スマートフォンやタブレット端末向けに格安で通信サービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)がたくさん登場し、NTTドコモ、ソフトバンク、auといった大手のキャリアよりもお得だと話題になっています。
この記事では、SonyのXperia Z3を使うことを前提に、SIMフリー端末でMVNOのサービスを使うことと、大手キャリアを利用することを、料金とサービスの両面から比較します。
iPhone派の方はこちらの記事もごらんください。
https://kiritsume.com/buy-sim-free-iphone-or-not/
また、実際にSIMフリー版を買ってみようという方はこちらの記事もどうぞ。
https://kiritsume.com/manage-to-buy-sim-free-iphone/
この記事の内容
- 月々の使用料が安いと評判のSIMフリー端末+MVNOについて、料金やサービスについて大手キャリアと比較します。
- どのような場合にSIMフリー端末とMVNOが適しているかを考えます。
SIMフリー端末とMVNO
SIMフリー端末とは
SIMロック (SIM lock) とは電話機側に施される、特定キャリアのSIMカード以外は利用できないように制限する機能である。
日本の大手キャリアが販売する端末は、原則としてすべてSIMロックが掛かった状態で販売されています。
このSIMロックが掛かっていない端末を「SIMフリー端末」と呼びます。SIMフリー端末では、通信方式やサポートする電波の周波数といった技術的な条件を満たしていれば、SIMカードを入れ替えることでどのキャリアででも使用できます。
MVNOとは
仮想移動体通信事業者(かそういどうたいつうしんじぎょうしゃ、Mobile Virtual Network Operator, MVNO)は、携帯電話やPHSなどの物理的な移動体回線網を自社では持たないで、実際に保有する他の事業者から借りて(再販を受けて)、自社ブランドで通信サービスを行う事業者のこと。
日本では、NTTドコモの回線を利用する業者と、auの回線を利用する業者があります。
大手のキャリアに比べて月々の利用料金が安く設定されていることから、スマートフォンやタブレット端末の通信費を安く抑えたい利用者の注目を集めています。
SIMフリー+MVNO と 大手キャリア を比較してみる
前提条件
今回は次の条件で比較します。
項目 | 内容 |
---|---|
機種 | Xperia Z3。新品をお店で買います。 |
端末購入 | 一括払いで購入します。 |
契約形態 | MNPで転入します。 |
料金プラン | 音声通話付。2015年4月時点で通信上限5GB以上のプランとします。 |
使用期間 | 2年間。2年経過したら端末を売却します。 |
各キャリアの料金プランは次のとおりとします。
キャリア | プラン |
---|---|
IIJmio | みおふぉん ライトスタートプラン |
NTTドコモ | カケホーダイプラン データMパック |
ソフトバンク | ホワイトプラン パケットし放題フラット for 4G |
au | LTEプラン + LTEフラット |
MVNOは上記の条件ではどれも価格に大差ありませんので、代表としてIIJmioとしました。
また、MVNOで使うSIMフリー端末は、SIMフリー端末の通販サイトとしてポピュラーなEXPANSYSで購入するものとします。価格の試算結果は次のとおりとします。
金額 | |
---|---|
端末代金 | 58487円 |
送料 | 1600円 |
消費税 | 2807円 |
(合計) | 62894円 |
EXPANSYSへのリンクはこちら(エクスパンシス)。
早速計算してみる
次のようになりました。
IIJmio | NTTドコモ | ソフトバンク | au | |
---|---|---|---|---|
端末購入価格 | 62894円 | 19440円 | 20520円 | 20520円 |
MNP転出・転入費用 | 5400円 | 5400円 | 5400円 | 5400円 |
2年間の利用料 | 53280円 | 187920円 | 159192円 | 159192円 |
(合計) | 121574円 | 212760円 | 185112円 | 185112円 |
iPhoneのときとは様子が違います。理由は端末代金の安さです。
大手3社は、端末代金の実質負担額が機種によらずほぼ0円に揃うように月々の支払金額で調整される(つまりXperiaは端末購入価格が安い分、月々の支払いが多くなる)ため、合計の支払金額は端末価格の高いiPhoneと大差ありません。
一方、IIJMioは端末代金とは関係なく月々の支払い額が一定のため、2年分の利用料の額が大手3社と比べて大幅に安くなり、端末の代金を合わせた額でも群を抜いて安くなっています。
端末のリセールバリュー
次に端末のリセールバリューを比較します。
Xperia Z1fのヤフーオークションでの落札価格を見ると、おおよそ次のようになっています。
SIMフリー端末 | NTTドコモのSIMロック端末 | |
---|---|---|
落札価格 | 約30000円 | 約25000円 |
これを加味すると、支払い総額でMVNOがますます有利になります。
SIMフリー端末のその他のメリット
海外旅行で現地のSIMカードを使える
SIMフリー端末は利用するキャリアを制限されないため、海外旅行先で現地キャリアのプリペイドSIMカードを購入して差し替えることで、現地の価格で通信・通話のサービスを利用することができます。
SIMカードの価格はある程度のパケット通信料込みで1000〜2000円程度で、数日程度の旅行なら特に不自由なく使えるものです。
日本のキャリアのSIMカードをそのまま使う場合、たとえばNTTドコモの海外パケ・ホーダイのようなプランを使うと1日に1980〜2980円の料金が掛かりますので、それと比べると現地のSIMカードを使えることのメリットがわかります。
MVNO間を移動できる
契約したMVNO業者のサービスの品質に不満がある場合や、他のMVNOがより有利なサービスを始めた場合に、同じ端末を使ったまま乗り換えることができます。
大手キャリアの場合は契約をやめると端末代金の補填(「月々サポート」「月月割」「毎月割」)が打ち切られるため、簡単には乗り換えできません。
その他に考慮すべきこと
上の試算で用いた大手キャリアの端末代金は、2015年3月時点の各キャリアのオンラインストアの価格です。
通常、端末が発売されてしばらく経つと、販売店独自の割引サービスやキャッシュバックサービスが行われることがあり、それらを利用すればより安く購入することができます。
ただし、すでに大手3社の端末価格は2万円前後まで下がっているため、これらのサービスを加味してもSIMフリー+MVNOを逆転するのは難しそうです。
結論
価格面と上で触れたSIMフリー独自のメリットを考慮すると、Xperia Z3を使う場合はSIMフリー+MVNOを選ぶのが圧倒的にお得といえるでしょう。
それにしても、大手各社の料金プランと割引サービスは、身もだえしそうな複雑さですね。
こんなの店頭で短時間で説明されてもすんなり理解できないので、下調べしていない人は言うなりで不利な契約を結ばされそうで心配になります。
まとめ
- SIMフリー端末+MVNOについて、料金やサービスについて大手キャリアと比較、検討しました。
- Xperia Z3を使いたい場合、SIMフリー端末+MVNOは非常にお得とわかりました。