確定申告の時期になりました。
M1 Macでは一部のカードリーダーが機能しないという話を聞いて、早速手持ちのカードリーダーをチェックしてみました。
M1 Macでは動作しないICカードリーダーがあるらしい
国税庁の確定申告サイトで「おしらせ」として次の内容が掲示されています。
リンク:Apple社のM1チップ搭載端末をご使用の方へ(国税庁)
M1チップを搭載するMacで「ICカードリーダライタの種類によってはマイナンバーカード等の電子証明書による電子署名等が正常に動作しない」と書かれています。
これは一大事。さっそく手元のM1 MacBook AirとICカードリーダーでチェックしてみましょう。
NTTコミュニケーションズの「SCR3310-NTTcom」では少なくとも証明書の読み出しはできる
今回試してみるICカードリーダーはNTTコミュニケーションズからリリースされていたSCR3310-NTTcomというモデルです。
もっと安い互換品も売られています。
このカードリーダーはかつてアースソフトから出ていたPCIスロット用テレビチューナー「PT1」や「PT2」でB-CASカードを利用するために買ったものですから、かなり昔からあるものです。
古くから使われていて、今でも新品が売られているほどなので、おそらく日本でもっとも広く使われているICカードリーダーのひとつではないかと思います。
私は昨年までの数年間の確定申告で、Windows 10とmacOSの両方でこのカードリーダーを利用できるのを確認しています。
macOS用ドライバーが最後に更新されたのは4年前
SCR3310-NTTcomの良いところは、しっかりした会社から売られていたので、いまでも公式サイトからドライバーをダウンロードできることです。
リンク:SCR3310-NTTcomの主な仕様/ダウンロード(NTT Communications)
しかし、macOS用のドライバーが最後に更新されたのは約4年前。さらに「今後、ドライバソフトのバージョンアップ予定はありません」とされていて、不安がないわけではありません。
今回は上記サイトからダウンロードした「Ver.5.0.36」のドライバーを使うことにします。
「JPKI利用者ソフト」で動作確認と署名用電子証明書の読み出しは可能
実際に試したのは次のようなことです。
- 公的個人認証サービスのポータルサイトからMac用の利用者クライアントソフトをダウンロードしてインストールする
ダウンロードはこちら↓
リンク:利用者クライアントソフトのダウンロード→Macをご利用の方(公的個人認証サービス ポータルサイト) -
SCR3310-NTTcomのドライバーをダウンロードしてインストールする
ダウンロード元は前節のリンク先です。 -
利用者クライアントソフトで「動作確認」と「自分の証明書」の内容を確認する
結果は動作確認、証明書の確認ともに正常に行えました。
確定申告は早めにするのがいいです
というわけで、とりあえずM1 MacBook AirとSCR3310-NTTcomの組み合わせで、基本的な動作に問題なさそうなことは確認できました。
しかし、冒頭で引用した国税庁の案内は「電子署名等が正常に動作しない」と言っているので、確定申告書類に署名を付与する処理が失敗する可能性も残されています。
普通に考えれば、署名の読み出しまでできれば、それをファイルに付与する処理にカードリーダーのせいで失敗するとは思えないのですが、実際のところはやってみなければわかりません。
うまくいかない場合のオプションとしては、このカードリーダーの互換品用のドライバーが昨年12月に更新されているので、そちらを試すことです。
リンク:SCR3310v2.0 USB Smart Card Reader(IDENTIV)
Mac版のバージョン番号は「5.0.39」でNTTコミュニケーションズのものより少しだけ新しくなっているようです。
リリース時期から考えると、このバージョンではApple Siliconへの対応がされている可能性もあります。
ともあれ、確定申告の電子申告は1月1日から行うことができるので、必要な書類等が揃ったら、早めに試すのがいいでしょう。
こんなご時世ですので、ギリギリになってすし詰めの税務署に駆け込むような事態は避けたいものですね。
以上、M1 MacでICカードリーダー「SCR3310-NTTcom」の動作確認をしてみた話でした。