Windows Centralに「Office 365を選ぶ理由」的な記事が出ていたので、日本ではどうなのかを考えました。
日本のOfficeライセンス事情はちょっと特殊なのです。
Windows Centralの「Office 365を選ぶ5つの理由」
Windows Centralの記事はこちらです。
Windows Central 「Five reasons Office 365 is an incredible value」
http://www.windowscentral.com/five-reasons-why-office-365-incredible-value
アメリカで個人向けに提供されているOffice 365には、1ライセンスで使える人数やデバイスの台数が異なる「Office 365 Home」「Office 365 University」「Office 365 Personal」という3種類があります。
「Office 365 Solo」しかない日本とは違うのですね。
Office 365 Home | Office 365 Personal | Office 365 University | |
---|---|---|---|
使える人 | サブスクライバ―および同一世帯の人 | サブスクライバ―1人 | サブスクライバ―1人 |
デバイスの台数 | PC/Mac:5台、タブレット:5台 | PC/Mac:1台、タブレット:1台 | PC/Mac/タブレット:2台 |
OneDriveの容量 | 1TB(ユーザーは5人まで) | 1TB | 1TB |
Skypeの無料通話 | 60分 | 60分 | 60分 |
価格 | 9.99ドル/月 or 99.99ドル/年 | 6.99ドル/月 or 69.99ドル/年 | 79.99ドル/4年 |
その他 | – | – | 学生のみ利用可 |
記事に書かれているOffice 365を選ぶ5つの理由はざっと次のとおりです。
- OneDriveのストレージが1TB使える
Office 365にはMicrosoftのクラウドストレージOneDriveを1TBまで使う権利が含まれている。
Google Driveは月額約10ドル、iCloud Driveも月額10ドル。Office 365 Personalはそれらと比べてすでに年間50ドルも安い。 -
複数人で使える
Office 365 Homeはサブスクライバ―(=最初にOffice 365 Homeのライセンスを取得したデバイスのOSライセンスに関連づけられたMicrosoftアカウントのオーナーのこと. ムズイです.)と同一世帯の人なら利用できる。
デバイスもPC/Macが5台、タブレットが5台まで使えるので、家族などの同居人でシェアすれば金銭的にものすごくお得。 -
Officeアプリの使用権だけでなくOneDriveストレージとSkypeの無料通話がついてくる
使えるOfficeアプリはWord、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Access、Publisherと大量。そのうえOneDriveとSkypeの60分無料通話までついてくる。
買い切りのOfficeは毎年更新する必要がないが、安いエディションは使えるアプリが限られるし、どのエディションもOneDriveやSkypeのおまけはついてこない。 -
いつも最新版のOfficeアプリを使える
Office 365の契約期間中はいつでも最新版のOfficeアプリにアップデートできる。
買い切り版ではそうはいかない。 -
タブレットとの親和性が高い
Office 365を契約するとタブレット版のWord、Excel、PowerPointをフル機能で使える。
だから、家ではデスクトップPCでOfficeアプリを使い、飛行機の待ち時間や授業の空き時間にはタブレットでOfficeアプリを使うようなことができる。
これらはよくいわれるサブスクリプション版アプリのメリットのおさらいのようなことですが、こうしてあらためてまとめてくれるとわかりやすいです。
上に書いた通り、これらは日本で手に入れられる「Office 365 Solo」とは異なる「Office 365 Home/Personal/University」を前提に書かれたものなので、日本では少し状況が違います。
上の1から5を「Office 365 Solo」に当てはめると次のようになります。
- OneDriveのストレージが使える
OneDriveが1TBまで使えるのは同じ。ただし、Office 365 Soloは月額1,274円、年額12,744円なので、ストレージ機能だけで比べるとGoogle Drive(月額9.99ドル)やiCloud Drive(月額1,300円)とそれほど変わらない。 -
複数人で使える
デバイスにインストールされたOfficeアプリはサブスクライバ―だけが利用できる。
その他の人は同居していても使用不可。 -
Officeアプリの使用権だけでなくOneDriveストレージとSkypeの無料通話がついてくる
1TBのOneDriveとSkypeの無料通話(60分)がついてくる。 -
いつも最新版のOfficeアプリを使える
Office 365 Soloも常に最新版のOfficeアプリにアップデートできる。 -
タブレットとの親和性が高い
Office 365 Soloでもタブレット版のOfficeアプリをフル機能で使える。
クラウドストレージ機能だけにフォーカスしてGoogle DriveやiCloud Driveと価格を比べると特別な優位性はありませんし、Office 365 Homeのような複数人で使えるメリットもありませんが、その他の部分は上の記事にあるのと同じメリットを享受できます。
また、上の記事では触れられていませんが、Office 365 Home/Personal/Universityは「商用、非営利、または収益が発生する活動」での使用を禁じられています。だから、仕事用の書類を作ったり、お金をもらう前提で文章を書いたりするのに使うとライセンス違反になるはずです。
その点、Office 365 Soloはこれらの活動で使うことが許されているので、大手を振って仕事で使うことができるという違いがあります。
日本のライセンス形態が特殊なものになっている事情は以下の記事に詳しく書かれています。
PC Watch 「三浦優子のIT業界通信 なぜ日本のOffice 2013のライセンス形態が特別なのか」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/miura/588806.html
Office 365 Homeを日本で使うことはできないのか?
さて、ここまでの内容をみると、商用利用しないユーザーにとってはOffice 365 Homeがずいぶんお得なように見えます。
日本でOffice 365 Homeを使いたい場合は、Amazonなどに出品されている輸入版を購入すれば良いようです。
5台パック office 365 Home Premium 1年 輸入版 Win&Mac 日本語対応
これはどうやら中国版のパッケージを輸入したもののようですが、レビューなどの様子から日本でも使えるものだとわかります。
日本国内からはアクティベーションできないため、販売業者にMicrosoftアカウントのIDとパスワードを連絡してアクティベーションしてもらうようなことが書かれていますが、それはさすがに怖いので、自力でアクティベーションするのがいいでしょう。
日本からアクティベーションできないのはIPアドレスで弾かれているだけだと思うので、中国本土や香港のVPNサーバーを経由すれば良いはずです。
クマちゃんがかわいいVPNクライアント「TunnelBear」で香港のサーバーを使えます。
TunnelBear
https://www.tunnelbear.com/
アクティベーションするときだけ使えればいいので容量の少ない無料プランで大丈夫です。
個人的にはWordもExcelもPowerPointも仕事でしか使わないのでOffice 365 Soloを買っておくのが堅いと思いますが、プライベートでしか使わない方は参考にされてください。
リンク:Office 365 Solo