定額制音楽配信サービスの雄、Spotifyがようやく日本に上陸します。5年くらい待たされた感じです。
SpotifyはGoogle Play MusicもApple Musicも始まる前から海外で定額制音楽配信サービスを展開し、現在4,000万人の有料会員を抱えるまでに成長しています。
ちなみに、Apple Musicは2016年6月時点で1,500万人だそうです。
Google Play MusicやApple Musicとの比較など。
Spotifyの概要
Spotifyのサービスは、ユーザー登録すれば無料で利用できる無料プランと、月々980円の有料プラン(Spotify Premium)の二つで構成されています。
無料プランは曲と曲の間に短い広告音声が挿入され、スマホでは既存のプレイリストしか再生できない(=曲をピンポイントに指定して再生できない)とか、PC・タブレットでも曲を指定して視聴できる時間が限られている(30日ごとに15時間まで)といった制限があります。
有料プランでは広告が一切挿入されないほか、任意のアルバムや楽曲をピンポイントに指定して再生することができ、その曲数や時間にも制限はありません。
また、配信される際のビットレートも最高320kbps(フォーマットはMP3だったはず)と高音質になります。
さらに、指定したアルバムや楽曲を端末にダウンロードしておいて、ネットワークに接続していない状態でも聞けるオフライン再生も利用できます。
日本参入の発表会では言及されていないようですが、過去にアメリカのアカウントで利用した経験では、有料プランならアカウントの国以外にいても視聴できるが、無料プランでは利用できないという制限もありました。
日本のサービスでも同じ制限があるとすると、海外旅行中にも利用したいなら有料プランを契約する必要があるということになります。
配信される曲数は4,000万曲以上とされていて、Google Play Musicの3,500万曲以上、Apple Musicの数百万曲(サービス開始当初。現在はサイトで曲数を確認できません。)よりも多いですが、日本の楽曲がどれくらい含まれているかは不明です。
昨年の春ごろまで利用していたアメリカのアカウントでは、日本の楽曲はほとんどなかったと記憶しています。
有料プランの料金は月額980円。Google Play MusicやApple Musicと横並びです。
「大統領選後にカナダに移住する人向けのプレイリスト」のような攻め気味のCMを出したりもする会社です。
Google Play Music、Apple Musicとの最大の違いはアップロードの有無
さて、Spotifyが(日本では)先にサービスを始めたGoogle Play Music・Apple Musicと異なる部分は、無料プランがあることと、ローカルのライブラリーをアップロードする仕組みがないことです。
Spotifyは無料プランのおかげで全世界で1億人以上のユーザーを持つ巨大なサービスとなっていますが、前述のとおり無料プランは自由に再生曲を選べないとか、(おそらく)海外に行ったら利用できないという制限があるので、いつでもどこでも好きな曲を好きなだけ聞きたいという用途には不向きです。
お小遣いに多少の余裕がある人なら、いずれ有料プランに切り替えたいと思うようになるはずです。
有料プランのサービスをGoogle Play Music、Apple Musicと比較してみると次のようになります。
Spotify | Google Play Music | Apple Music | |
---|---|---|---|
料金 | 月額980円 | 月額980円(家族プラン1,480円) | 月額980円(家族プラン1,480円) |
楽曲数 | 4,000万曲以上 | 3,500万曲以上 | 数百万曲(サービス開始当初) |
日本のリスナー向け プレイリスト |
○ | ○ | ○ |
ユーザーの好みにカスタマイズされた プレイリスト |
○ | ○ | ○ |
ローカルライブラリーの アップロード |
× | ○ | ○ |
動画配信 | ? | × | ○ |
その他 | Running(走るペースに合わせた自動選曲) | Connect(アーティストからの情報発信) |
Spotifyにはスマホの振動から走るペースを自動的に割り出して、それに合わせたテンポの曲を自動的に選曲してくれる面白い機能があります。
海外では音楽関係の動画やテレビ番組などをオンデマンド配信するサービスも行われていますが、今回の発表では動画配信については触れられなかったようです。
一方、Spotifyに欠けている機能で大きなものは、ローカルのライブラリーをクラウドにアップロードしておいて、ストリーミングでいつでもどこでも聞ける機能です。
配信曲数がいかに多いといっても、日本の楽曲を中心に物足りない部分があるはずで、そこはユーザーが自前のライブラリーで補うことになるのですが、それらをスマホなどの端末に保存しておくのはストレージを消費してしまって具合が悪いです。
Google Play MusicやApple Musicではライブラリーをクラウドにアップロードして配信曲と一緒くたに再生できるのが便利ですが、Spotifyではそれができません。
これは大きなディスアドバンテージと言えるでしょう。
SpotifyはPC/Mac用のクライアントが素晴らしく出来が良い
SpotifyにはPC用とMac用のクライアントアプリがありますが、これがすごく出来が良いです。
必要十分な機能があり、動作が非常に軽快です。
配信曲だけでなくローカルのライブラリーを管理する機能もあります。
スマホで再生している曲を途中からPC/Mac用クライアントで引き継いで再生することも(もちろんその逆も)できます。
Google Play MusicにはPC/Mac用のクライアントはありませんし、Apple MusicのiTunesは動作がいちいち遅くてとても快適とは言えません。
PC/Macで利用する機会が多い人はクライアントの出来の良さだけでSpotifyを選んでもいいかもしれません。それくらい快適。
まとめ ~ 楽曲数とPC/Mac用クライアント使い勝手を重視するなら
Google Play MusicもApple Musicも始まる前から、Spotifyの日本上陸を心待ちにしてきました。
その間、Spotifyが日本にやってくるという噂が何度も流れたり、Spotifyの日本語サイトが立ち上がったりして、そのたびに「あと少しの辛抱だ」と期待し、めちゃくちゃ使いづらいSony Music Unlimited(サービス終了)で我慢しながら待ちぼうけをくらわされ続けてきました。
そのSpotifyがようやく日本にやってきます。こんなにうれしいことはありません。
日本版Spotifyのメリットは無料プランがあること、他のサービスよりも楽曲数が多いこと、PC/Mac用クライアントの出来が良いことの3点に集約されると思います。
これらに魅力を感じるならSpotifyは十分に「有り」な選択肢です。
今回の発表に関して、有料プランの無料トライアルの有無について報じられていないのですが、海外では30日間の無料トライアルが用意されています。
もしも無料トライアルが提供されるなら、ぜひ試してみることをおすすめします。
当初はエントリー制でアカウント作成には招待コードが必要になるようです。
まずはSpotifyのウェブサイトかSpotifyアプリからメールアドレスを登録して招待コードのリクエストをしておきましょう。
以上、やっと日本にやってくるSpotifyについてでした。
リマール超なつかしい。