくもありません。
唯一気になる点を挙げるとすれば、左Ctrlキーが小さいことですが、隣が単独で押しても何も起こらないFnキーなので、実使用上の不都合はないと思います。
タッチパッドは非常に面積が大きくて操作しやすいです。
デフォルトではタップで反応する設定になっていますが、キーボードをタイプしているときに手のひらで触れても誤入力は起こらず、快適にタイプを続けられました。
設定はWindowsのマウス設定の画面に追加される独自の設定画面で行いますが、2本指クリックを右クリック動作に割り当てる設定がわかりませんでした。(2本指タップを右クリックと認識させることは可能です。)
ACアダプターとケーブル
ACケーブルのコネクターはミッキータイプで、ここに接続する長いケーブルと、コンセントに直接差せるL字型コネクターが同梱されています。
例によってACケーブルは太いので、持ち歩きにはL字コネクターが便利でしょう。
ACアダプターと本体をつなぐケーブルはおよそ1.7mの長さがあるので、ACケーブルがなくても長さが足りなくて困るケースはあまりないと思います。
まとめ 〜 ラップトップモードしか使わないとしてもおすすめ
以上、HP Spectre 13 x360 Limited Editionの紹介でした。
本機はディスプレイのヒンジが360度回転する機構が大きな売りのようになっていますが、実際に使ってみると、通常のラップトップとして見ても十分に魅力的な機種だということがわかります。
優れたデザインと質感によって持つ喜びを十分に刺激されますし、大きさと重さも一般的な13インチラップトップの範囲に収まっています。
タッチ操作が可能なので、軽めの書類仕事ならマウスを持ち歩かなくても快適にこなせます。
USB Type-AポートとフルサイズのSDカードスロットを持ち、HDMIとmini DisplayPortまであるので、出先でのコネクティビティにも不安なしです。
その上で、仕事で使わないときにはタブレットモードやテントモードで息抜きの道具としても活用できます。
お値段もこの内容としては高くないと思います。
価格やキャンペーンの情報は公式サイトでご確認ください。
リンク:HP Spectre 13 x360 Limited Edition(HP公式)