昨夜ニューヨークで行われた「Microsoft Windows 10 devices briefing」で待望のSurface Pro 4が発表されました。
アメリカでは本日から予約開始で、10月26日に発売です。
堂々の正常進化です。
Surface Pro 4の仕様のまとめ
まずSurface Pro 4の仕様をSurface Pro 3、Surface 3と比較してみます。
Surface Pro 4 | Surface Pro 3 | Surface 3 | |
---|---|---|---|
OS | Windows 10 Pro | Windows 8.1 Pro*1 | Windows 8.1*1 |
CPU | 第6世代 Core m3/i5/i7 | 第4世代 Core i3/i5/i7 | Atom x7 |
RAM | 4GB/8GB/16GB | 4GB/8GB | 2GB/4GB |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB/1TB SSD | 64GB/128GB/256GB/512GB SSD | 64GB/128GB eMMC |
ディスプレイ | 12.3インチ 2736 x 1824 | 12インチ 2160 x 1440 | 10.8インチ 1920 x 1280 |
カメラ | 前面500万画素、背面800万画素 | 前面・背面500万画素 | 前面350万画素、背面800万画素 |
バッテリー持続時間 | ビデオ再生9時間 | Web閲覧9時間 | ビデオ再生10時間 |
大きさ | 292.1 x 201.42 x 8.45mm | 292 x 201.3 x 9.1mm | 267 x 187 x 8.7mm |
重さ | 766~786グラム | 800グラム | 641グラム |
価格 | 899~2,699ドル | 799~1,949ドル | 499~699ドル |
その他 | SurfaceConnect端子装備 |
※1:現在はWindows 10 Pro / Windows 10をプリインストールして販売されているものもある
Surface Pro 3のフットプリントを維持したまま、第6世代 Intel Coreプロセッサー「Skylake」を搭載してパフォーマンスを向上させ、ディスプレイのサイズと解像度をアップしています。
本体の厚みはSurface 3よりも薄い8.45mm。
メモリーとストレージの最大容量も増えていますが、CTOでCPU/メモリー/ストレージをすべて特盛りにした場合のお値段は2,699ドルというセレブ価格でもあります。
本体仕様面で最大のトピックはCPUの更新とディスプレイの大型化・高解像度化でしょうか。
Surface Pro 4の特徴
米MicrosoftのサイトにはすでにSurface Pro 4の情報が公開されています。
Microsoft 「Surface Pro 4」
https://www.microsoft.com/surface/en-us/devices/surface-pro-4#keyfeatures-light-powerful
ここからSurface Pro 4の特徴を拾ってみます。
- 第6世代 Intel Core プロセッサー採用
ついにSkylake採用です。
最上位機種はCore i7を採用しており、イベントではMacBook Airの50%増しのパフォーマンスだとアピールされました。
最下位機種にはCore m3が採用されました。
詳細不明ですが、IntelのサイトでCore m3と謳われているのはCore M3-6Y30のみで、これはターボブースト時のクロックが2.2GHz、TDPは4.5Wというものです。
http://ark.intel.com/ja/products/88198/Intel-Core-m3-6Y30-Processor-4M-Cache-up-to-2_20-GHz
クロック、消費電力ともに、Surface Pro 3のCore i3モデルの1.5GHz/11.5Wから大きく改善されています。 -
本体の縦横サイズはSurface Pro 3とほぼ同じ
日本マイクロソフトのSurface Pro 3のサイズと比較すると微妙なズレがあるのですが、米マイクロソフトの仕様表はインチ表記をミリ表記に換算したもののようで、実際にはピッタリ同じなのかもしれません。
イベントでもフットプリントはSurface Pro 3と同じと案内されていたようです。 -
Surface Pro 3よりも0.7mm薄くなった本体
Surface Pro 3の9.1mmに対して0.65mm薄くなった8.45mm。これはSurface 3よりも薄い極薄サイズです。 -
ディスプレイが0.3インチ大きくなり、解像度が約27パーセント向上
ディスプレイがわずかに大きくなりました。大きくなりましたが、まだまだベゼルは余っていますので、今後のモデルではさらに大きくしてもらいたいものです。
それと、ベゼルにあったWindowsボタンが消えました。個人的には歓迎です。
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Surfaceペンの感度が向上
ペンの感度がSurface Pro 3の256段階から1024段階にアップしました。
私はSurfaceペンをほとんどポインティングデバイスとしてしか使っていないのでこの恩恵にあずかることはないのですが、かつてペン入力部がワコムからN-Trigに変わったときに主にお絵描きストの方たちから使い勝手が悪くなったという声も出ていたと思いますので、そのあたりが改善されていると良いなと思います。 -
Surfaceペンがマグネットで本体に固定できるようになった
使わないときの置き場に困るSurfaceペンが強力マグネットでSurface本体に固定できるようになりました。
これでペンを家に置き忘れて外出することがなくなるかもしれません。ありがたい。 -
アメリカではタイプカバーに指紋センサー
