ひさびさに自作PCに復帰して思うのは、日本ではパーツの入手性も価格もサポートもアメリカと比べてぜんぜん良くないということです。
もう個人輸入を活用するしかないのでしょうか?
GeForce RTX 30シリーズの想定販売価格が3~7万円も高い
日本時間9月2日にNVIDIAの新GPU「GeForce RTX 30xx」シリーズが発表されました。
ハイエンドのゲーミング性能でライバルのAMDを余裕で押さえていたNVIDIAが、さらにその差を広げる新製品を発表したということで、最初のモデルが発売される9月17日が楽しみでなりません。
今回発表された3モデル(RTX 3090、RTX 3080、RTX 3070)のアメリカでの想定販売価格は順に1,499ドル、699ドル、499ドルとなっています。
1ドル107円で換算すると、それぞれおよそ16万円、7万5,000円、5万3,000円ほどとなりますが、最も安いRTX 3070でも現行の最上位モデル(RTX 2080 Ti)をしのぐ性能を持つということで、買う気満々で国内での発表を待っていたわけです。
しかし、その後発表された日本での価格は次のとおり。
最上位の3090は米国価格の7万円増し。末っ子の3070も2万7,000円増しです。
5万3,000円の2万7,000円増しって、50%以上高くなってるんですけど。
日本で買うパーツは高い
以前から自作界隈では「〇〇〇税」(伏字は某代理店の名前)などと言って、自作PCパーツの海外との価格差が揶揄されてきたわけです。
今回のようなグラフィックスボードだけでなく、電源もケースも水冷パーツも、日本に持ち込まれると同時に信じられないほど価格が上がります。
私がつい最近体験した中では、たとえば小型PCケース「DAN A4-SFX」の最新版は、海外で買えば219ドル(約2万4,000円)のものが国内では4万円くらいします。
で、こういう価格差を正当化するためによく言われることが、RTX 30シリーズを紹介する以下の記事にも書かれています。
リンク:「GeForce RTX 30シリーズ」日本上陸 販売価格は約8万円から(ITmedia PC USER)
いわく「なお、米国での想定販売価格は以下の通り。日本円換算では3~6万円ほど安い計算だが、商流やサポート体制の違いなどを踏まえると単純比較はできない」んだそうです。
いちユーザーとしては「商流やサポート」をどんなふうに「踏まえ」たのかぜひ教えていただきたいものです。
サポートも大してよくない
「商流」のことなんか知ったことではないのですが、「サポート」については確かに気になる方も多いでしょう。
サポートといえば、外国製のパーツに日本語マニュアルが入っていたり、保証期間中のトラブルがあったときに日本語で修理対応してもらえたりといったことが思いつきます。
日本語マニュアルについては、今やメーカーのウェブサイトに日本語版PDFがアップロードされるのが当たり前になっています。
箱の底から紙マニュアルを取り出すのは面倒なのでスマホでPDF版を確認することが多いのですが、ああいうものの製作費も国内価格の上乗せ分から捻出されているということでしょうか?日本のユーザー一人あたり何万円も余分に払うほどお金が掛かるのだとしたら、ちょっと効率悪すぎなような。
また、保証修理はめったに無いことですが、そのために40~50%もの「税」を取られるくらいなら、トータルでは無保証の安い製品を買ったほうが得なような気がします。
それと、つい最近あった某社製電源ユニットの無償交換対応も、本国では正常品を先出ししてダウンタイムを最小にするよう計らわれていたのに対して、日本ではユーザーが先に交換品を送らなければ正常品が送られてこないという対応で、やはり税率に見合ったサポートとは思えません。
そんなこんなを考えれば、「もうぜんぶ米Amazonで買うわ」という人がたくさん現れても不思議はないと思います。
かつてあれほどたくさんあった秋葉原のPCパーツ屋さんも今では数えるほどしかなくなってしまいましたが、現在のような価格政策がその流れに拍車をかけるようなことがなければいいなと、わりと本気で思います。
リンク:GeForce RTX 30 シリーズ グラフィックス カード: 究極、登場。(NVIDIA)