アメリカの産業安全保障局(BIS)がHuaweiとその関連企業を輸出取引規制リストに追加したため、Huaweiに対するアメリカ製品や技術の輸出が事実上できなくなりました。
すでにHuawei製のスマホやPCを持っている人はどうすればいいのでしょうか?
Huaweiがリストに追加されるとどうなるのか?
今回のBISの決定により、アメリカだけでなく世界中の企業はアメリカ製品とアメリカの技術をHuaweiに輸出することができなくなりました。
Huaweiといえば、スマホのシェアでSamsungに次ぐ世界第2位。PCはそれには及びませんがMatebookシリーズを日本を含む各国で販売しています。
こうしたHuawei製のスマホ・PCは今回の決定でどんな影響を受けるのでしょうか。
既存のHuawei製スマホは継続利用できる
Googleはこの件について次のようにコメントしています。
「私たちはその命令を遵守し、その影響を検討しています。Google Play、そしてGoogle Play Protectによるセキュリティ保護機能は、既存のファーウェイ端末で引き続き機能します。」
リンク:ファーウェイの既存製品でサービスは今後も使える――グーグルがコメント(ケータイWatch)
ここで述べられているのはGoogle PlayとGoogle Play Protectについてだけで、Googleが提供するOSのアップデートや他のアプリについてどうなるのかはわかりません。
しかし、次のような理由で既存のHuawei製スマホは今後もそれなりに利用できるだろうと思います。
というのは、すでに膨大な台数が世の中に出回っているHuawei製スマホにOSのセキュリティ・アップデートレベルの更新すら行われなくなれば、それはHuaweiやアメリカだけでなく、世界中のインターネット利用者にとって重大なセキュリティ・リスクになり得るから、さすがにそんなことはさせないだろうということです。
今後HuaweiがAndroidの最新の開発環境を使えなくなるのはHuaweiにとって痛いでしょうが、とりあえず今あるものを使って当分の間ユーザーに不便を来さないようにすることはできるのだろうと思います。
だから、手元のHuawei製スマホが近日中に「使っちゃダメ」なレベルのものに成り果てることはおそらくないでしょう。
一方でHuawei製のスマホにアメリカ企業製のアプリを供給できなくなるのではないかという話はあります。(アプリの利用はアプリベンダーおよびGoogleとユーザーの契約に基づくもので、BISのHuawei排除の決定とどう関連するのかわかりませんが、こういう話は出ています。Google Play経由では配布できなくなるかもしれないという話かもしれません)
もしもYouTube、Google Maps、Twitter、Instagram、Facebookあたりが使えなくなるとすれば、普通のユーザーにとっては致命的ですね。
とりあえず今できることは、手元のデバイスのアプリをすべて最新版に更新しておくということでしょうか。
Matebookシリーズはどうなる?
HuaweiはMatebookシリーズというラップトップ/2-in-1 PCのラインを持っていて、それらは日本でも販売されています。
今回のBISの決定についてMicrosoftが何かコメントしたという話は聞きません。
OSのセキュリティ・アップデートレベルの更新はスマホと同じ理由で今後も行われるのではないかと思います。
今月予定されている「Windows 10 May 2019 Update」レベルの機能追加がHuaweiのPCにちゃんと降ってくるかどうかはわかりませんが、MicrosoftからユーザーのPCにOSのアップデートを配布する過程にPCベンダーは関与しないはずなので、こちらもアップデートされるのではないかと思っています。
また、アプリについてもベンダーとユーザーの契約に基づいて利用するものなので、おそらく影響を受けないと思われます。(Windows上のストア経由で購入したものはちょっと事情が変わるかもしれませんが)
一方で、今後MicrosoftがHuaweiに対してWindows Updateに関するサポート(WHQLの認証など)を提供できなくなるとすると、HuaweiがWindows Update経由で新たにドライバー類を配布することができなくなるので、ウェブサイトやHuaweiが新たに作る独自の管理アプリを使って直接配布するような形になるのではないかと思います。
このあたりはHuaweiからの発表を待つしかなさそうです。
というわけで、Huaweiのデバイスをお使いの皆様は、各種アプリやドライバー類を最新のものにアップデートした上で、Huawei、Google、Microsoftからのなんらかの発表を待つ、という心構えで臨みましょう。
そんなにひどいことにはならないと思います。