Apple Musicをサービス開始当初から使っている場合はそろそろ無料期間が終わります。
AWA、LINE MUSIC、Apple Music、Google Play Musicと続いた国内の定額制音楽配信サービスのリリースラッシュですが、そろそろどのサービスを使うか絞り込まないといけない時期が迫りました。
最後発のGoogle Play Musicの良いところ・良くないところをApple Musicとの比較などから考えつつ、どのサービスを使うか決めたいと思います。
Google Play Musicの良いところと良くないところ
ではまいりましょう。
Google Play Musicの良いところ
Androidでもすぐ使えるし、iOSでも使える
Apple MusicのAndroid向けアプリは「今年の秋」にリリース予定とアナウンスされていますが、この記事を書いている時点ではリリースされていません。
Apple 「ミュージック – メンバーシップ」
http://www.apple.com/jp/music/membership/
一方、Google Play MusicはAndroidアプリをリリース済みです。当たり前ですが。
iOSのアプリもリリースされています。
Google Play Musicはずっと前からアメリカ等でサービスインしていたので、インフラの準備に抜かりはないようです。
楽曲数は国内の他のサービスより圧倒的に多い模様
Google Play Musicの楽曲数は3,500万曲。
AWAとLINE MUSICが2015年内に目指すという500万曲の7倍。Apple Musicの数百万曲(詳細未公表)と比べても圧倒的に多い楽曲数です。
洋楽の品ぞろえはSpotifyに近い感じ。そこにSpotifyにはほとんどない邦楽が乗っかっているということで、洋楽メイン、邦楽少々という私の用途ではほぼ不満はありません。
いま登録すれば料金が安い
Google Play Musicの料金は月額980円ですが、10月18日までに登録すれば月額780円で使い続けられるというお得プライスです。
Apple Musicの980円、AWAの960円、LINE MUSICの1,000円と比べてもお得です。
「いま入ればお得ですよ。今後もずっとお得ですよ」というのはズルいけど抗いがたい魅力的なオファーです。
自分のライブラリーの曲をアップロードできる
Google Play MusicではApple Musicと同じようにローカルのライブラリーにある曲をクラウドにアップロードしてストリーミングで聞くことができます。
GoogleやAppleが配信していないマニアックな曲をたくさん持っている方には便利なサービスですし、スマホやタブレットのストレージを節約したい場合にも助かります。
アップロードできる曲数は5万曲。Apple Musicの2万5,000曲よりも多いです。
Apple Musicの方はiOS 9のタイミングで10万曲に増やすという話があったのですが、実際に増えたことを確認できるソースは見つけられませんでした。
AWA、LINE MUSICにはアップロード機能はありませんので、聞けるのはそれぞれの事業者が配信している曲だけということになりますね。
オフライン再生にも対応
Google Play Musicが配信する楽曲をダウンロードしてオフラインで聞くことができます。Apple MusicでもAWAでもLINE MUSICでも可能なので、機能の有無としては横並びです。
パケット通信量を節約するためにあらかじめWi-Fiでダウンロードしておくとか、飛行機の中など通信できない場所でも音楽を聞きたいといった場合に便利です。
再生時のビットレート選択ができる
Google Play Musicでは再生時のビットレートを「低」「標準」「高」の3種類から選択できます。
AWA、LINE MUSICでは同じように選択できます。Apple MusicはiOS 9で「モバイルデータ通信で高音質」というオプションが追加されました。
月の後半にパケット通信の上限が心配になってきたときはビットレートを下げて堪えたりできるので便利です。
Chromecastとの親和性が高そう
GoogleのChromecastは、テレビにつなぐだけでGoogle ChromeブラウザーやAndroid端末からの映像や音声を受信して表示・再生できる超便利グッズのくせにたった5,000円ほどで買えてしまう素晴らしいアイテムです。
Google Play Musicの音楽はAndroid端末だけでなくiOSのGoogle Play MusicアプリからでもChromecast経由で再生することができます。
なるべく良い音で聞きたい場合はChromecastをAVアンプに接続して、そこからスピーカーに接続するか、さらに高品位なパワーアンプを介してスピーカーにつないだりすると良さそうです。
Android端末ならOK Nowの音声コマンドで操作できる
Android端末では「OK Now」という音声コマンド機能でGoogle Play Musicを操作できます。iOSのSiriみたいな感じです。
このあたりはOS密着機能ということで、Google Play MusicとApple MusicがそれぞれAndroidとiOSでリードしていて、AWAとLINE MUSICとしては辛いところです。
Google Play Musicの良くないところ
Mac/Windowsでは専用クライアントがなくブラウザーアプリでの操作なので反応が鈍い
Google Play MusicをMacやWindowsで使う場合はウェブブラウザー上でしか操作できません。(音楽のアップロードだけは専用のアプリで行えます)
専用クライアントではないのでどうしても操作に対する反応が鈍いです。
この点はAWAもLINE MUSICも同じです。
4つのサービスの中ではApple MusicだけがiTunesというネイティブアプリで利用できます。できますが、まあiTunesもたいがい遅いので、Google Play Musicに専用クライアントが無いのはそれほどの欠点でもないかもしれません。
