【一点突破】キングジムのポータブックは縦横の小ささに魅力が結晶している「使う人を選ぶPC」

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Portabook Microsoft/Windows

キングジムが来年2月に発売する折りたたみキーボード付きPC「ポータブック」が話題になっています。

収納サイズが極小でありながらフルサイズのPCとして使えるポータブックは買いなのか。Surface 3と比較しつつ考えます。


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ポータブックの仕様

ポータブックの仕様の主要な部分を抜き出すと次のようになります。

ポータブック XMC10 Surface 3
OS Windows 10 Home Windows 10 Home(一部Windows 8.1)
CPU Atom x7-Z8700 Atom x7-Z8700
メモリー 2GB 2GB~4GB
ストレージ eMMC 32GB eMMC 64~128GB
ディスプレイ 8インチ 1280×768 10.8インチ 1920×1280
インターフェース USB2.0、HDMI、VGA、SDカード、ヘッドフォン・ヘッドセット USB3.0、mini DisplayPort、microSDカード、ヘッドフォン
入力装置 フルサイズキーボード、光学式フィンガーマウス タッチパネル、キーボード(別売)、ペン(別売)
バッテリー駆動時間 5時間 10時間
ソフトウェア Office Mobile プラス Office 365 サービス Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス
寸法・重量 204 x 153 x 34 mm、830 g 267 x 187 x 8.7 mm、622~641g(別途キーボード265g、ペン18g)

Surface 3と比べると、メモリーとストレージとディスプレイのスペックを落とす代わりにサイズを手帳サイズまで小さくしたように見えます。バッテリー駆動時間が半分です。タブレットとして使うことはできません。

なるべく小さなボディでテキストを快適に入力することを主眼に置いた製品ということになるでしょう。


ポータブックの外観

公式の紹介ムービーでポータブックの外観を見てみます。

やはりサイズが小さいことを第一にアピールされています。
キーボードは中央で分割され、左右のパーツがそれぞれ回転してディスプレイと同じサイズに収まって収納できるギミックを備えています。
動画で見る限り、キーボードは剛性のあるしっかりした作りのようです。
キーピッチは18mmでSurface 3のものと同等です。デスクトップPCなどのキーボードと比べると若干左右が狭いですが、慣れれば問題なく対応できる程度の狭さです。

狭いスペースでの作業性についてもアピールされています。
横幅はキーボードを展開してしまうとSurface 3とそう変わらないサイズになってしまいますが、ディスプレイが小さい分、奥行きには余裕がありそうです。

キーボードを収納してディスプレイを閉じればA5サイズのビジネス手帳と同じ大きさになり、女性用のバッグにも入ります。
ただ、厚みがある分バッグの中での納まりがあまり良くなさそうな感じもします。

「ビジネスに最適なスペック」として、Atom Z8700プロセッサー、メモリー2GB、ストレージ32GBが紹介されています。
スペック的にはテキストを中心とするドキュメントの作成・閲覧が主な用途になることが予想され、それ以上の用途になると厳しくなると思われます。物は言いようです。

ポータブックに同梱されるOfficeはMobile版です。
これはフル機能版のOfficeとは異なる、WindowsストアからダウンロードするタイプのOfficeで、たとえばExcel Mobileの説明を読むと、「Windows デスクトップ コンピューターと同じ機能の一部が搭載されていますが、外出先での生産性を高めるために不要なものが取り除かれています。」とされています。
ちょっと心配ですね。

Office.com 「Excel Mobile と他のバージョンを比較する」
https://support.office.com/ja-jp/article/Excel-Mobile-%e3%81%a8%e4%bb%96%e3%81%ae%e3%83%90%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%82%92%e6%af%94%e8%bc%83%e3%81%99%e3%82%8b-b19c7697-d954-4d93-95ed-09b5868339c6?ui=ja-JP&rs=ja-JP&ad=JP

PowerPointについても同じようなことが書かれています。

Office.com 「PowerPoint Mobile と他のプラットフォームの PowerPoint を比較する」
https://support.office.com/ja-jp/article/PowerPoint-Mobile-%e3%81%a8%e4%bb%96%e3%81%ae%e3%83%90%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%82%92%e6%af%94%e8%bc%83%e3%81%99%e3%82%8b-c11ddea6-e2a7-4bcc-a702-44c1ed073794?ui=ja-JP&rs=ja-JP&ad=JP

SDカードがフルサイズなのは便利ですが、USBが2.0なのはいただけません。

VGAポートは出先のプロジェクターでプレゼンするときに役に立ちそうです。古い機種でも新しい機種でも、VGAならまず間違いなくつながります。

ACアダプターはプラグ部分が出っ張ったままになるタイプで、「持ち運びに便利」ではありません。Surface 3のACアダプターの方が良いです。

Surface 3のACアダプター
ac adaptor

本体はmicroUSBタイプの充電端子なので、出力の大きなモバイルバッテリーから充電ができます。この点はSurface 3と同じでとても便利です。


縦横のサイズが小さいことに魅力を感じられれば買いか?

ポータブックは畳んだサイズが小さいというポイントだけで一点突破しようという製品です。

折りたたみギミック付きのキーボードも動画を見る限りはしっかりと剛性がありそうですし、Atom Z8700プロセッサーは文書作成程度の処理なら余裕でこなすことができますので、出先でのメールの処理や、報告書の下書き、簡単なプレゼンをする程度なら十分使えるでしょう。

しかしその他の用途は非常に限定されそうです。
画面が小さく解像度も低いので、根を詰めて調べものをしたり、気合の入った資料を仕上げたりということには不向きです。
OfficeがMobile版なのも気にかかります。ポータブックは外出用と割り切って、ちゃんとした資料は会社のデスクでフルサイズのPCを使って作ればいいということかもしれませんが、それができる時間の余裕があれば世話はないという気もします。

縦横のサイズは小さいものの、とても分厚く、重さもそれほど軽いとは言えません。

実売予想価格は9万円前後ということで特に安いわけでもありません。

縦横サイズの小ささのみに価値を認めて、その他の弱点にはある程度目をつむることができるなら、買っても良いでしょう。

値段がこのままならSurface 3かLet’s noteか12インチMacBookを選ぶのが良いような気がしますがどうでしょうか。


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