PFU Happy Hacking Keyboard Professional BTの白モデルが届きました。約束どおり発売日に。
Amazonの到着予定日表示はなんだったのかと思うわけですが、ともあれちゃんと届いて良かったです。
HHKB BTの使い心地と、東プレRealforceとの違いについて。
PFU Happy Hacking Keyboard Professional BTの使い心地
Happy Hacking Keyboard Professional BTは、HHKBシリーズで初めてBluetoothによる無線通信に対応したキーボードです。
昨年先行して発売されていた黒(墨)モデルに続いて、今月白モデルが発売されました。
キー配列として日本語配列と英語配列を選べ、英語配列版ではキートップに文字が刻印されていないものも選べます。
リンク:PFU Happy Hacking Keyboard Professional BT(Amazon)
不要なキーを徹底的に排除して限界まで小型化していることと、キースイッチに静電容量無接点方式のものを採用して圧倒的になめらかなキータッチを実現していることが特徴です。
Happy Hacking Keyboard Professional BT(白)の外観
HHKB Professional BTは、従来のHHKBにBluetooth通信モジュールと電池ボックスが収められた円筒形の出っ張りが加わり、さらに、電源ボタン、LEDインジケーター、給電用のmicroUSBポートが追加された外観を持っています。
円筒形の出っ張りは「ああ、ここに電池2本入ってるわ」とはっきりわかるような形で、率直な感想を言えば不格好ですが、キー入力をするときには全く目に入らない位置にあるので使い始めれば気になりません。
LEDインジケーターは電源を入れた直後、ペアリング中、電池が減ったときなど、ごく限られた状態でしか光らないので、光のせいで集中を妨げられることはありません。
私が手に入れた日本語配列のものは、キートップにかな文字の印字がなく、真上から見る限りは非常にすっきりしています。
しかし、キーの側面にはFnキーのコンビネーションがたっぷり印字されていて、キー入力時に手元に視線を落とすとそれらが目に入ります。Fnキーを使わない私としては、これは無くてもよかったんじゃないかと思わずにはいられません。
サイズは必要最小限
HHKB Professional BTのサイズですが、電池ボックス部分の出っ張りを除けば、もうこれ以上切り詰めようがないほどの、ぎりぎり最小限のサイズです。
しっかりしたキーと十分なストロークを確保するために厚みはそれなりにあるので、単体で使うのではなく、パームレストとセットで使うのがいいでしょう。パームレストなしだと、長時間タイプしたときに肩こりがしたり、指の付け根が痛くなったりすると思います。
私は昔買ったFILCOのSサイズを使っていますが、今買うならバード電子のやつにします。
ところで、このサイズの小ささでものすごく助かっていることがあります。
それは、マウスの誤入力がなくなったことです。
HHKBは横方向に小さいので、マウスをキーボードの真横の位置で使えます。
そうすると、マウスが不意にキーボードにぶつかったときも、真横のボタンのない部分がぶつかるだけで、それで何かが入力されてしまうことはありません。
Realforce時代は操作に熱中しているとマウスがキーボードの右手前(カーソルキーなどがある部分の手前)に来てしまうことがあって、その状態でマウスがキーボードに衝突すると、高確率で左クリックが入力されて意図しない動作をしていました。これがなくなったのはとても快適です。
日本語版のちょっとだけ特殊な配列
HHKB Professional BTは最小サイズを追求しているため、日本語版に限り、少し特殊な配列になっています。
まず、右SHIFTキーの周辺がとても混雑しています。
SHIFTが押しにくそうに見えますし、実際にこれまで使っていたキーボード(Realforce 91U)と同じようにタイプすると上矢印キーを押してしまいますが、すぐに慣れました。
それから、Zキーのある列が微妙に左にずれています。これは同じ列に上矢印キーを無理やり詰め込んだせいだと思われます。
ただ、これも私はタイプしただけでは気づかなかった程度の違いで、ものすごく精密にタイピングする人でなければ、特に気にならないんじゃないかと思います。
