5月27日、待望の国産音楽配信サービス「AWA」がサービス・インしました。
iPhoneとAndroidのスマートフォンアプリ経由でおよそ500万曲(2015年末予定)を最高320Kbpsの高音質配信するという「AWA」の使い心地についてまとめます。
待望の国産音楽配信サービス「AWA」
「AWA」はエイベックス・デジタルとサイバーエージェントの共同出資会社AWAが提供する定額制音楽配信サービスです。
料金は月額360円の「Lite」プランと月額1080円の「Premium」プランがあり、利用開始から90日間は「Premium」の機能を無料で利用できる無料利用期間が設けられています。
「Lite」プランはオンデマンド再生(狙ったアーティスト・曲を検索して再生する機能)ができないなどの制限があるようです。
iPhone用とAndroid用のアプリが配信されており、今すぐ利用することができます。
iPhoneアプリで試してみました
早速手元のiPhoneで試してみました。
App Storeでは「AWA Music」として登録されています。
サービス利用料はApp内課金として支払うことになるようです。
App Storeからダウンロードして起動するとスタート画面が表示されます。
このスタート画面は初回起動時にのみ表示される模様で、4種類の動画がループ再生されます。オシャレ的なものからリア充的なものまで、若い世代の憧れるライフスタイルに寄り添おうとするイメージです。
この画面で「START」をタップすると操作画面に移ります。
操作画面は「TRENDING」「DISCOVERY」「GENRE」「MOOD」「RADIO」の各スクリーンと画面右上のメニューからなります。
まずそれぞれのスクリーンを見てみましょう。
TRENDING
TRENDINGではジャンルごとにAWA上の人気曲をプレイリスト形式で再生することができます。
人気曲のプレイリストは次の7種類。
- Today’s TOP HITS
- TOP20 Pop
- TOP20 Dance Electronic
- TOP20 Animation Vocaloid
- TOP20 Rock / Punk
- TOP20 Hip Hop
- TOP20 R&B / Soul
アニメ/ボカロがあるのが国産サービスならではというところでしょうか。
確認した時点ではDance / Electronic以外のすべてのリストに邦楽のトラックが含まれていました。こういうところも国産サービス的で大変良いことだと思います。
TRENDINGではプレイリストのTOP100も公開されていて、確認時点でのトップは「【問答無用で熱狂】全員アガる、ド定番clubナンバーvol.2」というやつでした。あ、はい。
DISCOVERY
DISCOVERYではユーザーごとの好みに応じてオススメのプレイリストを提案してくれます。
したがって、利用開始当初、ユーザーの好みがわかっていない状態では何も表示されません。しばらく使っていると表示されるようになるはずです。
GENRE
GENREではジャンルごとのプレイリストを30個ずつ提案されます。
ジャンルは次の通り。
- POP
- DANCE / ELECTRONIC
- ANIMATION / VOCALOID
- ROCK / PUNK
- ALTERNATIVE
- HIP HOP
- R&B / SOUL
- REGGAE / DUB
- JAZZ / BLUES
- FOLK / COUNTRY
- CLASSICAL
- SOUNDTRACK
たとえばPOPなら、「これからの季節に合いそうな曲」「Relax Summer」「ケツメvsRIP~日本の夏を始めるbest~」のように、季節感を取り入れたプレイリストが上位にリストされています。
MOOD
MOODでは雰囲気ごとのプレイリストを30個ずつ提案されます。
雰囲気は次の通り。
- HAPPY
- EXCITED
- RELAX
- LOVE
- SAD
- DARK
- MORNING
- SLEEP
- STUDY
- WORKOUT
- PARTY
- DRIVE
たとえばHAPPYのプレイリスト上位3つは「ケツメvsRIP~日本の夏を始めるbest~」「TERRACE HOUSE SONGS ~WOMAN~」「ハッピーになる英語ディズニーソングセレクション」。「ケツメ~」はGENREとダブってるけど、まあそういうものでしょう。別に問題ありません。
