米国時間6月8日に行われたWWDC 2015でついにApple Musicが発表されました。
アメリカでの料金は一人なら月額9.99ドル。家族ならまとめて14.99ドル。6月30日サービスインで、最初の3ヶ月間は無料です。
iPhone、iPad、iPod Touch、Apple Watch、iTunes(Mac、Windows)で利用可能。Apple TVとAndroidは今年の秋に対応予定。
いきなりすごいのが来た。
Apple Musicの概要
まずはイメージムービーから。
これ、古そうな映像も全部新しく撮ってるみたいですね。めっちゃ気合い入ってます。
さて、アップルではいつものことですが、カンファレンスでの発表直後に公式のウェブサイトに詳しい情報が出ています。
とても長いのでまとめてみます。
ミュージックライブラリを集中管理
iTunesで購入した曲も、自分でリッピングした曲も、どこかからダウンロードした曲も、Apple Musicライブラリとともに集中管理するとのことです。
MacやWindows PCならiTunesで、iPhone、iPadならアプリ上で、すべての曲にアクセスできます。
アップルのウェブサイト上のイメージでは、iPhoneアプリでは「Apple Music」と「My Music」を分けて表示できるようです。
オフライン再生も可能
Apple Musicライブラリの曲、アルバム、ビデオからプレイリストを作ることができ、それらをオフラインで聞くことができます。
つまりApple Musicライブラリの曲はデバイスにダウンロード可能ということ。
プレイリスト、アルバム、ビデオをTwitterやFacebookに投稿可能
お気に入りのプレイリスト、アルバム、ビデオをTwitterやFacebookに投稿することができます。
SNSへのシェアはすでにSpotifyなどでもできていることですが、ちゃんと揃えてきたのですね。
iOSデバイスではSiriで制御可能
ほとんどの操作をSiriから行うことができる模様です。
例として次のようなものが挙げられています。
「1982年のトップソングを再生して」
「これに似た曲をもっとかけて」
「この曲のあとに、Wilder Mindを再生」
「新しいブラーのアルバムをライブラリに追加して」
人間が作ったプレイリスト
好みのジャンルやバンドを入力して提案されるプレイリストは、音楽好きのエキスパートたちが作ったものだそうです。
曲の属性データだけから機械的に作ったものよりも精度が高いものが期待できそうです。
聴けば聴くほど精度が上がるおすすめ曲の提案
ユーザーごとに再生曲の傾向を分析して、より好みに合ったおすすめ曲を提案してるそうです。
音楽専門誌などが作るスペシャルなプレイリスト
「Rolling Stone」「Pitchfork」「MOJO」などの音楽専門誌・サイトが作る厳選されたプレイリストが提供されます。
音楽はすべてiCloud上に置かれる
ユーザーのミュージックライブラリの曲のうち、Apple Musicにある曲はApple Musicから、それ以外はiCloudにアップロードされることで、ミュージックライブラリ全体をどこにいても聞けるようになります。
すでに大きなミュージックライブラリを持っている方はiCloud側の容量が足りるのか心配になるかもしれませんが、iTunes Matchのときには曲をアップロードする分の容量は通常のiCloudとは別カウントになっていたので、今回もそのようになると思われます。つまり心配なし。
24時間放送の世界共通ラジオ局「Beats 1」
ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンのスタジオから世界100カ国以上に向けてオンエアするラジオ局「Beats 1」を聞くことができます。
ゼイン・ロウの声がカッコイイです。
インターネットラジオ局で世界中どこでも聞けるものはいくらでもありますが、Beats 1ほど多くのユーザーにリーチするものは初めてではないでしょうか。
Beats 1でフィーチャーされるかどうかが売れ行きを決定的に左右するということが起こるかもしれません。
カスタムできるラジオ局
曲かアルバムかアーティストを選ぶだけで自分だけのラジオ局を作ることができ、さらに細かく調整してより好みにあったラジオ局にすることができます。
アーティストとつながる「Connect」
アーティストたちがファンへ向けて様々な情報を発信する場が設けられます。
ファンはアーティストの投稿にコメントしたり、Twitter、Facebookで共有したりでき、アーティストはファンのコメントに直接返事することもできるそうです。
既存のミュージックライブラリとのシームレスな融合とBeats 1に期待
自分がすでにローカルに持っているミュージックライブラリをクラウドにアップロードして、ストリーミングサービスのライブラリの曲とシームレスに聞くことができるというのは、いまのところApple Musicだけじゃないでしょうか。
Spotifyはデスクトップ用のアプリでもスマートフォン用のアプリでも、ローカルのミュージックライブラリを取り込むことはできますが、クラウドにアップロードすることまではできていません。なので、ローカルに持っている曲を外出先で聞くためには、スマートフォンなどのストレージを消費して持ち歩く必要がありました。Apple Musicではそれがなくなります。すごい。
また、Beats 1が本当に面白いラジオ局になれば、世界の音楽の流行に影響を及ぼす一大勢力になるんじゃないかという点にも注目です。世界中の人が同じラジオ局を聞いて、そこで取り上げられる曲やアーティストが流行っていく。そういうことが起こりうるのか、とても楽しみです。
日本でのサービスは期待大
気になるのはApple Musicのサービスが日本でも提供されるのかということです。
Apple Musicの詳細については、すでにアップルの日本語サイトに詳しく書かれています。
サービスの開始時期や料金についてはクリックしてもどこにもリンクしなくなっていますが、たとえば下のスクリーンショットのように、明らかに日本向けのプレイリストの例が挙がっているので、日本でのサービスインは十分期待できると思います。
https://www.apple.com/jp/music/radio/
※「ディズニー」とか書いちゃってますが、これはアメリカのサイトに出ているものにはありません。「トゥデイズ J-Pop」「トゥデイズ K-Pop」もアメリカにはありません。
こういうことも書いてあります。
https://www.apple.com/jp/music/membership/
日本では「AWA」の登場でようやくサブスクリプション型の音楽配信サービスに火がつくかどうかという状況になった矢先ですが、いきなり超巨艦の黒船がやってきそうでエライことになりました。Apple MusicのAndroid対応が少し先になることがAWAにとって唯一の救いでしょうか。
ともかく、早くApple Musicの日本でのサービスについてアナウンスしていただきたいと願いつつ、今日のところはAWAの無料サービスを楽しみたいと思います。