Apple Siliconを搭載したMacが登場してそろそろ3ヶ月になります。
私も毎日使っていますが、これがめちゃくちゃに良いので、ライバルのIntelは錯乱しているようです。
Intelの「Macってゲームもタッチ操作もできないんでしょ」プロモーション
IntelのCPUは2021年の今でもデスクトップ、ラップトップの両方の市場で圧倒的なシェアを誇っています。
自作PCの世界ではAMDの猛攻を受けていますし、ラップトップ向けも徐々にAMDの侵食を許していますし、MacはIntelから離れていくことになりましたが、それでもまだまだ王者の地位はゆらぎません。
しかし、この先何年もその状態が続くかどうかについては、Intel自身も不安に感じているのかもしれません。
こんなプロモーション・キャンペーンが始まっています。
Only a PC can power scientists and gamers alike. #GoPC
— Intel (@intel) February 10, 2021
Only a PC offers tablet mode, touch screen and stylus capabilities in a single device. #GoPC
— Intel (@intel) February 2, 2021
「PCだけが科学者とゲーマーに同じように力になれます」「ロケットの打ち上げができたり、ロケットリーグで遊べるなら、あなたの使っているのはMacじゃありません」「PCだけがタブレットモードやタッチ操作やペン入力を1台で提供します」「フォトショップのサムネイルを親指でめくれたら、あなたの使っているのはMacじゃありません」
なにこれ?
あのですね、Intelというのは偉大な会社なんですよ。
世界最初のマイクロプロセッサーを作ったのもIntelなら、1978年に8086プロセッサーをリリースして以来、40年以上もPCの世界をほぼまるごと引っ張ってきたのもIntelです。
そのIntelがこんなキャンペーンを始めたの?
で、上のツイートのリンク先にはこんな動画があります。
ざっくり内容をかいつまむと…
- Macでは「Cyberpunk 2077」(というゲーム)を遊べない
- MacにはUSB Type-Aポートがない
- IntelのEvoプラットフォームならM1 Macにはないものが山ほど手に入る
- たとえばASUSのZenBookなら、タッチ操作もペン入力もできるし、トラックパッドがテンキーにもなる
- Razer Book 13は美術品みたいに美しいし、フルサイズのHDMIポートもUSB-Aポートもあるし、キーボードイルミネーションもある
- 他にもいろんなメーカーから続々とEvo対応のラップトップが出ている
- Evoなら処理速度も速いし、たくさんの周辺機器も使える
- 中でもeGPUが使えて最新のゲームを遊べるのは素晴らしい
- Thunderbolt 4にも対応
- Samsung T7の指紋認証機能が使える(M1 Macでは指紋認証機能が使えない)
などなど。
動画の概要欄に書かれているとおり、これはIntelがスポンサーになった広告動画です。
この動画はたいへん評判が悪く、約1,000件のGood評価に対して、Bad評価が2,000件以上も集まる始末。
コメント欄には「ゲームやるならAMD使うし」「この動画はMacで編集されました」「Intelはこんな広告じゃなくてプロセスの微細化に金を使うべき」「Evoの良いところは無料で暖房器具がついてくること」「10分未満でこれまでのYouTuberとしての評判を台無しにする方法」「うわあ、恥知らず」などの心温まるコメントが並んでいます。
上から100件ほど読んでみましたが、ポジティブなコメントが一つもありません。
Intelとしては供給先の企業との関係もあって自社技術の優位性をアピールしなければならないんだとは思いますが、この動画のような内容は些末にすぎます。
個人向けコンピューターの歴史を作ってきた偉大な企業として、ライバルのしょうもないアラ探しではなく、どうせやるなら、Apple Siliconの登場をも踏まえた将来のビジョンを示すようなことをしてほしかったし、コメントにもあるとおりAppleに負けない良いものを作ってくれよと、本当に残念に思いました。
それと、Appleは今でもIntelプロセッサーを搭載したMacを売っていることを忘れないでほしかった。
まじでしっかりしてくれよ。
リンク:新しいインテル® Evo™ プラットフォーム搭載ノートブック PC 登場(Intel)