MacのeGPUとしてRadeon Pro WX 9100を2枚取り付けた結果

スポンサーリンク
MacBook Pro 2018 - 2 Apple
記事内に広告が含まれています。

MacBook Proの値下がりを待ちながらお盆を過ごしています。

ねらい目の15インチの下位モデルの価格は現在23万6,000円ほど。あと1万円下がったらダッシュで買いに行きます。

そんなMacのeGPUに関して、面白い実験をされている動画を発見しました。


スポンサーリンク

Macに1枚33万円のGPUを2枚取り付けた結果

その動画がこちら。

9to5Macのジェフさんが13インチMacBook ProとiMac Proに、eGPUとしてRadeon Pro WX 9100(時価約33万円)を2枚取り付けていくつかの実験をされています。

前半は13インチMacBook Proと映像編集ソフトのDaVinci Resolve Studio 14を使って、本体内蔵GPUだけの場合と、eGPUを2基追加した状態とで、どのくらいパフォーマンスが違うかをチェックしています。

eGPUとして利用したのは、AMD Radeon Pro WX 9100というモデルで、価格コムでの最安値がおよそ33万円。1枚でもMacBook Proより高いわけですが、これを2枚使っています。
さらに、グラフィックスカードを収めるためのボックス(時価およそ5万6,000円)を2個使っています。
総額で100万円ほどの機器ですね。贅沢です。

ちなみにこのRadeon Pro WX 9100というカードは、miniDPポートを6つも持ち、HBM2メモリーを16GBも搭載しているという、ワークステーション向けの超高級カードです。

MacBook Pro単体では扱えないエフェクト付き動画の編集も楽勝

さて、MacBook Pro 13インチモデルで行ったテストは、4K 24フレームの素材に、とても重そうなエフェクトを施したものを、タイムラインで再生したり、ファイルに書き出したりするというものです。

MacBook Pro単体では、タイムライン上でのプレイバックが1秒あたり1.5~2フレームでしか表示されず、この状態で編集作業を行うのはほぼ不可能です。
また、ファイルへの書き出しスピードも同じようなもので、約16分の動画をすべて書き出すのに、計算上は約3.7時間、DaVinci Resolve上に表示される予想時間で約4時間も掛かることになっています。
この間、MacBook Proはフル回転で処理をしているため、待ち時間に他の作業をすることもままならないでしょう。これは厳しい。

続いてeGPUを2基接続した状態で同じことを行うと、タイムライン上では1秒24コマのフルフレームでプレイバックが表示でき、ファイルへの書き出しは1秒あたり28~29フレームで行われていて、元の長さより短い時間で書き出しが可能です。eGPUの効果はテキメンです。

ほかにも次のようなことが明らかにされています。

  • エフェクトなしの動画の書き出しでもeGPUは効果的だが、その場合は1台でも2台でも効果に大きな違いはない

  • エフェクトありの動画の書き出しでは、eGPUを2台接続した方が、1台接続した場合よりも効果が大きい

  • OpenCLのベンチマークでは、eGPUの台数がそのまま効果に直結する

iMac ProでもeGPUは効果絶大

動画の後半では、内蔵GPUとしてRadeon Pro Vega 56を搭載しているiMac Proでも実験をされています。

こちらの実験では、DaVinci Resolveのインスタンスを3つ起動して、それぞれでタイムラインを再生するという処理を、内蔵のdGPUのみで行う場合と、eGPUを2基接続して行う場合を比較しています。

まず、内蔵dGPUのみの場合、再生がコマ落ちしたり、操作にラグがあったりすることがわかります。このとき、Radeon Pro Vega 56の利用率はほぼ100%に張り付いたままです。

一方、eGPUを2基接続した状態では、コマ落ちも操作への反応の遅れもなく、非常にスムースに動作していることがわかります。いずれのGPUの利用率にも若干の余裕があり、うまく負荷分散が図られていることもわかります。

これなら、一つの動画を書き出しながら、別の動画の編集や色調整を行うなど、並行して作業を進めることができそうです。


激しく動画編集する場合は、複数eGPUの利用価値あり

このように、MacとDaVinci Resolveの組み合わせでは、複数のGPUを利用した処理の並列化がうまく行えるようなので、お仕事で動画編集をされる方にとっては、eGPUを複数接続するという使い方は、それなりに利用価値のある方法だと言えるでしょう。

今回の実験では1枚30万円を超える超高級カードが使われていますが、最後のiMac Proの実験を見ると、より入手しやすいRadeon RX Vega 64 や Radeon RX Vega 56を使っても、十分な効果を得られそうに思えます。

なお、DaVinci Resolveは無料版でもほとんどの機能を利用できるたいへんありがたい映像編集ソフトですが、GPUを複数利用する場合には、有償版のDaVinci Resolve Studio(3万3,980円+税)を購入する必要があります。

というわけで、MacにeGPUを複数台接続する使い方は、激しく動画編集をするプロ&セミプロの方にはおすすめの構成だという話でした。


タイトルとURLをコピーしました