Appleの新しいPC向けプロセッサー「Apple Sillicon」を搭載したMacがついに発表されました。
仕様を見比べた結果、MacBook Proが良さそうな気がしてならない話。
Apple Silicon搭載MacBookシリーズの概要
Apple SiliconはAppleがiPhoneやiPadで採用しているARMアーキテクチャーのプロセッサーをPC向けに強化したものです。
従来のIntelの命令セットには対応しなくなりますが、リアルタイムトランスコーディングなどの技術によって既存のアプリのほとんどを問題なく利用でき、さらにApple Siliconネイティブのアプリではより高いパフォーマンスを実現できるとされています。
上の動画では既存アプリとApple Silicon向けアプリの両方が非常に軽快に動作する様子が紹介されています。
昨夜発表されたApple Silicon搭載Macは、MacBook Air、MacBook Pro(13インチ)、Mac miniの3モデルですが、どのモデルにも同じ「M1」というチップが搭載されています。
ここでは、MacBook AirとMacBook Pro(13インチ)に絞って、両者の主な仕様を比較してみます。
MacBook Air | MacBook Pro(13インチ) | |
---|---|---|
OS | macOS Big Sur | macOS Big Sur |
CPU | Apple M1(8コア) | Apple M1(8コア) |
GPU | Apple M1(7~8コア) | Apple M1(8コア) |
RAM | 8GB/16GB | 8GB/16GB |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB | 256GB/512GB/1TB/2TB |
ディスプレイ | 13.3インチ 2560×1600ピクセル 輝度400nit |
13.3インチ 2560×1600ピクセル 輝度500nit |
カメラ | イン:720p | イン:720p |
ワイヤレス | 802.11ax(Wi-Fi 6)、Bluetooth 5.0 | 802.11ax(Wi-Fi 6)、Bluetooth 5.0 |
インターフェース | Thunderbolt(USB 4) x 2 3.5mmヘッドフォン |
Thunderbolt(USB 4) x 2 3.5mmヘッドフォン |
バッテリー | 49.9Wh 15時間(ワイヤレスインターネット) 18時間(ムービー再生) |
58.2Wh 17時間(ワイヤレスインターネット) 20時間(ムービー再生) |
サイズ・重さ | 304.1 x 212.4 x 16.1mm、1.29kg | 304.1 x 212.4 x 15.6mm、1.4kg |
その他 | ファンレス | Touch Barあり より上質なマイクとスピーカー |
プロセッサーはどちらもApple M1ですが、MacBook Airの方はGPUのコア数が7つのモデルが用意されています。MacBook Proはすべて8コアです。
RAMとストレージの構成は両者共通。
ディスプレイはサイズ、解像度は共通ですが、MacBook Proの方が最大輝度が100nit明るくなっています。
カメラ、ワイヤレスインターフェース、有線インターフェースは共通です。
バッテリーはMacBook Proの方が大容量で、その分稼働時間も長くなっていますが、容量の比率(1.17倍)よりも稼働時間の比率(1.11~1.13倍)の方が小さいので、同じタスクでもMacBook Proの方がより電気を食うと見ることができます。
ディスプレイや後述のマイク・スピーカーの差のせいか、それとも、CPU/GPUのパフォーマンスに差がつけられているせいかはわかりません。
フットプリントは両者同じですが、最も厚い部分はMacBook Airの方が厚く、重さはMacBook Proの方が重いです。
MacBook ProにはTouch Barがあるほか、スピーカー(ハイダイナミックレンジステレオスピーカー)とマイク(スタジオ音質の3マイクアレイ)で差が付けてあります。
一方、MacBook Airは内部に冷却ファンを持たないファンレス構成となっています。
CPU・GPUのコア数とRAM・ストレージの容量が同じなら、Airが2万5,000円安い
価格の話です。
MacBook Airは10万4,800円からスタート。対するMacBook Proは13万4,800円からです。
MacBook Airの安い方のモデルはGPUのコア数が7つで、MacBook Pro(全構成共通)の8つより1個少なくなっています。
MacBook AirでGPUのコア数を8個にした場合の最安構成は12万9,800円に上がりますが、これはストレージの容量が256GBから512GBに増えた分も含んでいます。ややこしい。
CPU・GPUのコア数とRAM・ストレージの容量が同じにできるのは、次の構成以上の場合です。
- CPU 8コア、GPU 8コア
- RAM 8GB
- ストレージ 512GB
RAMとストレージの容量によって可能な組み合わせがいくつかあるので価格とともに列挙してみます。
構成 | MacBook Airの価格 | MacBook Proの価格 |
---|---|---|
RAM 8GB / ストレージ 512GB | 12万9,800円 | 15万4,800円 |
RAM 8GB / ストレージ 1TB | 14万9,800円 | 17万4,800円 |
RAM 8GB / ストレージ 2TB | 18万9,800円 | 21万4,800円 |
RAM 16GB / ストレージ 512GB | 14万9,800円 | 17万4,800円 |
RAM 16GB / ストレージ 1TB | 16万9,800円 | 19万4,800円 |
RAM 16GB / ストレージ 2TB | 20万9,800円 | 23万4,800円 |
このように、MacBook AirとMacBook Proでコア数、RAM容量、ストレージ容量を揃えると、すべてのパターンでMacBook Proの方が2万5,000円高くなります。
この価格差に含まれているのは次の内容です。
- より長いバッテリーライフ
- より明るいディスプレイ
- より上質なスピーカーとマイク
- Touch Bar(代わりに物理ファンクションキーがなくなる)
ここまでは仕様表からはっきりわかっています。
さらに、Appleはモデル間のCPU、GPUのクロックの差異の有無について言及していないようなので、MacBook Proの方がパフォーマンス的に優れている可能性があります。
MacBook Airがファンレス、MacBook Proがファンありなことと、同梱のACアダプターの容量差(Airは30W、Proは61W)も、その可能性を補強しています。
というわけで、未確定ながら次の項目も追加していいと思います。
- より高いCPU/GPUの実効パフォーマンス(未確定)
これらの代金が2万5,000円です。
より高いパフォーマンスを必要とする写真や動画の編集に使う可能性があるとか、なるべく長い期間現役で使いたいという場合は、MacBook Proの方を選ぶのが良さそうな気がします。
Macの場合、お求めは多少なりともポイントが付く家電量販店がおすすめです。
リンク:MacBook Air(ビックカメラ)
リンク:MacBook Pro(ビックカメラ)