Googleの研究者Kevin MurphyさんがInstagramレベルの解像度の食べ物の写真からそこに写ったもののカロリーを計算してしまうプロジェクトについて発表されているそうです。
これでカロリー計算が楽になる?ホントにそれだけ?
写真に撮るだけでカロリー計算ができてしまう
Popular Scienceの記事によると、ケビンさんの研究は深層学習(Deep Learning)の手法を用いて画像内の食べ物の種類やサイズを認識し、その情報にもとづいてカロリーを計算するというもののようです。
POPULAR SCIENCE「GOOGLE’S A.I. IS TRAINING ITSELF TO COUNT CALORIES IN FOOD PHOTOS」
http://www.popsci.com/google-using-ai-count-calories-food-photos
ありそうでなかった技術ということでしょうか。
記事は、ケビンさんがこの研究の意義は単にダイエットの手助けに留まらず、この研究成果を用いたアプリを介して収集できる大量のデータにもとづいて疫学や公衆衛生の分野の研究にも役立つことだと述べていると伝えています。
たしかに人々が食べているものの種類やカロリーの情報が場所や日時や個人の属性とセットで何千万人分という規模で集まれば、いろんな研究が捗りそうな感じがします。よくわからないですが、専門の人には有用な情報なのでしょう。
すでにGoogleさんには大量の情報をお渡ししている
何をどれだけ食べてるかを知られるのってちょっと抵抗あるな、と一瞬だけ思いましたが、すでにどれだけの情報をGoogleに渡しているかを思い出したら気にならなくなりました。
いまGoogleさんに知られている情報を挙げてみるとざっと次のような感じです。
- メール/アドレス帳(Gmail)
- スケジュール(Google Calendar)
- 写真(Picasa)
- 検索キーワードとそこからどのページにジャンプしたか(Google検索)
- 各種パスワードとブックマークリスト(Chrome)
- 日本語入力でよく使う用語の情報(Google日本語入力)
もうこれだけの情報を知られてしまっているのだから、今更ここに食べ物情報が加わったところでどうってことないと気付きました。人間諦めが肝心です。
「ReceReco」や「レシポ!」でレシート画像をアップすると、自分が思っている以上にいろいろな情報を提供することになるのが何だか気持ち悪いと感じているのですが、こうしてGoogleに渡している情報を見てみると「ReceReco」や「レシポ!」なんかぜんぜん大したことないと気付きます。Google、恐ろしい子。
食べ物とカロリーの情報はポジティブな用途に活用していただきたい
今回の研究の成果によって収集される様々な情報は前出のとおり別の分野の研究にも役立ちそうなもので、特に肥満が深刻な社会問題となっているアメリカにおいて何らかのインパクトを持ちうるものだと思います。
肥満の問題は貧困問題とも密接に関係してるとも言われていて一筋縄ではいかないのでしょうが、新しいテクノロジーが社会問題の解決に役立つというところを見せてくれれば良いなと思います。
逆に高カロリー食の写真ばかりアップしている人にピザのターゲット広告が出るようなことにならなければいいな。