一時期大金を投入してどんどん組み替えていた自作PCをいじらなくなってずいぶん経ちました。
MacBook Air(Apple Silicon搭載Mac)が偉大だったという話。
自作PC熱が遠のく
2019年末から2020年の夏頃にかけて自作PC熱が非常に高まり、おもにMini ITXという極小のPCケースを使った自作にハマっていました。
この記事以外にもたくさんのケースやパーツを購入しては組み、バラしては別のPCに組み替えるということをして、小さいながらもきわめて高性能なPCを組んでお仕事に利用していたわけですが、その熱がすっかり冷めてしまいました。
理由は爆熱GPU時代の到来とApple Siliconです。
GPUの消費電力向上と爆熱化がMini ITX時代の終焉を告げた気がする
Mini ITXサイズのケースは最も小さいもなら容量10リットル未満という非常にコンパクトなもので、デスクに置いても邪魔にならないし、中身がみっちりつまった小さい金属箱というガジェット好きの心を掴んで放さない魅力があります。
一方で、とても小さいのでデスクの上に置くしかない(デスクの下に置くとケーブルの抜き差しやボタン操作をほとんど床の高さで行うことになる)のですが、デスクに置くからには静音化にはかなり気を使う(お金も使う)必要があります。
小さい筐体で効率良く冷却を行うため冷却装置は基本的に水冷クーラーとし、ラジエターに取り付けるファンも静音性の高い(=価格の高い)ものを選び、という具合に深みにハマっていく構造があるのですが、2020年のNVIDIA RTX3000シリーズの登場でこの戦いが非常に難しくなりました。
RTX3000シリーズは性能が非常に高いのですが、同時に消費電力も非常に大きくてその分発熱量も多いため、小さなケースでうまく冷やすことがとても難しくなったのです。
12コアのCPUとRTX 3080(という「上の中」程度に高性能なGPU)の組み合わせは、小さなPCケースに収まるラジエターで冷やすのはほとんど無理、というか私の技量では無理でした。
性能に妥協しながらわざわざMini ITX自作を続ける理由はないわけで、次第に自作パーツ屋さんから足が遠のくことになりました。
Apple Siliconの追い打ち
RTX3000シリーズの登場からしばらくして発表・発売されたApple Silicon搭載のMac(MacBook Air、MacBook Pro、Mac mini)がこの状況に追い打ちをかけました。
シングルコア性能は当時の(普通の用途向きでは)最強のCPUだったRyzen 9 3950X(CPUだけで当時約10万円)を軽く上回り、また、動画編集でも素材によってはMac Proを上回るような性能が出るということで、高いパーツを揃え、冷却にもお金を掛けて自作するのは割に合わなくなっていきます。
さらに、仮想通貨のマイニングブームによってPCパーツの価格が高騰し、パーツによってはお金があってもモノが売られていないという状況を見るにつけ、自作熱は完全に冷めました。
PCでゲームでもやっていればまた気持ちも違っていたのかもしれませんが。
最近、MacBook Pro(14 or 16インチ)を買おうかどうしようか迷う中で、Macに40万も50万も使うなら自作PCという手もあるかもしれないと最新の状況をチェックしてみましたが、大きめのケースを使って比較的安く済ませても30万円ではぜんぜん足りず、MBPに匹敵する性能のものを作ろうとすればさらに費用がかさむとわかってすぐに選択肢から外れました。
自作PC界はPCゲームがある限り安泰だとは思いますが、私を含むほとんどゲームやらない勢は次第に勢力を拡大するApple Siliconに取り込まれて行くんじゃないかという気がします。
以上、しばらくPCの自作はしなさそうだという話でした。