MacBook Proの2018年モデルが発売されて以来、どれを買おうかと思い悩んで過ごしていますが、このたび15インチのベースモデルがよかろうという結論に至りました。
この間、各モデルのレビューを届けてくれたメディアやYouTuberの皆様には感謝に堪えません。
MacBook Pro 2018年モデルは15インチのベースモデルが良いという話
今年のMacBook Proでは、ついに第8世代 Intel Core iシリーズのCPUが採用され、15インチモデルは6コア、13インチモデルも4コアとコア数が増えて、マルチコアの処理能力が格段に上がりました。
しかし同時に、15インチの上位モデルでは、CPUの発熱による温度上昇で本来の性能を発揮できないらしいことが問題になり、macOSの修正パッチが緊急リリースされるという事態にもなりました。
その結果、15インチの最上位モデルであるCore i9モデルは、サーマルスロットリングの影響を受けながらも、MacBook Proとしては最強の地位を確立したかに見えます。
またベンチマークの数値上は、iMac ProやMac Proといったデスクトップモデルを含めても、シングルコアで上から2番目、マルチコアで上から7番目という、驚くべき結果を出しています。
ただし、その分価格も高く、さらに日本ではAppleストアでカスタマイズしなければ手に入らない(=定価でしか買えない)ということもあって、税別33万5,800円からという、おいそれとは手を出せないお高い一台となっています。
15インチベースモデルは12万円も安い
さて、15インチモデルのラインアップと税込み価格はおよそ次の表のようになっています。SPというのは記事作成時点での価格コム最安値ショップでの実売価格です。
Core i7-8750H (16GB/256GB) |
Core i7-8850H (16GB/512GB) |
Core i9-8950HK (16GB/512GB) |
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SP:約24万3,000円 | SP:約29万5,000円 | 36万2,664円 |
こうして見ると、ベースモデルであるCore i7-8750HモデルとハイエンドのCore i9モデルの価格差はおよそ12万円です。12万円!
(CPUの違いのほかに、ストレージの容量差256GBと、GPUの違いがあることには要注意ですが)
12万円も安くなると言われると、がぜんベースモデルへの関心が高まってしまうのが人情です。
そこで、つい先日投稿されたばかりの、おなじみMax YuryevさんによるMacBook Pro 15インチモデルの比較動画を見てみましょう。
15インチモデルの動画編集能力はどれも大した違いはない
こちらがMax Yuryevさんが15インチMacBook Proを比較した動画です。
動画のCore i9モデルはRAMが32GBに増量されているので、上の表よりももっと高価です。
Core i7-8750H、Core i7-8850H、Core i9-8950HKの3台を使って、Final Cut Pro X、Premiere Pro、DaVinci Resolveという三つの動画編集ソフトでのパフォーマンスを比較しています。
ざっくり掻い摘むと。
- Final Cut Pro X(FCPX)のBruce Xベンチマークはほぼ同スコア
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3ソフトのぶれ補正処理は、DaVinci Resolveでベースモデルがやや遅い以外は、ほぼ同スコア
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3ソフトのエンコード時間は、ベースモデルでやや遅く、上位2モデルはほぼ横並び
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FCPXとPremiere Pro(Premiere)のHEVCからH.265への4K解像度での書き出し時間は、ほぼ同スコア
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FCPXで4K 60fpsのProRes Rawから4K 24fpsのH.264への書き出し時間は、ベースモデルがやや遅く、上位2モデルは横並び
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同じくProRes RawからProResへの書き出し時間は、ほぼ横並び
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Cinebench R15のスコアはモデル間でおよそ1%ずつの違い
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Cinebench R15計測中の平均動作クロックは、ベースモデルから順に、3.05GHz、3.10GHz、3.15GHzとほぼ横並び
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FCPXで4K ProRes動画を編集中のタイムラインの動作はどのモデルも同じようにスムース
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3ソフトでCanon C200のCinema Raw Lightの4K素材の処理(具体的な内容は不明)では、FCPXとDaVinci Resolve(Resolve)ではベースモデルがやや遅く、Premiereではほぼ横並び
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3ソフトでC200の4K RAW素材をプレイバックしたときのフレームレートは、FCPXとResolveではベースモデルが20%ほど遅く、Premiereではどのモデルもフレームレートがわからないほど遅かった
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3ソフトでREDの4.5K Raw素材の処理(具体的な内容は不明)では、3モデルがほぼ横並び
これらの結果からわかるのは次のようなことです。
- GPUへの依存度が高い処理ではベースモデルだけがやや遅くなる
差は最大で20%ほどある。 -
CPUへの依存度が高い処理では3モデル横並びになる
Cinebench実行中の平均動作クロックが3モデルほぼ横並びなことから、高負荷状態を一定時間以上継続した場合、CPUの処理能力に差は出ないらしいとわかる。
また、最後のテストでのFCPXの処理中、各モデルの動作クロックは、ベースモデルから順に2.7GHz、2.8GHz、2.4GHzとなっているところにも要注目。
というわけで、MacBook Pro 15インチモデルのパワーを動画編集に生かしたい場合は、Core i7モデルのどちらかを手に入れるのがコストパフォーマンスが高そうです。
上にあげた現在のストリートプライスは、ベースモデルが約24.3万円、その上のモデルが約29.5万円です。ベースモデルで足りないストレージを、最近急に値段が下がり始めたSamsung T5 SSD(1TBモデル)で補っても、まだベースモデルの方が安いです。
このように考えると、MacBook Pro 2018の15インチモデルを動画編集目的で買う場合は、ベースモデルを選んで外付けSSDを加えるというやり方が、最も安く、また、トータルの使い勝手でも優れたシステムになるんじゃないかと思います。