このように、HHKB Professional BTの日本語版は少しだけ特殊なキー配列になっていますが、目くじら立てるようなレベルではないと思います。
キーの打ち心地と打鍵音
HHKBシリーズ(Lightを除く)はキーセンスを静電容量無接点方式で行うようになっていて、独特のスコスコした打ち心地が非常に快適です。
直前まで使っていた東プレ Realforce 91U(こちらも静電容量無接点方式)と比べると、荷重45gのキー同士でも、HHKB Professional BTの方が軽快に打てるように感じます。
キーに力を加えていったときに、バネの反発力を超えてキーがオンになる境目がはっきりしたクイックな感じ。
Realforceの方はこの境目がなだらかで、良く言えばスムース、悪く言えば少し曖昧な感じがします。
どちらも一般的なキーボードに比べれば驚くほど快適ですが、HHKBタイプとRealforceタイプの打ち心地の違いは好みが別れる部分だと思うので、もし可能なら店頭で打ち比べてみるのをおすすめします。
HHKB Professional BTの打鍵音はわりと大きめです。
どのキーも押した時と放した時ににそれぞれカチッという音がします。Realforceよりも高めのはっきりした音です。静かにタイプするのはかなり難しいので、図書館など特別に静かな場所で使うのはやめたほうがいいかもしれません。
オートパワーオフ機能がとても鬱陶しいので無効に
HHKB Professional BTはバッテリー駆動のキーボードです。
バッテリーの消耗を抑えるために、デフォルトでは30分間入力がなければ自動的に電源が落ちるように設定されています。(オートパワーオフ機能)
この機能、一見便利なようですが、デスクを離れたときだけでなく、マウスだけでブラウザーを操作していても30分経過すると作動するので、とっても鬱陶しいです。
毎日PCの使い始めにキーボードの電源を入れなければならないのも苦痛です。
幸いこの機能は本体底面のディップスイッチでオフにできるので、早速オフにして使っています。
オートパワーオフ機能を無効にすることで、通常3か月(アルカリ乾電池使用時)とされる電池の持ちがどの程度悪化するのかはまだわかりませんが、HHKB Professional BTはエネループでも動くので、実使用上の不都合はほとんどないだろうと思っています。
次期モデルではBluetooth Low Energyに対応して、ずっと電源オンのままで当たり前に使えるようにしていただきたいところです。
まとめ 〜 最高のキー入力を体験するためにお金を出せるなら
Happy Hacking Keyboardシリーズはキーボードとしてはものすごく高価です。
とくにBluetooth接続に対応した「BT」は有線モデルの最高峰「Type-S」と並ぶ約3万円というスーパーエクスペンシブ。
Realforceシリーズでいちばん高い「HiPro」でもこんなにはしません。
東プレ REALFORCE 108UG-HiPro(Amazon)
ではなぜHHKBを選ぶかというと、最高の打鍵感と最小の設置面積の両方を手に入れるには、他に選択肢がないからです。
打鍵感は人それぞれに好みがありますが、それでも出来合いのPCに同梱されるどんなキーボードよりも快適に入力できることは間違いありませんし、地球上のあらゆるBluetoothキーボードの中で最も気持ちよく使えるキーボードのひとつと言えるでしょう。
設置面積は電池ボックス部分を除けばApple Magic Keyboardよりも奥行きが短く、幅も1cm少々大きいだけで、ちゃんとしたストロークのあるキーを持つキーボードでは最小レベルです。
Bluetooth接続対応のメカニカルキーボードでテンキー/機能キーレスのMajestouch Minila Airよりも小さく、しかも100g以上も軽いです。
3万円近くもするキーボードなんて物好きなマニアが酔狂で買うものだと思われそうですが、Happy Hacking Keyboard Professional BTに限っては、ちゃんと機能と性能の裏付けがあってこの値段になっていると実感できます。
キーボードで大量の文章やプログラムを入力するお仕事・ご趣味の方は、HHKB Professional BTを検討されるといいと思います。
リンク:PFU Happy Hacking Keyboard Professional BT(Amazon)