iPad Pro 10.5インチモデルを買ったのが昨年の6月下旬。それから1年あまり、iPad Proとともに歩んできましたが、その機能や処理能力には、現在でもほとんど不満がありません。
1年分の感想をまとめます。
iPad Pro 10.5インチモデル 1年後の感想
まず、私のiPad Proの概要は次のとおりです。
- 10.5インチのWi-Fiモデル
- ストレージ容量は256GB
- 純正のSmart Keyboard(キーボードカバー)とApple Pencilを利用
- Smart Keyboardは日本語(JIS)配列のもの
- 価格はキーボード等も込みで11万5,400円(税別)
購入したのは2017年6月24日なので、すでに1年プラス2週間ほど経過していますが、今でもほぼ毎日使っています。とくに、自宅やオフィス以外で作業するときのメインの装備はこのiPad Proです。
では、iPad Pro 10.5インチモデルの良いところとそうでもないところをまとめてみます。
iPad Pro 10.5インチモデルの良いところ
まず良いところから。
小さくて・薄くて・軽い
ラップトップPCを持ち歩く場合と比較して、小さく、薄く、軽いです。
サイズは感覚的にはB5ノートくらい。厚みはキーボード込みだとノートより少し分厚い程度です。
重さはキーボードをつけると700グラムを超えるので、紙のノートよりもずっと重いですが、ラップトップPCよりはずっと軽いです。
私のiPad Proにはdbrandのスキンを貼ってあるので、とくにケースなどには入れず、そのままバッグに放り込んでいます。そのため、ケースのせいでかさばったり重くなったりもしません。
この軽快さがiPad Proの第一の魅力です。
処理能力が高い
次に、iPad Proの処理能力は素晴らしいです。
オフィスワークで利用するようなアプリで「遅い」とか「重い」と感じることは皆無だし、アプリのアップデートなどもサクサクと気持ちよく進みます。
アプリの起動や、他のアプリへの切り替え、大きなPDFファイルを開くときなども、まったくストレスレスで、ほんとに快適です。
ボタンひとつですぐ使える手軽さ
2017年モデルのiPad Proでは、ホームボタンに指紋センサーが内蔵されていて、ロックの解除は指紋認証で行います。Touch IDです。
Smart Keyboardを開いてiPad Proを立て、右手の指でホームボタンを押し込むと、次の瞬間にはロックが解除されて画面が表示されます。
先に書いたとおり、アプリの起動も速いので、思い立ったらすぐに作業を始められます。
ちょっとの空き時間でも作業を進められるので、時間を無駄なく使えます。
あらゆる用途に対応している
私の場合、iPad Proは主に仕事とこのブログの更新用に使っていて、オフィスワーク的な使い方が中心になります。
よく使うアプリはメール(iOS純正)、Word、Excel、OneNote、PS Express(フォトレタッチ)、Skitch(画像のアノテーション)、Safari(情報収集とブログへの情報アップロード)あたり。
作業中のBGM用にApple MusicやSpotifyを使ったり、移動中の気晴らしにAmazonプライムビデオやNetflixやdマガジンやKindleアプリを使ったりもします。
また、その気になればiMovieで動画のカット編集くらいならできますし、編集作業も書き出しスピードも申し分ないです。
もちろん、PCでマウスを使った方が効率良くできる作業もありますが、なるべく荷物を大きく・重くせずに一台だけ持ち出すという場合は、iPad Proを選んでおけばまず間違いないと思っています。
バッテリーが長持ち
上に書いたようなオフィスワーク用途では、満充電からだいたい8時間くらいは平気で使えます。
これはiPad Proの2倍以上厚くて重いSurface Book 2とほぼ同程度のバッテリーライフで、本当に驚異的なロングライフです。
さらに、これはiOSをシャットダウンしないまま持ち歩いたときの値で、カバーを開ければ即座に作業状態に復帰できるというオマケつきです。
そして、適当なモバイルバッテリーがあれば、より長い時間使い続けることもできます。5V/1A出力のバッテリーでは、おなじみの「充電していません」メッセージが表示されることもありますが、それでも稼働時間は確実に伸びます。
Apple Pencilを使った手書きノートが便利
文字情報はキーボードで入力するのが圧倒的に速くて、再利用にも便利ですが、ちょっとした図を描き残したい場合には、Apple Pencilによる手書きメモが助かります。席に座れないなど、キーボードを広げられないときにも、手書きならちゃんと情報を残せます。
MicrosoftのメモアプリOneNoteでは、テキストと手書きを同じページ上に自然に混在させられるので、キーボードで文字を入力しつつ、必要に応じてペンで書き込みをするような使い方をするのに便利です。
Smart Keyboardが打ちやすい
純正のキーボードカバーであるSmart Keyboardは、ちょっと変わった打鍵感ですが、実際に使ってみるととても打ちやすい良いキーボードです。
iPad Proの2017年モデルのタイミングで日本語(JIS)版が登場して、日本語配列に慣れている方も選びやすくなりました。
