Happy Hacking Keyboardシリーズがアップデートされました。
公式サイトもカッコよくなっています。
今回はどのモデルを買うべきか/買わざるべきかを考えます。
新しくなったHappy Hacking Keyboardの概要
新しいHappy Hacking Keyboardは次の3種類です。
お値段が高い順に、Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S、Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID、Happy Hacking Keyboard Professional Classicとなります。
名前に「HYBRID」が付いているものはUSB(キーボード側はType-C)とBluetoothの2つの接続方法に対応し、ClassicはUSB接続(こちらもキーボード側はType-C)にのみ対応しています。
ClassicにはUSBケーブル(Type-C to Type-A)が付属しますが、HYBRIDには付属しません。
どのモデルも黒と白の2色展開で、英語配列のモデルにはキートップの刻印がない「無刻印」タイプが用意されています。
なお、HYBRID Type-SとHYBRIDには日本語配列と英語配列が用意されていますが、Classicには英語配列しかありません。
HYBRIDモデルの進化のポイント
Bluetoothの接続先を選べるようになった
Happy Hacking Keyboardシリーズは2016年の「Happy Hacking Keyboard Professional BT」で初のワイヤレス対応を果たしました。
最大4台のホストとペアリングできる仕様でしたが、複数のホストとペアリングしている場合、どのホストと接続するかは早いもの勝ちという謎仕様で、狙った相手と確実に接続するためには、その他のペアリング済みホストのBluetooth機能を一時的にオフにしたり電源を切ったりしなければなりませんでした。
こうした不便を感じずに使うためには、1台のホストとだけペアリングする運用にするほかなく、イマイチBluetooth対応の便利さを味わいつくせない製品でした。
今回発売されたHYBRIDモデルはこの弱点を克服し、ペアリング済みの複数台のホストのうちどれに接続するかを明示的に選べるようになりました。
専用アプリでキーマップを変更できる
HYBRIDとHYBRID Type-Sでは専用のアプリ(現在はWindowsのみ、後日Macにも対応予定)を使って文字キーのキーマップを変更できるようになっています。
変更した内容はキーボード本体が記憶するので、前記専用アプリをインストールしたPC以外でも変更後の動作をさせられるということです。
また、文字キー以外の動作の一部は従来のHappy Hacking Keyboardと同様にDIPスイッチによって変更することが可能です。
新モデルの気になるところ
今回のアップデートで気になるところはいろいろあります。
HYBRIDモデルは乾電池駆動(またはUSB給電)
HYBRIDモデルはBluetoothによる無線通信を行うために電源が必要なのですが、その電源は従来のBluetooth対応モデルと同様に、乾電池(単3 x 2本)またはUSBからの給電で賄われる仕様です。
バッテリーを内蔵せずに乾電池を採用するメリットは、内蔵バッテリーの寿命がキーボードの寿命になってしまうことを避けられることと、有線接続時に乾電池を抜くことで軽量化できることです。
しかし、製品写真を見ればわかるとおり、HYBRIDモデルでは本体後方に電池ボックスが飛び出すデザインとなっていて、率直に言って少しカッコ悪いです。
また、乾電池の寿命はアルカリ乾電池を使用した場合で約3か月とされていて、わりと頻繁な交換が必要です。
そして、これは前モデルの「Professional BT」での経験ですが、デフォルトで設定されている「Wake Up Disable(省電力モード)」はオフにしないと頻繁にスリープ状態になって使いづらいので、実際に利用する場面では電池寿命はもっと短くなると思われます。
電池そのものはEneloopを2セット(4本)と充電器を用意しておけば事足りるのですが、さあ仕事するぞ→電池切れてる→交換して充電→充電器と充電済み電池を片付ける、という一連の動作をそこそこの頻度で求められるのはちょっと惜しいです。内蔵バッテリーだったらときどきUSBケーブルを接続するだけで済むのになあと。
このクラスのキーボードを敢えて選ぶユーザーなら、何年か使って内蔵バッテリーがヘタったら、その都度新しいモデルを買ってくれそうなものなのですが。
HYBRIDモデルの電源ボタンはボタン長押し式
HYBRIDモデルには電源をオフにする機能がありますが、その方式はProfessional BTと同じでボタンを長押しするタイプです。
電源がオンになっているかオフになっているかはボタンを短押ししてLEDの表示を見るか(点灯すればオン)、キーを押してPC等が反応するかを見て判断するしかありません。
バッテリーをなるべく長持ちさせるために、また、持ち運び時の誤動作を防ぐために、電源をオフにしたい場面はよくあるのですが、その都度上記のような確認が必要で、使い勝手はあまり良くありません。
電源ボタンはひと目で状態がわかるスライドボタンにするべきだったと思います。
Classicモデルには日本語配列がない
有線モデルのClassicには(少なくとも現時点では)英語配列しか用意されていません。
では、既存モデルのProfessional JPを利用すればいいかというと、Professional JPは在庫品限りで終売とされています。
日本語配列で有線接続したいユーザーにはHYBRIDモデルを有線接続で使うという方法が残されていますが、HYBRIDモデルは少し重くて値段も高いです。
Bluetooth接続を複数の機器で使いたい新規ユーザーはHYBRIDを、既存モデルのユーザーはそのまま使い続けるのがいいかも
以上、Happy Hacking Keyboardのアップデートの話でしたが、3年掛けたんだからもう一息進化して欲しかったというのが率直な感想です。
とはいえ、新たにHHKBを購入しようという方は、Bluetoothで接続先を選べる便利さや、USB-C採用で先々のケーブルの心配をしなくてよくなった(従来はなんとminiUSB!)というメリットを取って、今回発売されたモデルを選ぶのがいいと思います。
一方、すでにHHKBをお持ちの方は無理して買い換えずにさらに3年後のアップデートを待ってもいいんじゃないかという気がします。(3年後にアップデートされるかどうかはわかりませんが)
皆さんはどう思われますか?