なぜかアメリカでだけ指紋センサー付きのタイプカバーが発売されます。 -
Windows Hello(生体認証ログイン)に対応
Windows Helloによる生体認証ログインに対応します。
前出の指紋センサー付きタイプカバーでしか使えないのかと危惧しましたが、この絵を見ると指紋センサーなしのタイプカバーでもWindows Helloできるようです。フロントカメラが生体認証対応のものになったということだと思われます。 -
SurfaceConnect端子という謎のインターフェースが追加
仕様表に「SurfaceConnect」というインターフェースが書かれています。Surface Pro 3やSurface 3の仕様表には書かれていないものです。
調べてみると、SurfaceConnectにはSurface Dockというオプションを接続してUSBやDisplayPortのコネクターを増やすことができるようです。
この写真を見ると、SurfaceConnectというのはSurface Pro 3にもあった充電ポートのことのようです。
そういえばSurface Pro 3のドックもこのコネクターで接続していました。
MicrosoftのSurface Pro 4紹介ビデオを見てみよう
YoutubeのSurfaceチャンネルには早速Surface Pro 4の紹介ビデオがアップされています。
Surface Pro 4の売りのポイントだけをギュッとまとめた簡潔な内容ですし、英語は簡単なキャプションだけなので、イメージをつかむのにはちょうど良いと思います。
内容とキャプションから気になる部分を拾ってみると次のようになります。
- Surface Pro 3にあった「Surface」のプリントはなくなり、Surface 3のようなピカピカのWindowsロゴが付いている
- タイプカバーには指紋センサー. ただしアメリカのみ
- Windows Hello対応
- Windows 10 Pro搭載
- 厚さ8.4mmでSurface Pro 3の9.1mm、Surface 3の8.7mmよりも薄い
- タイプカバー用の接点は6点. 左右のくぼみも含めて従来モデルと同じように見える
- 12.3インチPixelSenseディスプレイ. 500万画素. クラス最高の反応速度、視差、手のひら検知、ペン入力は1024段階検知
- Surfaceペンのバッテリー持続時間は1年. マグネットで本体に吸い付く
- キーの独立性を高め、パンタグラフキーを採用した、ラップトップクラスのキーボード
- これまでで最も薄いタイプカバー
- 最高の精密度を誇るガラスのトラックパッドはSurface Pro 3のものよりサイズを40%拡大し、5点マルチタッチに対応
- ハイブリッド冷却システム
- 第6世代Intel Coreプロセッサー採用
- 最大16GBのメモリーと1TBのストレージ容量
- 正面を向いた没入型スピーカー
- オートフォーカス付き800万ピクセルのリアカメラ
- タイプカバーの根元が折れ曲がる機構は健在
その他、気になったこと
そのほかに気になったことです。
まず、タイプカバーの上と左右のスペースがSurface Pro 3のものよりも狭くなっています。
余分なスペースを削って左右のキーピッチを広げ、タッチパッドの上下方向のサイズ拡大をしたのですね。えらい!
それと、Surfaceペンの軸のボタンがなくなってるように見えます。右クリックとか消しゴムはどうするの?と思ったら、このようになっています。
Surface Pro 4のペンは消しゴムボタンがなくなった代わりにペンのおしりで画面をこすると消しゴムとして動作するようです。Surface Pro 3タイプの軸のボタンを押しながらペン先を動かす方式は微妙な操作が難しそうなので、こちらの方が良いという判断なのでしょう。
右クリックボタンは縦方向に大型化されました。
最後に、タイプカバーには新色の「Teal」が追加されています。カモの羽のような緑色です。シブい。
まとめ
Surface Pro 4は既存のSurfaceシリーズをベースに各部の性能を向上させつつ、細かい機能を追加・改善した、非常にシュアな進化をしているように見えます。
既存のSurfaceシリーズのユーザーが乗り換えても戸惑うことなく性能アップを享受できそうですし、新たにSurfaceを買おうというユーザーにとっても真っ当な「タブレットとしても使えるラップトップ」として受け入れられるものになっています。
パフォーマンス面でMacBook Airへの対抗心むき出しなアピールがされていますが、タッチパネルやペンというMacにはない機能とかWindowsのソフト資産のことを考えれば、そもそもあまりユーザー層は被らなさそうで、MacBookを買う人はMacBookを買うし、Surfaceを買う人はSurfaceを買うのでしょうから、わざわざMicrosoft自ら言及する必要はないと感じます。
個人的な興味としては、新しいタイプカバーがSurface Pro 3でも使えるらしいので、早く日本語タイプカバーを発売してもらって我が家のSurface Pro 3をグレードアップしたいです。
別売のタイプカバーは、Surface Pro 3との互換性を維持しつつ、19mmのストロークと1.3mmのストロークを確保。薄型化されているが、パンタグラフ式の機構を採用し、打鍵感も高めた。バックライトも内蔵。タッチパッドは4割面積を大きくし、5点タッチに対応。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20151007_724453.html
Surfaceのほとんど唯一の泣きどころだったタッチパッドが、大きくなってグラストップになるなんて、本当に夢のようです。
Surface Pro 4の日本での発表・発売日は未定です。Surface 3の例に倣えばアメリカの約1か月半遅れの12月上旬になるでしょうか。ボーナスシーズン直撃ですね。
以上、Surface Pro 4についてでした。