5月10日に可決された新しい法律により、今年の秋以降は携帯電話の端末代金相当額を月々の利用料金から割り引くサービス(月々サポート、毎月割、月月割)が禁止されます。
そうした動きを見据えた新しい料金プランが発表されていますが、どうやら大して安くなるわけでもないようなので、これで心置きなくMVNOへ移転できそうです。
携帯料金の分離プランって何?
これまでの携帯電話の料金プランは、毎月の利用料金として端末代金の大部分が事実上含まれた比較的高めの金額が設定され、その代わりに端末購入時に支払う代金が安くなるというものが主流でした。
そして、端末代金が含まれた高額な利用料から機種や購入時期に応じた一定の金額を約2年間にわたって毎月の利用料金から割り引くサービス(月々サポート、毎月割、月月割)によって、ユーザーの月々の負担を軽減するということが行われていました。
端末代金を購入時に一括払いした場合は、毎月の支払いに端末代金が含まれない上に、毎月の利用料金から一定額が割り引かれるので、月々の負担はさらに軽くなっていました。
このため、端末を一括払いで手に入れる際に販売店独自の割引などによって安く購入できれば、毎月の利用料金が割り引かれる分だけお得に利用できたわけです。
このような仕組みは端末を2年ごとに買い換えるユーザーにとってはメリットがある反面、2年以上同じ端末を使い続けるユーザーにとっては3年目以降に端末代金相当の割引がなくなるぶん大幅に負担が増えるという問題がありました。
長く同じ端末を使い続けるユーザーが、頻繁に端末を買い換えるユーザーの端末代金の一部を負担するような形になっていたわけです。
しかし、今回の法律によって毎月の利用料金から端末代金相当額を割り引くことが禁止され、「端末代金は端末代金として」「利用料金は利用料金として」それぞれ明確に分離した形で支払うことになります。
この結果、これまでならドコモ、au、ソフトバンクのメジャーキャリアを利用すれば端末代金部分で得をする可能性があったものが、新たな制度では期待できなくなるということです。
新しい機種を次々に乗り換えるユーザーはMVNOが有利に
さて、この制度変更はわれわれガジェット好きにとってMVNOを利用するインセンティブを高めるのではないかと思います。
これまではメジャーキャリアで端末を購入することには前述のようなメリットがあり得たので、利用料金がMVNOと比べて割高でもメジャーキャリアを選ぶ理由がありました。
ただ、たとえばiPhoneの新機種を毎年手に入れたい場合、2年契約を前提としてメジャーキャリアの料金プランでは都合が悪いことが多く、使い勝手の悪さを感じる場面もありました。(2年経つ前に機種変更すると月々の割引が終わってしまうといったことです)
しかし、今後は少なくとも端末代金の面ではキャリアで買おうとAppleストアで買おうと大差ない状況になると思われるので、わざわざSIMロック付きのキャリア版を買う必要はなくなります。
キャリアで端末を買わないのなら、もはや無理をしてそのキャリア利用する理由もなくなるわけで、通信品質の安定したMVNOを利用すれば月々の負担も軽くなるというものです。
そこで、UQモバイルやY!mobileといったサブキャリアと言われるMVNOが俄然輝くことになります。
UQモバイルやY!mobileはその他のMVNOよりもやや高めの料金設定になっていますが、その代わりに各種の調査で高い通信品質が確認されていて、通勤・通学やお昼休みなど、回線が混雑しがちな時間帯にも安定して利用できることがわかっています。
といったわけで、今後はメーカー直販のSIMフリー端末をMVNOで利用するのがお得ではないかという話でした。