ちなみにSpotifyのMac/Windows用クライアントはとても出来が良いです。Google Play Musicもああいうのを作れば良いと思うのですが、きっと作らないんだろうなあ。
Windows PCではAirPlayできない。MacでもGoogle Play Musicの音声だけを選択的にAirPlayすることはできない
Google Play MusicをWindows PCで使う場合、AirPlayを利用できません。
また、Macで使う場合もGoogle Play Musicの音声だけをAir Playで飛ばし、他のアプリの音声はローカルのスピーカーで再生するということはできません。
この部分はiTunesの音声だけをAirPlayで飛ばせるApple Musicが優れています。
Mac/WindowsではGoogle Play Musicの仕組みでローカルの音源を再生できない
もともとローカルに持っているライブラリーを再生するときはGoogle Play Musicのブラウザーアプリを使うことはできません。アップロードしたものをストリーミングで再生するか、アップロードしたものをいったんダウンロードして別のプレイヤーで再生するという手順になりますが、面倒ですし音源によってはビットレートも下がると思われます。
音にこだわるなら、ローカルではiTunesなどのプレイヤーとの使い分けが必要になるでしょう。
Google Play Music – その他の留意点
その他、Google Play Musicを使ってみて気づいたこと、気を付けたほうが良さそうなことです。
チャートはユーザーを選びそう
Google Play Musicにはヒットチャートを表示する機能がありますが、トップ50にカーリー・レイ・ジェプセンが3曲も入っていたり、そのほかはAAAとLDH系に占拠されていたりして、どういう基準なのかよくわからない内容です。
音楽の好みによることは言うまでもありませんが、個人的には全く使えないチャートです。
チャートだけでも地域設定を変えられないかなあと思います。
新作紹介はApple Musicと比べればかなり地域(日本)に特化した内容
新作を紹介する機能がありますが、これも邦楽中心のラインアップです。
日本の音楽シーンっていまこんな感じなのですね。よく知らない人やグループがたくさん。
Google Play Musicには好みのジャンルやアーティストを設定する機能がありますが、新作紹介にこのような設定を反映している様子はなく、上記のとおり地域特化のレコメンドなので、新作紹介の機能は洋楽をメインに聞く層にはほぼ使えないと思われます。
邦楽を中心に聞く層にとって使いやすいかはちょっとわかりませんが、流行ってるもの・流行りそうなものをフォローする用途には使えるのかな、という感じです。
ジャンル、アクティビティ、ムードごとにプレイリストを提案する「ステーション」はAWAの「Discovery」と似た雰囲気
音楽のジャンル、アクティビティ(通勤・通学、睡眠、ドライブのような)、ムード(ロマンティック、幸せいっぱい、お祭り騒ぎのような)ごとにプレイリストを提案してくれる機能があります。
AWAにも「Discovery」という機能があります。あれと同じような印象です。
収録曲がどれくらいの頻度でメンテナンスされるのかわかりませんが、よく選ぶものは限られそうなので、メンテナンスのペースが遅いとすぐに聞き尽くしてしまいそうに思います。
個人的に、この手の機能の中ではApple Musicの「For You」が好みを反映した提案をしてくれて一番しっくりきます。
iOSアプリの使い勝手は独特
Google Play MusicのiOSアプリの使い勝手ですが、初めて使ったときには再生画面から下スワイプで抜けるという操作がわからずに往生しました。これって普通の操作なんでしょうか?
それと、アーティスト名からアルバム一覧を深堀りしていったあと、トップ画面に戻るのに戻るボタンを連打しないといけないのは面倒です。LINE MUSICのアプリもそんな感じだったかも。
ダイレクトにトップ画面に戻るルートがあると使いやすいと思います。
まとめ – Google Play Musicはトータルではお得なサービス
以上、長々と書いてきましたが、トータルで見るとGoogle Play Musicはお得なサービスだと思います。
まず、この手のサービスは聞きたい曲がいつでもどこでも聞けることが何よりも大切なので、他のサービスよりも曲数が多いことと、自前のライブラリーをアップロードできることは、Google Play Musicの最大のアドバンテージだと言えます。
この点と月額料金の安さだけでGoogle Play Musicに決めてしまっても損はないでしょう。
チャートやレコメンドはユーザーを選びますが、聞きたいジャンルやアーティストを自分で選んで聞くという使い方をする限りはあまり気にならないと思います。
MacとWindowsでもっさり動作のブラウザーアプリでしか聞けないというのは残念ですが、AWA、LINE MUSICとは横並びですし、iTunesもそれほど速いわけではないので、決定的なディスアドバンテージとは思いません。
Chromecastとの親和性の高さが期待できますし、どうやらChromecast Audioというのも出るらしいので、外部スピーカーやオーディオ機器での利用の幅が広がりそうで楽しみです。
Itmedia 「Google、29日のイベントで「Chromecast 2」と音楽向け「Chromecast Audio」発表か」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1509/21/news026.html
(追記)Chromecast Audioが日本でも発売になりました。
そんなわけで、Google Play Musicは悪くなさそうですよ、という話でした。