Panasonic Let’s noteの2016年夏モデルが間もなく発売されます。
Let’s noteシリーズは今年登場から20年を迎える伝統あるラップトップPCのブランドで、ソニーがVAIOを手放し、東芝も「チャレンジ」発覚でPC事業のVAIOや富士通との統合による再編を取りざたされる中、ひとり質実剛健な昔ながらの見た目の製品をリリースし続けています。
カフェではMacBookよりもよく見かけるLet’s note。中でもコンバーチブルタイプのLet’s note RZシリーズが良さそうです。
Let’s noteの魅力
特に薄いわけではなく、MacBookやかつてのVAIOのようなラグジュアリー感があるわけでもなく、Let’s noteだけの特別な機能があるわけでもない。
スーツ姿のビジネスマンが、席につくなりおもむろに開いて手早く何かを書きつけ、コーヒーを飲み終わると乱暴にモニターを閉じて、鞄の隙間に無造作に突っ込んで去っていく。Let’s noteにはそういう仕事道具のイメージがあります。
スタバやタリーズでMacBookでポチポチやりながらドヤる(仕事はたいして進まない)というのが個人的なカフェドヤのイメージですが、実際の現場ではLet’s noteが幅を利かせています。
おそらく職場で支給される持ち出し用のラップトップがLet’s noteというケースが多いのだと思いますが、そうなるだけの理由がちゃんとあるようです。
Let’s noteの仕様を見てみると、セキュリティロック用の穴が開いていたり、今どきアナログRGBのコネクターがしっかり装備されているなど、目新しい機能じゃなくても道具として必要なものは妥協無く盛り込まれていて、頼りになる道具感があります。
電源スイッチに見やすいLEDがついているのも、無線機能のオン・オフをスライドスイッチで切り替えられるのも、機能性を最優先に作られていることがよくわかる仕様です。
Let’s noteの魅力は、奇をてらったギミックを無理に盛り込まず、必要な機能を最も使いやすい形で提供しつつ、プロセッサーの強化や消費電力の低減といった基本性能を着実に強化しつづけているところです。
最新のLet’s noteを買っておけば仕事上たいていの場面で困ることはないという安心感がLet’s noteが選ばれる理由だと思います。
Let’s note RZシリーズが欲しい
そんなLet’s noteの最新のラインアップの中で注目したいのが「RZ」シリーズです。
Let’s note RZシリーズは、Let’s noteならではの仕事道具感を残したまま、液晶画面をぐるっと360度回転させる機構によってタブレットスタイルでも使えるようにした2-in-1デバイスです。
10.1インチサイズで1920 x 1200ピクセルの解像度を持つタッチ操作対応ディスプレイは、幅と高さの比が16:10になっていて、よくある16:9のものよりも縦長です。
画面の下にいつもタスクバーを出しておかないと使いづらいWindowsでは、この10%少々の縦長さが作業効率を大きく左右します。
また、タッチ操作対応なので、鞄の中で邪魔なくせに肝心なときに行方不明になるマウスを持ち歩かなくても、効率を損なわずに操作することができます。
プロセッサーにはIntel Core mシリーズを採用していて、そこそこの処理能力と長時間のバッテリーライフを両立させています。
そして、Let’s note伝統の頑丈さも健在です。痛そうなテストです。
また、ラップトップでいつも真っ先に壊れる液晶画面のヒンジもこのように頑丈そうなものが使われています。
プライベートで遊び用に使うラップトップでヒンジが壊れたことはありませんが、職場で2年以上使ったS社やT社のお洒落めな機種は、ことごとくヒンジ部分が壊れて配線がむき出しになったり開閉できないほどグラグラになったりして使えなくなりました。
ヒンジの頑丈さはラップトップ選びの重要なポイントだと思います。
安心のアナログRGB出力・フルサイズSDカードスロット・有線LANポート
出先でPCをプロジェクターに接続してプレゼンや打ち合わせをすることがありますが、そんなときはアナログRGB出力があると安心感が段違いです。
デジタル入力に対応していないプロジェクターに出くわすことはあっても、アナログ入力に対応していないプロジェクターを見かけることはまずありません。
アナログRGBならPCもプロジェクターも電源を入れたままケーブルをつないでもたいていうまく動きます。
Let’s noteなら「あ、うちのプロジェクターデジタル入力対応してないんですよ」と言われて途方に暮れなくて済みます。
それから、フルサイズのSDカードスロットを備えていることも安心材料です。
最近の極薄のラップトップや2-in-1デバイスではメモリーカードスロットがmicro SDになっているものが少なくありません。
自前のメモリーカードを使うだけならmicro SDカードとアダプターがあればどうとでもできますが、取引先がフルサイズのSDカードでデータを持って来たらアウトです。
Let’s noteならそういう心配がありません。
さらに、Let’s noteには有線LANポートがあります。
セキュリティのために無線LANの使用を禁止されている職場もありますし、サーバーにある重量級の仕様書なんかを開きたいときに無線だと遅くて使い物にならない場面もあります。
そういうときに有線LANポートはとても助かります。
アナログRGBもフルサイズのSDカードスロットも有線LANポートも、Let’s noteのやや分厚めの筐体のおかげで実装できている機能です。
というか、これらの機能を外さないで済むように、あえて筐体を厚くしているというのが実情なのでしょう。
こういうところがLet’s noteが根強く支持される理由なのだと思います。
カスタマイズできるのもうれしい
パナソニックストア限定のサービスですが、ボディカラー、天板の色、キーボードの色、キーのかな表記の有無のカスタマイズが可能です。
かなり自由度が高いカスタマイズができるので、自分だけの個性的なLet’s noteを作ることもできそうです。
個人的にはキーのカナ表記をなくしてしてすっきりさせられるのがうれしいです。
ちなみに、20周年記念モデルに限り、工場で自分で組み立てできる「パナソニックストア工房」に参加することができます。
決まった日時に自費で神戸まで行かなければなりませんが、本革ケースと記念写真がもらえる上、無料のランチまでごちそうになれるそうです。
Let’s note RZの20周年記念モデルはなかなかの値段ですが、自分で2-in-1のPCを組み立てられる珍しい機会ですので、検討してみるのも良いと思います。先着30名の限定企画です。
まとめ ~ 質実剛健な仕事道具として
今年20周年を迎えるLet’s noteシリーズは、昔からあまりイメージの変わらないやや分厚めの筐体デザインに必要な機能を妥協無く盛り込んだ、ちゃんと道具として使えるPCです。
WUXGA解像度のディスプレイはWindowsでの作業に適していますし、アナログRGBやフルサイズのSDカードや有線LANが使えることで現場で助けられる場面もあるでしょう。
いつも持ち歩く道具として大切な頑丈さも備えています。
12インチMacBookのような思わず見惚れてしまうようなデリケートな美しさはありませんが、タフで頼りになる相棒として役に立ってくれるに違いありません。
ハイエンドモデルのお値段はなかなかのものですが、標準的なモデルならMacBookやSurfaceシリーズとそう変わらない価格で手に入れられます。
仕事や勉強の道具として長く役に立つPCを探しているなら、Let’s noteは悪くない選択だと思います。