ゲーミングPCのサブスクサービスが始まるそうです。
デスクトップPCなら自分で作った方が安くないか?という話。
ゲーミングPCのサブスクリプションサービスがあるらしい
ThinkpadなどでおなじみのレノボがゲーミングPCのサブスクサービスを始めるそうです。
リンク:スグゲー(Lenovo)
月々少額の料金を支払うことで最新のゲーミングPCとゲーミングアクセサリーを使えて、DMM GAMESの400以上のタイトルが遊び放題になる「GAME 遊び放題」を利用できて、さらに、24時間365日体制のコールセンターを利用できるというものです。
利用するPCの機種によって料金は異なり、ラップトップの場合は2年契約で月額5,900円から、デスクトップの場合は同じく月額6,600円から利用できます。
ゲーミングPCを利用できて、ゲームも遊び放題でお得、なのでしょうか?
同じスペックのPCを自分で作ってみる
利用できるPCのスペックが明記されているので、同じスペックのPCを作ったらいくらになるか調べてみたいと思います。
ターゲットは「ゲーミング・デスクトップ」の「エントリーパッケージプラン」というもので、スペックは次のように記されています。
- 24.5型 ゲーミングモニター
- 16GB DDR4(8GB x2 デュアルチャネル)
- AMD Ryzen™ 5 3600 プロセッサー
- NVIDA® GeForce® GTX1660 SUPER™
- 256GB SSD + 1TB HDD
- Wi-Fi 6 対応
このほかに、全プラン共通でゲーミングアクセサリーとして次のものが加わります。
- ゲーミングマウス(Lenovo Legion M500 RGB)
- ゲーミングキーボード(Lenovo Legion K500 RGB)
- ヘッドセット(Lenovo Legion H500 PRO 7.1)
で、同じスペックのPCを作るのに必要なパーツを揃えると次のようになります。
品名 | 型番 | 最安価格 |
---|---|---|
24.5型 ゲーミングモニター | ASUS TUF Gaming VG259Q | 2万9,430円 |
16GB DDR4 | G.Skill F4-2666C19D-16GIS | 6,050円 |
AMD Ryzen™ 5 3600 プロセッサー | Ryzen 5 3600 BOX | 2万3,280円 |
NVIDA® GeForce® GTX1660 SUPER™ | Palit NE6166S018J9-161F | 2万4,980円 |
256GB SSD | ADATA XPG SX6000 Lite | 3,980円 |
1TB HDD | 東芝 DT01ACA100 | 3,780円 |
Wi-Fi 6 対応(マザーボード) | ASUS PRIME B550M-A(WI-FI) | 1万5,019円 |
PCケース | Termaltake Versa H17 | 2,979円 |
電源 | Silverstone SST-ET550-B | 5,478円 |
マウス | Lenovo Legion M500 RGB | 7,150円 |
キーボード | Lenovo Legion K500 RGB | 1万2,540円 |
ヘッドセット | Lenovo Legion H500 PRO 7.1 | 1万1,880円 |
OS | Windows 10 Home(64bit) | 1万3,850円 |
ここまでの合計が16万396円です。
マウス、キーボード、ヘッドセットは同等の別モデルを選べばもう少し安くなりそうですが、今回はきっちり同じモデルに合わせて試算しました。
ここにDMM GAMESの遊び放題プランが30日につき980円かかるので、1年なら1万1,760円(360日)、2年なら2万3,520円(720日)必要です。
総費用をスグゲーの価格と比較するとこうなります。
スグゲー | 自作 | |
---|---|---|
1年 | 1万200円×12か月=12万2,400円 | 16万396円+1万1,760円=17万2,156円 |
2年 | 6,600円×24か月=15万8,400円 | 16万396円+2万3,520円=18万3,916円 |
この時点ではスグゲーの方が若干安いようですね。
1年後・2年後のことも考えよう
では、ゲームしたい人はスグゲーに飛びつけばいいのかというと、もちろんそんなことはありません。
スグゲーを1年なり2年なり利用したらそのあとには何も残りませんが、自作の場合は手元にやや古くなったPCが残ります。
モニター、ケース、電源、キーボード、マウス、ヘッドセット、OSはそのまま使い続けられるでしょう。
残りのパーツを全部購入時の半額で換金できたとして(たぶんできる)、残り半額(だいたい4万円)を加えて新たにパーツを揃えれば、また2年くらい遊べるPCを組むことができます。
時代とともに古くなったパーツを新しいものに取り換えていくことで、長い期間を掛けてコストを最適化できるのが自作PCの強みですが、それがよくわかる例ではないでしょうか?
スグゲーはすぐにまとまった金額を払えない人にお得なサービス
スグゲーは自称「サブスク」サービスということになっていますが、実態は残価設定クレジット型のサービスです。
契約期間の終了時に商品(この場合はゲーミングPCとアクセサリー)を返却する約束で、その分月々の支払いが安くなるということなのですが、上で見たとおり自分でPCを組む場合と比べて安いわけではありません。
途中解約も認められていないので、使い始めてからスペック不足に気づいても手の打ちようがありません。
では、スグゲーには全く利用価値がないのかというと、そういうわけでもありません。
上で紹介したような自作PCパーツを1年なり2年なりの分割払いで購入しようとすると、おそらくクレジットカードの分割払いやリボルビング払いの機能を利用することになるはずです。パーツ屋さんが信販会社のローン払いに対応しているという話は聞いたことがありませんので。
とすると、10数万円というパーツ代金を一括で支払うだけの蓄えがなく、分割払いに対応したクレジットカードも持っていないけれど、ゲーミングPCでゲームを楽しみたい場合には、スグゲーは便利なサービスということになるでしょう。
金銭的な損を承知で、それでも敢えて利用するサービスという感じでしょうか。
リンク:スグゲー(Lenovo)