マイクロソフトの新しいOS、Windows 10が2015年夏にリリースされると報じられています。
Windows Vista、7、8、8.1からは無料でアップグレードできるらしく大変ありがたいことですが、一方でWindows RTとRT 8.1はアップグレードされないということも聞こえています。
この記事では、いま手元にあるWindows RTデバイスをどうするべきかを、Windows RTの特長やマイクロソフトのサポート方針をもとに、用途・満足度別に考えてみます。
この記事の内容
- Windows 10のリリースを控え、Microsoft Surface(Windows RT版)をどうするべきかを考えます。
Windows 10とは
Windows 10(ウィンドウズ テン)は、マイクロソフトが発表した、Windowsシリーズに属するパーソナルコンピュータおよびタブレット端末ならびにモバイル端末用のオペレーティングシステム (OS) である。コードネームは「Threshold」。発売は2015年夏ごろの予定。
引用元:Wikipedia「Microsoft Windows 10」
いわゆるパソコン向けのものとタブレットやスマートフォン向けのものの両方が「Windows 10」として提供されるようです。
Windows 10のスケジュールとアップグレードパス
これまで発表されている情報によると、Windows 10のリリース日程とWindows 10へのアップグレード方法は次のようになっています。
スケジュール
2014年10月:最初のプレビュー版配布
2015年1月:最初の日本語対応ビルド配布
2015年夏:190カ国111言語向けに正式リリース
Windows 10へのアップグレードパス
Windows Vista / 7 / 8 / 8.1 からは無料でアップグレード可能(Win 10リリース後1年間)
Windows RT / Windows RT 8.1 からはアップグレード予定なし
Surface RT / Surface 2 RT の運命
Microsoft later said in a statement provided to CNET that “Surface Pro 3 (and the entire Surface Pro lineup) will update to Windows 10. We are working on an update for [the Windows RT version of] Surface, which will have some of the functionality of Windows 10. More information to come.” The company declined to comment further.
引用元:CNET「Microsoft’s Windows RT isn’t dead…yet」
「Surface RT / Surface 2 RTはアップデートでWindows 10の一部の機能が入るよ」(全部の機能が入るわけじゃないよ)と言っています。
つまり、Windows 10のフル機能は望めないし、あくまでもWindows RT 8.1としてアップデートするだけですよ、ということですね。
ということは、Windows RT 8.1で動作するSurface RT / Surface 2 RTの命は、Windows RT 8.1とともに以下に日程で終わることになります。
Windows RT 8.1のサポート期間
製品のライフサイクル ポリシーは Windows 8 と同じであり、サポートは 2023 年 1 月 10 日に終了します。
引用元:マイクロソフト「マイクロソフト サポート ライフサイクル」
意外と長生き。
なお、2023年までサポートされるのはWindows RT 8.1のみで、Windows RTのユーザが同じ期間サポートを受けるためには早めにWindows RT 8.1にアップグレードしておく必要があることも書かれています。
Surface RT / Surface 2 RTの満足度別対応案
Surface (2) RTの特長は次のようにまとめられます。
良いところ
- 質感を含めた デバイスとしてのクオリティがとても良い
- 機能限定版とはいえMicrosoft Office 2013 が使える。それもトラックパッドやマウスで。
iOSやAndroidでもMicrosoft Officeは使えますが、Windows RT相当の機能を使うためにはOffice365を購入する必要があり、月額1274円〜の費用が掛かるので、それをデバイスを買うだけで使えるSurfaceはお得です。
良くないところ
- アプリが致命的に少ない
- タブレットとしては厚くて重い
代表的なタブレットのサイズと重さは次のようになっています。
項目 | Surface 2 RT | iPad Air 2 | Xperia Z4 Tablet |
---|---|---|---|
画面サイズ | 10.6インチ | 9.7インチ | 10.1インチ |
解像度 | 1920 × 1080 | 2048 × 1536 | 2560 × 1600 |
大きさ | 275×173×8.9mm | 240×169.5×6.1mm | 254×167×6.1mm |
重さ | 676g | 437g | 389g |
Surfaceに対する満足度はラップトップ(ノートPC)よりも小さく軽い携帯性でWindows RTならではのOfficeを使えるという部分にどれだけ価値を見出すかに集約されると考えて良いでしょう。
SurfaceのOffice機能を便利に使っている場合
Surface並みの携帯性とOffice機能を両立して実現しているデバイスは他にはありません。
この観点ではSurface RT / Surface 2 RTは今でもオンリーワンの製品ですので、すぐに手放すという選択肢は無いでしょう。
これから夏に向けてWindows 10の特にモバイル対応(非Intel x86アーキテクチャ向け)の情報が出てくるはずですので、Surfaceに代わる製品が発売され得るかを見極めてから対応を決めても遅くないでしょう。
先に書いたとおりWindows RTのOSとしての寿命は限られているため、遅くなるほどSurfaceの価値も下がってしまいますが、代わりになる製品が無い以上は仕方ありません。
SurfaceならではのOffice機能に魅力を感じていない場合
Office機能はWindows RTのデスクトップUI上で動作します。Windows RTにおいて、Office以外にデスクトップUIで動作するまともなアプリはありませんので、このデスクトップUIはOfficeのためだけに存在していると言えます。
さて、Office機能に魅力を感じない場合、Surfaceは無駄なデスクトップUIを持つ、重くて分厚いタブレットということになります。
また、Windows RTのタブレットUI(ストアUI)で動作するアプリは、率直に言ってiOSやAndroidと比べれば貧弱な品揃えですので、重さや厚みに目をつむったとしてもタブレットとしての魅力は劣ります。
以上から、無理にSurfaceを使い続けるよりも、Windows 10が発売される前に他に乗り換えたほうが得になりそうだと考えられます。
なお、2015年3月現在のSurfaceのヤフーオークションにおけるリセールバリューはおおむね次のような状況です。
デバイス | 価格 |
---|---|
Surface RT | 16000〜30000円 |
Surface 2 RT | 23500〜33500円 |
まとめ
- Windows 10の発売を控えて、Surface RT / Surface 2 RTをどうするべきかを考えました。
- Surfaceに搭載されているOfficeを便利に使っている人は、当分の間Surfaceを使い続けるのが良さそうです。
- Surfaceを単にタブレットとして使っている人は、Windows 10が出る前に早めに他のタブレットに乗り換えるのが良さそうです。
(訂正)初出時にWindows VistaからWindows 10への無料アップグレードが可能と記載しましたが誤りでした。
Great news! We will offer a free upgrade to Windows 10 for qualified new or existing Windows 7, Windows 8.1 and Windows Phone 8.1 devices that upgrade in the first year!
http://windows.microsoft.com/en-us/windows-10/about