RADIO
RADIOでは曲やアーティストを選ぶと雰囲気の近い曲をノンストップで再生してくれます。
アーティストで選んでもそのアーティストの曲だけ再生されるのではなく、似た雰囲気を持つアーティストの曲をどんどん再生してくれるので飽きずに聞くことができ、未知のアーティストとの出会いもありそうです。
さらにRECOMMENDED STATIONとしていくつかのおすすめラジオ局(特定のアーティストやトラックからインスパイアされたプレイリスト)の提案と、GENRE STATIONとしてジャンルごとのラジオ局の提案も表示されます。
検索機能はふつうに便利
メニューの一番上の「Search」からアーティスト、曲、アルバム、プレイリストの検索を行えます。
日本語での検索が可能で、ひらがなとカタカナのマッチングも勝手にやってくれます。とても便利です。
アーティスト・曲・アルバムを選んで再生する機能はおそらく「Premium」プランでしかできないはずです。
接続形態によるビットレートの自動切り替えができる
メニューの「Stream Quality」でストリームのビットレートの設定を行えます。
Low(64Kbps)、Normal(96Kbps)、High(128Kbps)から選ぶことができ、さらにWi-Fi接続時に自動で320Kbpsで再生するオプションがあります。
ネットワークへの接続形態によってビットレートを自動で切り替えてくれるのはありがたいです。
携帯回線でストリーミングを利用する場合の心配事としてパケット通信量がありますが、Sony Music UnlimitedやSpotifyを利用した経験では、96Kbpsから128Kbps程度の設定で毎日2時間程度の利用なら、1ヶ月7GBの上限を超えたことはありませんが、けっこう際どいところまでは迫ります。
Spotifyは楽曲を端末にダウンロードする機能がありますが、AWAではすべてストリーミングのようですので、ビットレートは上げ過ぎないようにして使われるのが良いと思います。
アプリの出来は上々
Sony Music UnlimitedのiOSアプリが出た頃は機能的に不満な点が多くてイライラしたものですが、AWAのアプリは初物とは思えないほど良くできていると感じます。
見た目はカッコイイし、動作は軽快です。検索機能の操作性も良さそうです。
FacebookやTwitterとの連携もできます。
楽曲のダウンロードができるようになれば普段使いにはほぼ万全という感じがします。
先行するSpotifyでは走る早さに合わせたジョギング用プレイリストの提案(RUN)や時間帯ごとのプレイリストの提案(NOW)など、生活のシーンに合わせた機能が追加されつつありますので、AWAもそういうものに遅れないように進化していってくれれば良いと思います。
楽曲数は発展途上
楽曲数は2015年末までに500万曲、2016年末までに1,000万曲を見込むということで、先行する海外のサービス(Spotifyは現時点で3,000万曲以上)とは大きな開きがあるわけですが、多くの邦楽曲を聞くことができるというメリットでなんとかサービスを維持しつつ、数年後にはSpotifyに並ぶレベルにまで持ち上げていただければ良かろうなあと思います。
若い世代はあまり洋楽を聞かないという話も耳にしますし、個人的には早い時期に邦楽曲をどれくらい充実させられるかがAWAの成否を決めそうな気がします。
PCアプリも作ってください
最後にAWAさんへのお願いですが、ある程度落ち着いたところでPC用のアプリも作っていただきたいです。
スマホアプリがあれば機能的な用は足りるのですが、デスクで作業しているときにスマホをいじるのはけっこうストレスですし、情報の一覧性に優れるなどといったPCアプリならではのメリットもありますので、早いうちにPCアプリをリリースしていただきたいのです。
何度も引き合いに出してしまいますが、Sony Music UnlimitedはPC上のサービスはブラウザアプリとして提供されていたのですが、起動は遅いし、何年も同じルック・アンド・フィールのまま放置されるしで、あまり良い印象がありませんでしたので、AWAさんはぜひネイティブアプリとして開発していただきたいとお願いしつつ、今後のご発展を祈念させていただきたいと思います。