長く使っていると、よく使うキーの表面のファブリックに使用感が出てきますが、それも味として楽しむことにしましょう。
AirDropによるiPhoneとの連携が便利
Appleのデバイス同士は、AirDropという機能でファイルを直接やりとりすることができます。
たとえば、iPhoneで撮った写真や動画をiPad Proに転送して資料に貼り付けたいような場合には、iPhone側で写真や動画を選択してさらに2タップするだけで、iPad Proにファイルを転送することができます。
手間がかからず、転送速度も高速で、ノーストレスでファイルのやりとりができるのは、ものすごく便利です。
iPad Pro 10.5インチモデルの良くないところ
つづいて、iPad Pro 10.5インチモデルの良くないところも見てみましょう。
値段が高い
iPad ProとSmart KeyboardとApple Pencilのセットで、メーカー希望小売価格は11万5,400円+税です。(iPad Proはストレージ256GBのWi-Fiモデル)
今はもう少し安く買えると思いますが、それでも10万円は超えるでしょう。やっぱりちょっと高いと言わざるを得ません。
このくらいの価格になると、それなりのラップトップが買えてしまうので、ラップトップに流れてしまう消費者もたくさんいることでしょう。
せめてSmart KeyboardとApple Pencilがもう少し安ければと思わずにいられません。
Smart Keyboardにカラーバリエーションがほしい
Smart Keyboardがグレー一色というのが残念です。
本体は4色展開ですが、ローズゴールドの本体にグレーのカバーはちょっとミスマッチじゃないでしょうか。
MicrosoftのSurfaceのように、キーボードカバーにもカラーバリエーションがほしいところです。
Apple Pencilに消しゴム機能がほしい
Apple Pencilで手書きするとき、書き損じを消したい場合には、画面上のメニューで消しゴム機能を選んで、ペン先で消したいものをなぞるという操作をします。
Surfaceペンの場合、消しゴムメニューだけでなく、ペンのお尻で画面をなぞると消しゴムとして機能するのですが、それが意外に便利なので、Apple Pencilにも是非とも取り入れてほしいです。
メニューまで目線とペン先を持って行くのは面倒です。
Apple Pencilのペン先がすべる
Apple Pencilで手書き入力するとき、iPad ProのディスプレイのガラスとPencilのペン先がどちらも硬いので、ペンがすべります。
もう少し紙とペンの書き味に近い方が使いやすいと感じます。
Surfaceの場合、ペン先の硬さを変えられる純正のペン先キットが販売されていて、好みの書き味に近づけることができます。Apple Pencilでもぜひ何らかの対策をしていただきたいところです。
iPad Pro 10.5インチモデルに関する反省点
iPad Proやそのアクセサリーに対する不満ばかりではなく、私自身の反省もあります。
それは、LTEモデルを買えば良かったということです。
出先で作業する場合、現地のWi-Fiに接続したり、スマホのテザリングを利用したりします。
Wi-Fiはびっくりするほど遅い場合があるし、テザリングは不意に接続が切れることがあるし、どっちも接続するまでが手間です。
LTEモデルだったらこんな不便や面倒がなかったんじゃないかと思っています。
Wi-FiモデルとLTEモデルの価格差は税別1万5,000円。さらに、iPad Pro用の回線維持費用がかかるので、費用面の負担は無視できませんが、毎日の便利さを考えればペイするんじゃないかと。
もしLTEモデルで運用するなら、UQモバイルのデータSIM(3GB、月額980円)あたりが良さそうな気がします。
リンク:データ高速プラン(UQモバイル)
結論 ~ 今から買っても損はない
以上、iPad Pro 10.5インチモデルを1年間使ってきた感想でした。
私が同じデバイスを1年以上使うことはめったになくて、何ヶ月か使うと他に目移りしてしまうことが多いのですが、iPad Proの2017年モデルは今でもしっかり・がっつり使い続けています。
それは、上に良いところとして挙げたポイントが1年経ってもまったく色あせず、他の追随を許していないせいに違いないわけで、いちユーザーとしてはありがたいことですが、第三者的には「Appleはちょっといいもの作りすぎて損してるんじゃないか」と思ったりもします。
いまiPad Proを買おうか迷っている人がいれば、買うことをおすすめします。
現行のiPad Proには性能面で不満なところが全くありません。
先日のWWDC 2018では、次期iOS(iOS 12)の高速化が約束されたので、今年の秋以降も現状と遜色ないどころか、今以上に快適に使い続けることができるでしょう。
次のiPad Proの仕様として噂されている、フレームレス化やFace ID対応は、本質的には大きな意味を持たないと思います。(というか、Face ID化されてホームボタンがなくなるのは、かえってマイナスだとすら思います)
だから、現行のiPad Proが気に入ったなら、秋まで待たずに買ってしまってはいかがでしょうか。あと3年くらいは現役で使えると思いますよ。