スマートフォンなどでおなじみの中国HuaweiからWindows 10に対応した12インチタブレット「HUAWEI MateBook」が発売されます。
MateBookはオプションのキーボードと組み合わせてラップトップとしても使える2-in-1タイプの製品ですが、この種の製品のリーダーであるMicrosoft Surface Pro 4にも見劣りしないものになっているようです。
Surface Pro 4との比較と、MateBookを選ぶ場合の注意点について。
HUAWEI MateBookの仕様
HUAWEI MateBookの仕様は次のようになっています。
比較のためMicrosoft Surface Pro 4のCore mプロセッサーモデルと並べて紹介します。
HUAWEI MateBook | Microsoft Surface Pro 4 (Core mモデル) |
|
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OS | Windows 10 Pro 64bit or Windows 10 Home 64bit |
Windows 10 Pro 64bit |
CPU | 第6世代 Intel Core m3-6Y30 or Core m5-6Y54 |
第6世代 Intel Core m3-6Y30 |
GPU | Intel HD Graphics 515 | Intel HD Graphics 515 |
RAM | 4GB or 8GB | 4GB |
ストレージ | 128GB SSD or 256GB SSD | 128GB SSD |
ディスプレイ | 12インチ 2160 x 1440ピクセル | 12.3インチ 2736 x 1824ピクセル |
カメラ | フロント:5Mピクセル | フロント:5Mピクセル(Windows Hello対応) リア:8Mピクセル |
インターフェース | USB3.0 Type-C x 1、ヘッドフォンジャック x 1 | USB3.0 Type-A x 1、Mini DisplayPort x 1、ヘッドセットジャック x 1、SurfaceConnect |
カードスロット | (なし) | microSDカード |
ネットワーク | IEEE802.11 a/b/g/n/ac(2.4GHz & 5GHz)、Bluetooth 4.1 with BLE | IEEE802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0 |
サイズ・重量 | 278.8 x 194.1 x 6.9mm、640g | 292.1 x 201.4 x 8.4mm、766g |
その他 | 指紋センサーあり、キーボード・ドック・ペンはいずれも別売 | ペン同梱、キーボードとドックは別売 |
MateBookをSurface Pro 4のCore mモデルと比べると以下の点で有利です。
- CPUにCore m5を選べる
- RAM容量 8GB、ストレージ容量 256GBを選べる
- 指紋センサーで本体のロック解除が可能(Surfaceは顔認証で可能)
- 本体が薄くて軽い(6.9mm 640g vs 8.4mm 766g)
逆に不利な点は次のとおりです。
- 外部ディスプレイ端子がない(別売のドックや市販のアダプターが必要)
- メモリーカードスロットがない
- ペンが別売り
Core mモデル限定で比較した結果ですが、CPU、RAM、ストレージでより上位のスペックを選べることと、本体が薄くて軽い点でアドバンテージがあり、本体単体での外部インターフェースの面でディスアドバンテージがあるという感じです。
ディスアドバンテージの部分は、用途によってはまったく問題にならないので、価格次第ではMateBookを選ぶと幸せになれる人も多そうです。
価格はCore m3を搭載した最廉価モデルが6万9,800円、Core m5/8GB/256GBの上位モデルでも10万9,800円(いずれも個人向けモデル)で、OSがHomeエディションでOfficeとペンが別売りなのを考慮しても、Surface Pro 4よりもかなりお得な価格設定になっています。
MateBookを選ぶ上で注意すべきこと
仕様表以外の部分からMateBookを選ぶ注意点をチェックしてみます。
単体で自立しない
まず、MateBook本体は単体ではただの板なので立てておくことができません。
自立させるためには別売のキーボードやスタンドになるカバー・ケース等と組み合わせる必要があり、サイズや重さの利点が損なわれます。
また、キーボードやカバー・ケース類を使った場合でも、Surfaceのように角度を自由に設定することは難しいと思われます。
Huaweiのサイトにはキーボードを取り付けて膝の上で使う場面の写真が掲載されていますが、やや危なっかしいようにも見えます。
Officeは別売り
MateBookにはOfficeが付属しません。
ラップトップとして使うなら多くの場合Officeをセットで使うことになると思いますが、MateBookでは別途調達する必要があります。
Surface Pro 4の場合は「Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス」というものがついてきます。
MateBookを選ぶ場合は、別途Office 365 Soloなどを入手することになるでしょう。
純正キーボードの詳細仕様が不明
純正キーボードに関して詳しい情報がわからない点に注意する必要があります。
Huaweiのサイトを見ても、すでに予約受付が始まっている家電量販店のサイトを見ても、また、MateBook発売を告げる各メディアの情報を見ても、キーボードが日本語配列なのか英語配列なのかがわかる情報が掲載されていません。
Huaweiのサイト上の画像は英語配列ですが、これは各国で同じ画像が使われているので参考になりません。
(追記)
PC WatchにあるMateBookのPR記事によると、ちゃんと日本語配列のキーボードが用意されているようです。ひと安心。
PC Watch 「スマホの世界からやってきた2in1 PCは、PCの常識を覆す!? 「HUAWEI MateBook」は、スマホメーカーが作った超ハイクオリティ2in1 PC!」
http://pc.watch.impress.co.jp/topics/huawei1607/
記事ではMateBookが絶賛されていますが、PR記事なので少し割り引いて受け止めたいところです。
レーザーポインター付きペンは機内持ち込みできないかも
最後に、純正オプションのペンに内蔵されたレーザーポインターについて。
MateBookの純正オプションのペンにはレーザーポインターが内蔵されていますが、航空会社のサイトの中にはレーザーポインターを機内持ち込み手荷物とすることを禁止する旨記載されているものがあり、手荷物検査で発見されて没収されるリスクがないとは言えません。ペンの価格は7,800円。没収されないように注意しましょう。
まとめ ~ やっと国内発売されたSurfaceフォロワー
タブレットとPCの両方の機能を持つ2-in-1と呼ばれるデバイスでは、MicrosoftのSurfaceシリーズが圧倒的なシェアを持っていますが、これまで他社からのSurfaceフォロワーの話題がないわけではありませんでした。
1月のCES 2016で発表されたSamsungのGalaxy TabPro Sなどは、仕様、デザインともに素晴らしく、早く日本でも発売されないかと期待されていますが、一向にアナウンスされる気配がありません。
そんな中ついに発表されたのが今回のHUAWEI MateBookです。
Surfaceに十分対抗できる機能と性能を持ちながら、Surface Pro 4よりも安い価格を実現しているので、フル機能のWindowsが必要だけどタブレットとしても使いたいユーザーにとって、魅力的な選択肢になっていると思います。
8月にリリースされるWindows 10 Anniversary Updateでは、「Windows Ink」によってペン入力の機能が大幅に強化されます。MateBookやSurfaceのようなペン入力対応デバイスは今後ますます便利になっていくことが期待されます。
HuaweiにWindows PCの分野での実績がない点が不安材料ですが、そのあたりは今後出てくるレビューなどで解消されていけばよいと思います。
HUAWEI MateBookの発売は7月15日。すでに予約受付が始まっています。
リンク:HUAWEI MateBook(ビックカメラ)
リンク:HUAWEI Direct